大人オリジナル小説
- Re: bl)瓶詰め ( No.1 )
- 日時: 2019/02/23 11:59
- 名前: 百田 ◆yaY4zarJ.M
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ガタ、
珍しく授業中にドアの開く音がした。仕事が山積みになったデスクの数メートル先にある、お世辞にも滑りがいいとは言えない少し古びたドア。更にガタガタと音をたてて開いていく。
やっとの思いで終わらせた書類から顔を上げ、目を向ければそこから入ってきたのは__深い黒色の頭をした少年だった。
「せんせい、いる?」
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「ダメですよ!ようはサボってるんでしょ!!」
「えーー!!けちー。3つもベッドあるんだから使わせてくれたっていいじゃん」
少年の第一印象は『儚げな美人さん』だった。男につけるにはおかしい評価かもしれないけれど、透き通った肌とふんわりとした雰囲気、重めの二重まぶた、薄い桃色の唇はまさに美人だ。と呑気なことを考えていれば彼から意外一言が出た。
「休ませて」
聞いた瞬間はどうしたものかと思った。随分と疲れたように背中を丸めて言って来られてしまえば心配もするだろう。これでも一応養護教諭な訳だし。
だけど心配はご無用だったようで。
休ませる前に一応とよくよく話を聞いてみれば体育の授業で走らされ、疲れたから休ませろ、とのこと。
最初はふざけているのかと思ったが彼の目があまりに真剣で思わず許可しかけた。が、そうやすやすとサボりを認める訳にはいかない。何度も言うがこれでも一応、教員というカテゴリー中の人間なのだ。
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