大人オリジナル小説

Re: 疲れた。いじめ。虐待。{参照50!感謝です} ( No.19 )
日時: 2014/01/19 10:30
名前: ショコラ

第8話  [感情コントロール不能ってなんなんですか?]




私はそこから・・・・。暴れまわった。

自分でイケないことだとわかっているのに、制御ができない。



何をやっているのか、わからない。相手に害を加えたら、アイツ等と、同じだ。

そんなことはしたくない。なのに―


止められない。



意識がないわけじゃない。心では止めなければいけないのに、わかっているのに。




体が言う事を聞かないといのは、嗚呼。本当に辛いことだ。









「やめて、やめて」優南は私にすがるように言った。




やめたいよ。やめたいよ。問題も起こしたくないよ。親に迷惑もかけたくないよ。死にたくもないよ。体の思うままにさせたくないよ。



でも―。「抵抗できなくなりたくもないよ」


そんな感情がやめたい感情を邪魔して。


こんな事をやってしまっているわけで。








自分で、これが終わったと思えるのには、少なくとも10分かかった。





自分で制御にかかった時間じゃない。


先生が止めに来た時間だ。先生もケガを負った。でも、良香先生は全然怒らなかった。

優しく私に笑いかけ、頷いただけだ。





「アナタは止められなかったのよね?川崎さん。わかってるわ。和来さんや忠樹さんが・・・。ええ。わかってるわ。ああ・・・なんて言えばいいのかしら。うん・・・。今日は、早く帰りなさい。掃除当番は今日は放棄していいわ。そして、精神医院に行くのよ。私が全てを自費するわ」


とにかく、掃除当番を放棄できるのは、ラッキーだった。掃除当番で、花蓮と顔を合わせたくない。





精神医院に罹る(かかる)か・・・。ママになんて言おう?




「暴れて優南と風夢を殺しそうになりました。良香先生に精神医院に行きなさいと言われたので行きます。良香先生が自費してくださるそうです。行ってきます」


こう、いうのか?あまりに理不尽すぎる。そうだ。



いっそ、ママにイジメの事を言ってしまおうか?警察に解決してもらうのも悪くない。


ママは、親として、心配してくれるだろう。ズバッと言ってくれるだろう。


でも、警察として、問題に見てくれるだろうか?高校生のイジメ警察を出動させるのだろうか?






ハァ・・・結局、ママやパパに迷惑をかけたくないし、死にたくもないんだ。




私は自分勝手だ。死にたくない気持ちが強いなんて。










とにかく、精神医院の事は正直に言おう。良香先生が言ったことで、外れたことはないのだから。ふう。



私はこの時、なぜ気付かなかったのだろう。良香先生は、イジメの経験者だ。

いじめられて、今は幸せだ。嗚呼。この頃の私は、人を信じられなくなっていたのかもしれない。



「ママ・・・「大丈夫?!」ママが叫んだ。知っているんだ。私が・・・暴れたこと。


「とにかく、精神医院に急ぐわよ。」ママは汗をかきながらもニコッと笑った。




辛い事が減った。






「先生ハァハァ…ウチのコがハァッウエッ…精神コントウェッオエッ…ロールがハァッオトト…ダメとかハァアア…もう大変でバァッアアァ…」ママはハアハア言って先生に頼み込んだ。



「ああ・・・了解しました。急遽看ましょう。お待ちのお客様、申し訳ございませんが、急遽大変の方がいらっしゃいましたので、その方を優先しようと思います。申し訳ございません。」


病院の先生はズンズン歩いた。



「どういう事が、あったんですか?」先生が囁かに聞いた。

「あの・・・ウチのコがあっ「いいよ、ママ自分で話すから。」私はサッと言った。




「今日学校で、ちょっとした・・・ケンカ!ケンカがありまして。あまりにも腹がたったものですから、キレたんです。プツンっという感覚に囚われました。自分で自分が制御でできなくなって・・・それで・・・」



正直、なんて言っていいのか分からなくなった。









「ああ・・・。分かりました。エット・・・・。2つの可能性があるのですが・・・・。1つめは・・・2重人格ですね。自分の中に魂が2つあるのです。まあ、これは極まれなケースですので、あまり深刻に考えるのは推奨しません。」

先生はペラペラと喋った。






「2つ目のケースですね、情緒不安定・・・感情コントロール不能かもしれません。一般的にいう、情緒不安定ですね。」





「前頭葉を調べてみましょうか」先生はサラッと言った。

「「前頭葉って何ですか?!」」ママと私の声がかぶった。

「脳の前の機能の事です。そこで、感情をコントロールしているのです。もしかすると、その脳の機能が死んでいるのかもしれません。」











「それには・・・・。レントゲンを撮らなければなりませんが?ああ・・・。お値段はよろしいですよ。良香様の名義で払っていただいておりますから。」


ママがお金を出そうとしたので、医者は急いで止めた。


「アラ・・・。なんてことですか?良香先生・・・・アラアラアラアラ・・・・・・。良香先生?!アララ・・・・―。」

ママは頭を押さえ込んだ。

「じゃあ、レントゲン室へ。」




医者はゆっくり言った。



ピピッピ・ピ・ピ・ピ・ピ・・・・。

赤いレーザーが輪切り状になり、私を映し出した。




「ああ・・・――――誠に残念です。これは・・・。ええ、脳の前頭葉の機能が完全に低下していますね。思わぬような行動と取るでしょう。」




嗚呼、やはりダメなのだ。私は情緒不安定だ。頭が狂ってる。狂ってるのは、風夢でも優南でも無かった。私だったのだ。





「自分でおかしいとおもったら・・・・」






「大声を出す・・・ですか?」私がガックリして聞いた。


「ええ、大声で・・・」先生はニコッと笑った。久しぶりに優しい笑顔を見た気がした。



「良香先生の事を呼びなさい。他の誰でもない、良香先生ですよ?あの、方なら、わかってくれるはずです。」










ここで、やっと気がついた。嗚呼。私はバカだった。








この問題で一番頼れるのは、経験者の。



























良香先生だったのだ。