大人オリジナル小説
- Re: いじめ〜いつか笑える日を夢見て〜 ( No.38 )
- 日時: 2014/08/24 21:38
- 名前: エリン
いつものように教室に入る。
春ちゃんを裏切るのは放課後だ。
純ちゃんが春ちゃんをいじめ始めたら一緒にいじめる。
これが、純ちゃんが考えた私達の裏切り方法。
春ちゃんの笑顔がもう見れなくなる。
そう思うと辛いが、春ちゃんの方が辛くなるだろう。
ごめんね、春ちゃん。
この日も純ちゃんは朝から春ちゃんいじめに取りかかっていた。
それを私達は全力でとめる。
いつもの、一週間前からの光景だ。
この光景も放課後には無くなる。
春ちゃんはどう思うのか。
きっと今まで通り表面には出さないだろう。
弱音を吐かなければ、泣きもしない。
だって春ちゃんは強いのだから。
……結局、私は春ちゃんのこと何一つ分かっていなかったんだ。
そして、運命の放課後が訪れた。
いつものように純ちゃんが春ちゃんを押し倒す。
「あんた、マジでムカつく!!この教室に必要ないから!!」
ここでいつもなら私達が助けに向かう。
でも、今日は違う。
「みんなもやっちゃいなよ〜」
純ちゃんが私達に声をかけた。
春ちゃん、弱い私をどうか許して下さい。
私達は春ちゃんに近づくと勢いよく蹴った。
「痛…みんな?どうしたの?」
不安そうな春ちゃんの瞳。
思わず目をそらしたくなる。
そんな春ちゃんお構い無しに小百が言った。
「あんた、私達が本気で助けてると思った?」
「どういう意味?」
小百の言葉に聞き返す春ちゃん。
今度は今井ちゃんが答える。
「どうもこうもそういう意味!!今までのは全部作戦だったの!!あんたはそれに引っ掛かってただけ!!分かった!?」
今井ちゃんの言葉に呆然とする春ちゃん。
「じゃあ、今までのは嘘だったの…?」
『正解!!』
私達は声を揃えて言った。
「さあ、種明かしもしたことだし、やろっか!!」
純ちゃんが楽しそうに言う。
みんなは、もちろん私達も、春ちゃんに蹴りかかっていった。
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