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【第一章】

壱　どうして死ねないのですか？

{拝啓　神様もしくは仏様。
私はあなた方に押し付けられた、このクソつまらない人生を、
人間の分際で、終わらさしていただきます。
どうか、ここで助けないでください。}

そう書いた遺書を置き、私は屋上の金網を乗り越えた。
「生まれ変わったら、鳥になりたいな。」
心からそう思いながら、私はゆっくりと体を前に傾けた。

ガラガラガラ！
バタバタバタ！
「容体はっ！」
「頭部強打！出血大量です。」
「君！すぐにオペの用意を！」

たくさんの声が聞こえる。
あぁ。私はまた死ねなかった。

お願いです。死なせてください。

と、何度願ったことか。
何度も、何度も自殺未遂をした。
でも死ねない。

目を覚ました時に、いつも聞く父の声。
『どうして生きている？』
母の声
『どうしてもっと苦しまないの？』
兄の声
『死ぬなよ。お前は俺のストレス発散気なんだからよ！」
友の声
『ささっと死ね！酸素の無駄。』

お願いです。
殺してください。