大人オリジナル小説
- Re: いじめ〜いつか笑える日を夢見て〜 ( No.32 )
- 日時: 2014/08/23 00:47
- 名前: エリン
〜第三章〜
次の日。
いつものようにリリ達と教室に行くと純ちゃんが物凄く上機嫌だった。
恐らく、春ちゃんをいじめるのが楽しみで仕方ないのだろう。
私達が教室に入ってしばらくすると春ちゃんが来た。
すると、賑やかだった教室は一瞬で静まり返った。
みんながひそひそ話をしている。
春ちゃんはそれを睨みつけると自分の席に向かった。
席に座ろうとすると、純ちゃんが勢いよくその背中を押した。
ガッシャーン
春ちゃんは机ごと倒れこんでしまった。
純ちゃんがそれを見て高らかに笑う。
「アッハハ!!本当まぬけ!!みんな、見た?この気持ち悪い姿!!」
純ちゃんの問いかけにみんなは笑って答えた。
「見た見た!!マジありえない!!」
「生きてる資格、無いんじゃない?」
「ちょっと〜言いすぎだって〜(笑)」
みんなは軽蔑の視線を春ちゃんに向ける。
しかし、春ちゃんは何一つ気にしていなかった。
みんなを睨みながら立ち上がると制服に付いた汚れを落とした。
そんな春ちゃんの反応に純ちゃんがキレた。
「あんた、マジで何なの!?本当ムカつく!!」
そして、純ちゃんが春ちゃんを殴ろうとした瞬間……
「やめて!!」
そう言いながら小百が2人の間に入った。
「小百合ちゃん、私の邪魔をするわけ?」
純ちゃんが小百を睨みながら言う。
それでも小百は怯むことなく言った。
「そうよ。これ以上春ちゃんが苦しむ姿を見ていられない……」
小百がそう言うと、裕香も言った。
「そうだよ!!こんなことはやめて!!」
リリ、今井ちゃん、私も春ちゃんを守るように立つ。
純ちゃんは私達を睨むと言った。
「何よ!!人数増えたからって勝ったとか思わないでよね!!」
そう言うと教室から出ていった。
『春ちゃん!!』
私達は春ちゃんの側に行くと言った。
『ごめんなさい!!』
春ちゃんはきょとんとしている。
「今まで見てみぬふりしてごめん!!」
「純ちゃんが怖くて春ちゃんを犠牲にしてた!!」
『本当にごめんなさい!!』
頭を下げてそう言う私達に春ちゃんは言った。
「いいよ。川野がやってたことなんだし。むしろ、こうして謝ってくれて嬉しいよ。ありがとう。」
春ちゃんは笑っていた。
「私達、これからは春ちゃんの味方だから!!」
「何があっても側にいるからね!!」
そう言うと春ちゃんは久々に笑った。
「ありがとう!!」
……でも、これも演技。
昨日の作戦が実行されてるのだ。
一週間後、私達は春ちゃんを裏切る。
ごめんなさい、春ちゃん……