大人オリジナル小説

Re: *・**私の世界**・* ( No.9 )
日時: 2014/05/19 22:08
名前: ラビット

*・・*3話*・・*

「おはよー」

「おはよう!」

朝のあいさつが耳に聞こえてくる。

また始まる学校生活。

凛奈は下駄箱に入り、上履きを履こうとした、その時。

バシャアッ!

頭から水をぶっかけられた。

ポタッポタッ

しずくが髪をつたわって床に落ちていく。

「ごっめーん、手がすべっちゃった!」

「アッハハハハ」

またいつもの3人が笑いながら言う。

「せっかくだからこれもかけたら?」

咲はそう言うと、今度はゴミ箱のゴミを凛奈の頭にふりかけた。

「やだ、きったな〜い」

「でもあんたはその方がお似合いじゃないかしら?」

「たしかにぃ〜」

「……」

凛奈は何も言わない。

いつもの事だ。こんな事して何が面白いのか。
ほんっとくだらない。

凛奈は無言のまま1人で歩いて行った。

「だからシカトすんなって」

咲が機嫌悪そうに口をとがらせる。

「何なのいつも」

「1言ぐらい言えよ」

ほかの2人もぶつぶつと文句を言って来る。

そう、私にとって学校は地獄。

まあ地獄と言ってもいじめなんてくだらない。

いちいち相手にするのも、くだらない事をしているのと一緒。

私はそう、ずっと思っている。


キーンコーンカーンコーン

鐘が鳴る。

凛奈は濡れた制服を体育着に着替えた。

すると、やはり予想通り、周りからクスクスと笑い声が聞こえてくる。

「あれ、絶対神崎さんたちにやられなよね」

「ほんっとドンマイしか言いようないよねー」

周りの人たちもいじめてなくても影で悪口。

「次数学だから用意しとけー」

先生が呼びかける後に「はーい」とちらほら返事が返ってくる。

数学の用意しなくちゃ。

そう思って、机から数学のノートを取り出す。

すると、なんとそのノートがとんでもない事になっていた。

凛奈のノートの半分以上のページに「バカ・ブス・消えろ」などの落書きが書かれている。

凛奈は一瞬、胸が苦しくなった。

残りの約半分のページはビリビリに破かれている。

このままじゃ勉強ができない。

凛奈はペンケースから消しゴムを取ると、落書きされたページを一生懸命消す。

けれど、消しても消してもなかなか消えない。

力いっぱい消そうとするが、全然ダメだ。

こういう、迷惑のかかる事をしないでほしい。

本当にくだらない。

いつもくだらない事してばっか

本当の本当にくだらないと思っているのに…ーー

なぜか涙が溢れて来た。

涙でノートもぼやけてくる。

あれ?私泣てる!?

その時、凛奈は始めて泣いている事に気づいた。