大人オリジナル小説
- Re: 疲れた。いじめ。虐待。 ( No.2 )
- 日時: 2014/01/15 17:19
- 名前: ショコラ
第一章
第一話 [始まりは幸せでした。]
今日も私は、心友の優南と、雑談をしながら帰る。2人のあいだに笑いが絶える隙が無かった。
「ねぇ、知ってる?」優南が、息も絶え絶えに言った。
「な、なあに?」私は恐る恐る聴く。
「イジメで、女子大学生殺人、事件。」優南が言うと、私は顔をしかめた。
「怖いよねー。自殺じゃあ、ないんだよ?」優南が囁く。
「えっ?!ウソ・・・。」私は驚きを隠せない、という表情をした。
「イジメてた、張本人がタバコを買って、いろんなところに焼き付けたんだよ。根性焼きって言うらしいの。でも・・・。根性試してないよ。」優南はワナワナッと震えた。
「手足拘束して、公園の水道蛇口にくくりつけたんだよ。目とか、頭とか、耳とか、臓器とか。人間の大切な場所に、焼印を押して行ったんだよ。口も縛られてたって」優南は今や、大声になっていた。
「許せない!死にたく無かっただろーに・・・。タバコ、大学生に売ったらダメだよね?」
私がハッとして、気がつくと、優南がさらに顔をしかめた。
「売った定員も、共同犯だったんだよ。」
「えっ・・・。計画的な殺人・・・・。と、言うこと?」私は鳥肌がたった。
「怖っいー」
「でも、2人いれば、大ジョブだよね?1人は、サポートに回れるし。」
また、私達は笑った。
こんな、シリアスな話も、笑いに変えられるのが、私たちのいいところだった。
学校から帰って、ニュースをパチッと付けた。
アナウンサーの声。
『では、ニュース注目のマト、今週注意して欲しい事件をご紹介いたします。』
アナウンサーはニコとも笑わず、カメラを見続けた。
『女子大学生、殺人事件です。イジメから発展したものと見られています。通称根性焼きという、卑劣な手段を使い、焼死された模様です。犯人は今日未明路地裏で戯れているのを発見されました。タバコを凶器に使った疑いが見られています。売った定員も同伴だったことが明らかになりました。』
アナウンサーはペラペラと流暢に発したが、その声には井西れる怒りを感じ取れた。
この事件が、どれだけ国民の反感を買ったかが目に見えた。
『この事件、許せないですわ、わたくし。』
ジャーナリストのゲストが、急に声を荒らげた。
『自殺とかなら―。よくある話ですわ。イジメは社会問題になってますもの。それでも怒り心頭のわたくしですわ?先の明るい大学生を…友達を殺人するなんて、許せませんわ。』
ジャーナリストは洒落にまとめた、お団子髪を、振り乱して言った。
作り笑いも、目を釣り上げた怒った顔になった。
他のゲストも共感していた。ワイワイと騒がしいこの番組が、今日に限ってシーンとしていた。
「ねぇー、ママッ?知ってる?」私は、ママに呼びかけた。
ママは藍子。パパは健二。2人とも、刑事だ。上〜の方の。ハッキリいって、裕福な家庭だ。
「なにを?」
「女子大学生…「殺人事件?」ママが空かさず答えた。
「うん・・・・知ってるよね。警察だもん、警察庁・長官だもんね。」
「あの事件、近いらしいわ。パパから聞いたわ。」ママがお皿をガチャッと落とした。割れた。でも、ママは気づかなかった。
「あんな、卑劣な奴らに、引っかかっちゃダメよ。ママ、あの事件の犯人は、死刑にしようと思ってるわ。検事の人に、コネを効かせてね。」ママは、やっと割れたお皿の存在に気付いた。
しばらくして。
ケータイがブルルッと震えるのを感じた。
宛名を見ると―。
優南だった。ケータイをとって、電話に出た。
『ちょっと・・・学校に来てくれる?』優南の声は張り詰めていた。
「もう・・・。7時だよ?」私は驚いていった。
『だからいいのッ!』優南は叫んだ。
ツーツーツー・・・・。
電話が切れた。
仕方なく、私は学校に向かった。
――――悪夢の
始まり――――