大人オリジナル小説
- Re: 裏 切 り リ ス ト カ ッ ト 。 ( No.14 )
- 日時: 2013/10/31 16:19
- 名前: 奏羅 ◆rVbjb/dfiE
【第一話 悲劇のヒロインになりました】麗音視点
最初は羨ましいって思った。
人気者でなんでもできて、美人で世界ランキング一位の財閥の娘で。
でも、私は彼女の様には輝くことは一生できない。
裏切りとか、嘘とか、騙しとかされてきて、何時もカッターを持ち歩いている物騒な私は優しくて勇気がある御淑やかな転校生には敵わない。
少女は、私と同じ転校2回目の美少女____。
でも、同じな事が山程あっても私は小さい存在だ。
何度も思い知らされたわ。あの日から。
「嶺嬢院 焔と言いますわ。転校はこれで2回目ですの。宜しくお願い致しますわ」
教室が騒がしくなっていく。白い肌に整った鼻、赤くて可愛らしい唇。
私の学校の、エリートを示す白いふんわりとしたワンピースに腰にベルトのようにして後ろで硬く結ばれた紫のリボン。
学校の紋章が刻まれてあるその美しい制服を着こなしている。
そしてこの前テレビでやっていた、嶺嬢院家用の室内用の白いローファーを履いている。
かなりの美少女だった。御辞儀すると、黒くてサラサラのツヤのあるロングストレートの髪は光に当たって光る。
胸元の青いペンダントが印象的だった。
『学校で初のエリート優等生が転校してきた』
その噂が本当か、彼女目当てでくる人が多くなった。
他のクラス・学年がエリート優等生を見学する行事をいきなり開く程。
1時間目の数学、全問正解し、2、3時間目の体育は県内記録更新。
4時間目の国語は「伊勢物語」をスラスラと暗記して言った。
5時間目のテスト、習っていないところも全部正解し100点。
6時間目の家庭科は料理のミニ先生をやっていた。
転校初日、告白してきた人は12人。
誰もが思った。
この少女は、完璧少女だと。
* * *
放課後、彼女と彼女の後ろにいる9人の女子生徒に呼び出された。
全員がリムジンに乗り込み、彼女の家へ向かった。
向かった先は、外国のお城をイメージしてある新築の大きい御屋敷。
噴水が中心にあり、門から扉まで、隙間を開けて建ててある柱。上は造花で出来たトンネル。
庭には花とパラソル付きテーブル、全10種のプールがある。門は茶色で大きい扉。そして一番目に焼き付いたのは・・・
「誰・・・?」
目を奪われる程美しい夜景。焔さんとカッコいい男の子。
その写真を見たあと、中に入る。
「お帰りなさいませ、焔御嬢様」
「只今帰りました」
「焔御嬢様!!」
「マミヤ・・・」
美少女同士の雑談の後、私は気を失った。
* * *
目が覚めると、私は壁に貼り付けられていた。さっきの部屋じゃない。
古い工場みたいな場所。金物類が揃っていて、何故か怖かった。
それに、目の前にはパラソル付きテーブルに座ってマカロンと紅茶を味わう焔さんとマミヤと呼ばれたメイド服の美少女。
「あら、御目覚めかしら?」
立ち上がる2人の後に付き、9人が来る。
その後、睡眠薬が入った飴を食べさせられ、出さないように透明色のガムテープを口に貼られる。
何とか出そうとすると、棘が付いたベルトで叩かれた。
その後は、ゆっくりと眠った。
次に起きた時は、私は酷い姿になっていた。