大人オリジナル小説

Re: *・**私の世界**・* ( No.4 )
日時: 2014/05/19 22:04
名前: ラビット

ー続きー


「あーーまた始まったよ」

教室中がざわざわとする。

けれど、誰も助けようとする気配はしない。

「あんた、さっきっから何なの?ちょーウザイんですけど」

咲はそう言うと、崩れた机をダンッ!とけった。

「……」

凛奈は何も言わないまま、ずっと下にうつむいている。

「おい、なんか言いえよ」

理沙も腕をくんで、凛奈をにらみつけた。

「……いっつもこう…1人じゃ何も出来ないくせにさんざん人の事をバカにして…」

凛奈はポツリとつぶやく。

「はあ?聞こえないんですけど」

由来はわざと嫌みっぽく言う。

すると、今度ははっきりと、大きな声で言った。

「ウザイんだよてめーら!」

「なっ!」

凛奈が言った瞬間、いっきに3人の顔が引きつり上がった。

「あんたっ…マジでムカつく!」

咲がそう言って、腕を振り上げようとした、まさにその時!

パシッ!

誰かが咲の腕をつかんだ。

その瞬間、いっきに教室中がどよめく。

咲の後ろにいる人…それは…ーー

クラスの女子の中で人気者の倉村唯兎(くらむらゆいと)
えっ?

凛奈は正直びっくりした。

あの人気者の倉村が来るなんて…

「ゆ、唯兎くん!?」

咲あまりもの驚きに顔がこわばる。

「もう、こうゆうの辞めたら?」

唯兎は静かに咲たちを見下ろした。

「っ!!」

咲たちはそのまま逃げるように教室から出て行った。

教室はシーーンと静まりかえる。

「大丈夫?」

唯兎が凛奈に手を差し出した。

すると、凛奈は思わず、パシッ!!と手をはらってしまう。

「余計な事すんな」

唯兎をギロリとにらみつけると、すくっと立ち上がり、教室を出て行った。

「何あれ?」

「信じらんなーい」

「せっかく助けてあげたのにあれはないでしょ」

「唯兎くんかわいそー」

女子たちが次々と悪口を言って来る。

そんな中、凛奈は後悔していた。

本当は素直に「ありがとう」って言いたかった。

助けてくれたのにあんなひどい事を言って…私、最低だ

後悔と自分の情けなさに唇を噛みしめる。

でも私を助けてくれた人は今まで1人もいなかった。

皆、見て見ぬ振り。

けれど唯兎は違かった。本当は嬉しかった。

助けてくれた事…



そう、まさかこの人が私の人生を変えてくれるなんて、思いもよらなかった。