大人オリジナル小説
- Re: いじめ〜いつか笑える日を夢見て〜 ( No.9 )
- 日時: 2014/07/22 18:24
- 名前: エリン
体育の時間。
今日は、バスケをやることになっている。
「2人1組でパス連して!!」
体育教師の外沢先生が体育館に叫ぶ。
2人1組……
いつもなら私達は6人グループのため、3組作ればぴったりなんだけど……
今日は、そういうわけにはいかない。
ちなみに私達のクラスは42人。
元々今日は1人休みのため、2人1組にすると1人余る。
みんな、きっと喜んでいるだろう。
何故なら、余るのは春ちゃんなんだから。
私達は、小百と今井ちゃん、リリと私、裕香とクラスの子という感じで分けた。
春ちゃんはそれを見て呆然としていた。
そして、当然余ることになった春ちゃん。
先生は春ちゃんを見て眉を潜めた。
「九条さん、早く組んでちょうだい。時間がないんだから。」
先生にそう言われ俯く春ちゃん。
すると、純ちゃんが言った。
「春ちゃんおいでよ!!一緒にやろう♪」
もちろんこれも演技。
体育の前に言ってた。
「あいつを余らせて、私と葉月の所に入れる。そして、ボールを顔に当ててあげる♪」と。
葉月とは、純ちゃんと一番仲が良い神田葉月ちゃんのことだ。
純ちゃんのことがあまり好きではない春ちゃんはちょっと躊躇ったが、他に行く場所もないため、純ちゃんと葉月ちゃんの所に行った。
春ちゃんが純ちゃん達の所に行ったのを見ると、先生はみんなに言った。
「それでは、今から10分間パス連してください!!」
その言葉を合図にみんながパスを始めた。
私もリリとパス連を始めた。
やりながらつい気になってしまうのが春ちゃんのこと。
バスケットボールは相当固い。
そんなのを力を入れて顔にぶつけたらどれほど痛いか想像するだけでぞっとする。
心配でたまらない。
だけど、それを止める勇気が私にはない……
ごめんね春ちゃん……
純side
作戦通り♪
今、私達はパス連中。
私、葉月、それから九条だ。
さて、そろそろメインをやりますか♪
葉月に目でサインを送る。
葉月は私にだけ分かるように小さく頷くと、私にボールを回してきた。
そして、私はそのボールを九条に渡すふりをして顔めがけて投げつけた。
もちろんわざとだとばれないようにね♪
案の定ボールは九条の顔に当たった。
私ってコントロール上手!!
思わず心の中で自分を誉めていると、九条が顔を押さえてしゃがみこんだ。
さて、もう一芝居いきますか♪
私は焦った声で言った。
「春ちゃん!!大丈夫!?」
その声にみんなが振り返る。
先生もやって来た。
「川野さん、どうしたのですか?」
私は焦りながら答えた。
「九条さんがボールを取り損ねて顔に当たってしまったんです!!」
私の言葉に先生は言った。
「分かりました。先生は今から九条さんを保健室に連れていくので、みんなは練習をしていてください。」
そう言うと先生は九条に言った。
「さあ、立って。」
その言い方は明らかに面倒くさいと言っていた。
なんとか立ち上がる九条。
ふふっ、ざまあみろ♪
あんたが生意気なのがいけないのよ♪
さあ、これからもっと面白くなるわよ♪
純side終わり
春ちゃん……
純ちゃんにボールをぶつけられた春ちゃんは顔を押さえてしゃがみこんでしまった。
でも、これはまだほんの始まりにすぎない。
これからもっと恐ろしい地獄が春ちゃんを襲うのだ……
体育終了後。
春ちゃんが教室に戻ってきた。
当然声をかける者なんかいない。
私もその内の一人だ。
傷はそんなに酷くはなく、顔が少し赤くなってる程度だった。
恐らく純ちゃんが怪我をしないよう、配慮したのだろう。
そうして一日が終わった。
家に帰るとメールが来てた。
「純ちゃんから?」
メールの送り主は純ちゃんだった。
内容は、
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From 川野純
Sub 明日
今日もお疲れ様♪
明日から、いじめの内容を変えま〜す♪
まず、朝、あいつが教室に来る前に水の入ったバケツをドアにセット♪
それから、あいつの教科書をゴミ箱にポーイ♪
更に更に、放課後にトイレに呼び出してモップでブラッシング♪
明日はこのスケジュールで行こうと思ってるからよろしくね♪
で、集合時間なんだけど、バケツの用意とか、教科書を捨てたりとかしないといけないから、7:00に教室に集合ね♪
長々とごめんね!!
じゃあ、また明日♪
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というものだった。
春ちゃんいじめを本格的に始める。
このメールでそう確信した。
とりあえず、7時に教室に行かなきゃ。
……春ちゃん、本当にごめんね……