大人オリジナル小説
- Re: 猫缶 ( No.1 )
- 日時: 2020/03/12 12:16
- 名前: 緋猫
君のように
高校2年生の春 小さい頃高校生ってもっときらきらしていて大人だと思っていた。だが今思えば高校生なんてただ年だけ重ねて勉強を頭に入れた小学生と一緒だ。というか小学6年生の方がしっかりしていた気がする。私はいつ大人になったと実感できるのだろう。
「________虚…だから…-√……おい…凛!」
「...…えっ!はい!」
突然自分の名前が呼ばれたため、なにも考えずに反射神経だけで立ってしまった。
いきなり立ち上がったことで皆の視線が一気に私に集まる。
「おい…授業中にぼーっとするな…よし凛立ったついでだこの問題解いてみろ。」
数学の先生に名指しされ答えざるおえなくなってしまった。
黒板には虚数やら実数やらiやらが書かれてあり、なにも聞いてなかった凛としてはただ悩むふりをした後これ以上恥を重さねないためにもただ頭を下げるしかなかった。
「りん〜新学期初めての授業だってのにぼーっとしちゃって…どした?まだ眠い?」
授業が終わり休み時間になった途端友達が駆け寄ってきた。彼女は去年も同じクラスだった千佳。一緒のクラスになった途端に意気投合した唯一の友達だ。友達作りが下手なわけではないが千佳以上に話が合う人もいなかった。
「春眠暁を覚えず〜ってやつかな。」
「最近知った言葉をよくも知らないで使わないほうがいいと思うよ。今時誰も使わないし馬鹿に見える。」
馬鹿という言葉にバキュンと心臓を早打ちされたような感じでがっくりとうなだれた。
「どした?そんなに落ち込んで。ちょっと抜けてるところが凛の良いところなんだから。」
「良いところでも馬鹿は嫌なの……ッ!」
悪気はないのだろうが今のの凛にとっては傷跡に塩を塗り込むような行為だった。
うーうーと唸り声をあげて否定する
「あっ…もしかして去年同じクラスだった湊人くんのこと気になってるの?」
『湊人』その名前を聞いた途端今まで呻いていた凛がピタリと止まった
「あっ図星?」
なんでこんなにわかりやすいんだと笑いながら話す千佳を憎らしそうに睨む
湊人というのはマンションの部屋が凛と隣同士で小さな頃から遊んでいたいわば幼馴染という存在。小学生の時などは親同士の交流などで遊ぶ機会があったが中学に入ると挨拶する程度に高校に入ってからは話もしなくなってしまった。
いや一回だけ入学式の時に同じクラスだと知り小さな頃みたいに仲良くなれるだろうかと話しかけたことがあった。それはもう自然に。だが話しかけた凛に顔も向けずに無視をした。その瞬間ああもう仲良くはなれないのかなと落ち込んだ。だが凛は何か行事がある度に湊人を目で探してしまっていた。体育祭ではどの競技に出るのかなや文化祭で働いている姿が見たいなとか
来年も同じクラスだったら良いなとか。
だが湊人は2年生で特進科に進んでしまうという話を噂で聞いた。特進科とは一流大学に進むため勉強に力を入れているクラスだ。特進科に進むと朝早くから学校で勉強会をして夜は各自自主学習というハードスケジュールだ。湊人は頭がいいのは知っていたがまさか特進科に進むとは思っていなかった凛はこれ以上仲良くはなれないとわかっていながらも落ち込んだ。
だが特進科に進んだ湊人に負けてはいられないと凛は自主学習を始めてみたり難しいことを考えてみるようになった。
「あれ…もしかして数学の時間ぼーとしてたのって湊人くんの事考えていたから?」
「違う…うう…これ以上言わないで…!!!!」
湊人に負けないように難しいことを考えてみたなんて言えずにううううっと休み時間中は呻き続けた。
授業が終わりあとは帰るだけになった凛は千佳を遊びに誘おうかとも思ったが千佳は他校の彼氏と約束しているとかで断られてしまった。よくいう制服デートというやつだ。
千佳は凛よりもずっとただデートに行っただけでとても大人に見えた。
やっぱり大人っぽい人は違うなとか思って彼氏と彼女のデートを想像すると相手はいなくてもとても素敵なものに見える。
自分だったら誰と付き合うのかなと少し周りの男子ともしも付き合ったらと考えているといつのまにか湊人のことを考えていることに気づき頭を振って否定した。
(あああ…湊人でこんな妄想するなんて…こういう一人で考えるのが頭がいいってわけではないか…)
学校でこんなことを妄想してしまった恥ずかしさで凛はそそくさと帰り支度をする。
一回湊人の顔が出てくると頭から消すことも難しいわけで湊人に学校で会えたらあいさつくらいはできるかなと少しだけにこにこ帰路につく。
マンションのエレベーターの到着を待ちながら親の勤務体制を思い出す。
(今日はお母さん夜勤だからお父さんのご飯かな。お皿洗いくらいは手伝おう。)
お父さんのTHE男の料理をドヤ顔で出すところを想像すると少し笑えてくる。
(あっ来た。)
エレベーターに乗り自分の住む階のボタンを押し扉が閉じると思った時にガンっと手が出てきて、扉が開いた。とびらをあけたのは他の誰でもない湊人だった。
今凛はマンションのエレベーターで汗をだらだらと流しながらただボタンの方を見ていた
(っていうか…湊人ッ!?なんでいるの…なんで今乗っちゃったのかな…!)
学校で妄想した彼氏と彼女のような関係の湊人と凛という状況が頭にふと浮かびわかりやすく真っ赤になった。
だが乗った後も湊人は無言で背を向けている凛としてはどんな顔をしているのかはわからない。
そんな状況で頭の中でもきゃあきゃあ言えるわけもなくだんだん湊人が見ている気がしてどんどん背中を丸めた。
(だ…だけど…挨拶もしなかったらもっとおかしいよね…だよね…っ!)
そう考えると一応幼馴染がこの状況で話もしないのはおかしいよねと自分の調子のいいように考えた。
「こんばんは湊人…さん…」
へらっと後ろを振り向きどきっと胸がなった。湊人は腕を組みこちらを見ていたのだ。
「…………」
沈黙で突き刺さる視線がとても痛い。なんで挨拶なんてしたんだいや挨拶したことには公開はしていないが。どうか一言でもいいから喋ってくれと湊人に願った。
「こんばんは。“凛”」
湊人声で自分の名前を呼ばれた凛はばっと湊人をみて心の底から嬉しそうに笑った。
「名前覚えててくれてたんだ…嬉しい…」
へへへと笑う凛ははっと顔をぐしゃぐしゃと触って馬鹿みたいな顔を見せないように努めた。
名前を呼ばれただけでここまで嬉しいなんて予想していなかった凛はいくらマッサージしても抜けきらない笑みにこまり、湊人に背中を向けた。
「凛何してるの?」
いきなり変な行動に出て後ろを向いた凛の顔を覗き込んできた。
「うわっ!…え…う……」
さっきみたいな幸せな感じの心があったかくなるような感じではなく、心臓が爆発しそうな感覚に目が合った瞬間凛は一気に顔を赤らめた
目を見開き真っ赤になりながら固まる凛に湊人もどう接すれば良いのかわからずに固まってしまった。
目的地に着いたことは湊人に降りてと肩を叩かれたことで気がついた。そんな自分が恥ずかしく、逃げ出してしまいたかったが、ここでなにか共通の話題でも作らないと一生話せない気がして先に行ってしまった湊人を引き止めた。
「あの…勉強を教えてもらえませんか……?」
「……。わかった。じゃあ家に来て。」
凛の方向を見て少し考える様子をみせた湊人に迷惑だっただろうかと-のことばっかり考えてしまい勝手に1人で落ち込んでくる。だが次の言葉を聞き飛び上がって喜びたい気持ちを抑えありがとうと良いなるべくお淑やかに後ろをついていった。
「ここは-だから虚数になるからI は二乗しても+にならない。これさえ覚えれば後は1年の時に習ったことを使えば解けるよ。」
おお…っと目を輝かせたがそんなのもバカみたいなのかなと思い落ち着いて解いてみる。
「えっとここはこうでしょ〜ふふん1年に習ったことくらいならできるよ〜」
1年くらいのだったらしっかり解いて馬鹿じゃないことをアピールしようと思ったが、
「間違えてるけど。」
「っえ!?どこ!?」
湊人の書いた例を参考にして書いたはずなのに違うなんて…と頭の残念さに落ち込んでしまった。
それから基礎からちゃんと教えて貰ったが、自分のできると思ってた問題の不正解が続きこんな馬鹿な姿を晒すことになるなら教えてなんて言わなければよかったと後悔した。
「でもここはちゃんと合ってる。えらいえらい。」
頭を撫でられた感触とちゃんと解けてた嬉しさにまた頬が緩む。
「やった…!本当に解けてる…っ…!」
手を出して解けた嬉しさから両手で手をぱちぱちと叩く幼い頃からの癖が出て手を引っ込めようとした。
「その癖まだ残ってたんだ。」
頭を尚も優しく撫でながら湊人は優しく微笑んだ。
(笑った顔久しぶりに見た…)
小さな頃はよく泣いたり笑ったり怒ったりしていたが中学生にも上がる頃には笑うこともなく無表情でいることが多くなった。
そんな顔に懐かしさを覚えて撫でている手に頭を擦り寄せた。
「そんなに気持ちい?頭撫でられるの。」
髪を指で梳くように撫でられて気持ちよさそうに目を瞑ってこくんと頷いた。
「そんな無防備な顔しないでよ。今目を開けないと家に返さないよ?」
だがそんな忠告は湊人を安心しきって眠そうになっている凛には聞こえない。
- Re: 猫缶 短編集 ( No.2 )
- 日時: 2019/04/03 00:54
- 名前: 緋猫
「ん……」
おぼろげな意識の中で何かに体を抱きしめられている感覚だけがして、息苦しさ身動いだ。
しかし暴れたら暴れただけどんどんきつく抱きしめられていく。
(じ…ゃまぁ…)
その物体にげしげしと蹴りを入れて離れようとする。だが思ったように動けない。
「寝相がわるい。ベットから落ちそう。」
耳の後ろから男の人の声が聞こえた瞬間凛は全てを理解した。まず1つ目に制服を着ている。2つ目にここは自室ではないさっきまで勉強していた部屋だ。3つ目に後ろから若い男性の声が聞こえた。
「湊人…さんッ!?なんで…ッ」
体は抱きしめられ動かせないから頭を湊人の方へ向けた。
だが湊人の顔は凛が想像したよりもずっと近くにあって目を外した。
その瞬間ワイシャツの上からさわさわとお腹を触られる感触にびくりと体が跳ねた。
女子のお腹を触るなんて…と、きっと睨んでみたが、やっとこっちを向いてくれたと逆に嬉しそうに笑われる。
「い…今何時なの…?早く家に帰らなきゃ親が心配するよ…」
湊人の部屋の向こうは位置的に私の家だ。耳をすませても一向に生活音は聞こえてこない。
「今は、11時。お父さんに今日は勉強会だって言ったら嬉しそうにしていたよ。やっぱり小さな頃から仲良くしてると心配にはならないのかな。」
淡々と無表情で話す湊人にただ呆然としてしまった。
というか心配…とは…なにを…?
自分の中でこの状況と言葉で大体察しはついたが、まさかこの手法でたくさんの女子を連れ込んだんじゃ…と不安になった。
しかしそんな凛の悩んでいる顔も優しげに見つめる湊人にそんな酷いことができるだろうかとも思った。
(だけどそんな簡単な女だと思われたくはないわけで、湊人とが嫌という訳ではないけど…どうせこういう状況になるならもっと段階を踏みたいな…とか…私何考えてるんだろうッ!)
こういうときするんと手を避けて
『寝かせてくれてありがとう。ごめんなさい教えて貰ってたのに寝ちゃって。今日はもう遅いし帰ろうかな。』
なんて言って帰れたらすごく良いのだが、手を避けようとしてもしっかりガードされていてかなわなかった。
「湊人…さん…えっと…」
「湊人。」
湊人さんと聞いた途端凛の言葉に被せるように話してきた湊人に戸惑う。名前を呼ばれたくて不機嫌みたいだと都合の良い解釈しかできない。
「み…湊人恥ずかしいから手を外してくれないかな…?」
スマートに行くことは難しくても一応この恥ずかしい格好だけどうにかさせようと思ったが、
「いや。」
という即答の返事で凛はもうどうすることもできなくなってしまった。
困り果ててからもずっと無言で抱きしめている湊人にこんなことしていて楽しいのかとも思ってしまっていた。凛的には全然安全なのは良いのだが、首元に吐息がかかったり手がピクリと動くそのような弱い刺激で頭が余計沸騰しそうになってしまった。
「あッ……ッ!」
凛は長い時間気を張りすぎて一瞬だけ甘い声が漏れてしまった。口を押さえても今更遅く、微かに湊人の笑い声が聞こえた。その恥ずかしさに後ろも振り向けず真っ赤になったまま身を縮めこませた。
だが動いた拍子に湊人の太ももが凛の股に触れてしまった。
「んッ…!…ぅぅぅ…」
恥ずかしい恥ずかしいと思っていながらも体は正直なようで湿った音が凛にまで聞こえた。
(絶対湊人にも聞かれた…彼氏でもないのにこんなになっちゃうなんて……っもしかして引かれた……?)
こんなので感じない方が無理だと言いたいが、頭の中がぐちゃぐちゃになってしまって、ただ声を抑えることしかできなかった。
だが、はぁっと後ろから艶っぽい吐息が漏れて、首筋に舌を這わされた感触に凛は我慢できくなった。
「あぅッ…ん…はぁ…」
ぞくぞくぞくと凛の声に興奮した湊人はただ首に甘噛みをしながら指先で胸を触り、びくッと体を震わせる反応に、太ももをこすることで出てくる水音にまた興奮した。
お互いにやめようとかこの先もシてとかいう関係じゃないので、ただひたすらに言葉も交わさずに盛ってるカップルのように見られるのだろう。
「み…みなと…んあッ…!」
蕩けた顔で湊人を見つめる名前を呼んでもその次に話すことなんてなくただ名前を呼んでいたかった。凛と目があった湊人は火照った顔を余計赤くさせ睨んだ。
「凛…今どんな顔してるかわかる…はぁ…ッん……」
睨んだ湊人の顔にびくりと、嫌われたかと震えた。
だが、そんな凛の頭を逃げないよう手で固定して、何も言わずにキスをした。
「ん…舌引っ込めないで…ちゃんと出して…ん…ちゅ…」
舌を絡めたりするたびにびくんびくんと体が面白いぐらいに跳ねるこれが拒否反応だとしてもやめられなかった。
「は…ぁ…。」
唇を離した途端凛の口から吐息が漏れた。キスの最中は呼吸も忘れていたようで必死になって酸素を求めている。
そんな小動物のような行動をする凛を見てもっととろとろにさせたいという思いに駆られた。
手を股に触れるとくちゅんとさっきよりもずっと粘り気のある水音が聞こえた。
「ひゃっ…みな…あっ…!」
湊人はどうやら好きな人から名前を呼ばれると余計興奮するようで、なぜか笑えてきた。
「ふふっ…もっと名前呼んで…?もっと求めて...?」
片方の手で濡れたワレメを弄りながらもう片方手で器用にワイシャツのボタンを外した。
そして素肌に指を這わせた。女の体はここまで柔いのかと驚いた。
そして中心から外れるようにその周りを指で弄った。
「なんでそんな…焦らすの……ッ?」
弱い快感にピクリと跳ねながら湊人にもっとしてと懇願する
今の湊人の顔は無表情で冷たい感じではなく、興奮して笑みを抑える気もないという正反対な表情をしていた。
「ん…いいの…?そんなこと言われたら最後までやるけど…意味わかってる?」
欲と自制心の戦いなのだろう。優しくしたいけど自分の欲をぶつけたいような…ってまたなんでこんなに変なこと考えちゃってるんだろう…!今は頭のいいフリなんてしなくていいのにッ!
「ん…湊人…なら…」
俯き小声で呟くと、湊人は嬉しそうに笑った。すると湊人は黙々と凛の体を起き上がらせ壁に手をつかせた。
湊人の体は細身で薄い感じだが、今から凛に入るだろう湊人のモノを見て男を感じずにはいられなかった。
じっと見ていたからか視線に気づいた湊人は目線を凛の方に向けた。湊人の熱を帯びている目に恥ずかしくなったが多分凛も同じような目をしたのだと思うと余計恥ずかしくなった。
やっぱり湊人も自分と同じ気持ちなのかなと思った。
くちゅりと先端がくっつく感触に凛の身体が震える
次の瞬間ぐちゅんと滑るように体の中に湊人が入ってきた。
「んぁッ…!!」
覚悟していた初めての痛みは全然襲ってこなかった。それよりも湊人の心音と圧迫感そして幸福感を感じられた。
「みな…ひゃぅッ!?」
湊人は動かないまま細い指でクリに触れた。
「ふふ…ここすっごく膨らんでてくるしそう…」
指の腹で撫で上げる湊人に凛はただ体を震わせた。
凛は隣の部屋は自分の家だと思い出し必死に唇をかんだ。
そんな凛の様子に可愛いと一言つぶやいたあとクリを弄りながら湊人は動き出した。
「は…すっごく締め付けてくる…そんなに気持ち良い……?」
後ろから突かれながら、そんなことを聞かれても答えられるはずがなく、だがそんな言葉に体はびくりと反応した。
「ん…んッぅ…」
水音と凛の我慢しているが口の端から漏れ出す声にどうしようもないほど興奮していた湊人
だが、凛に声を出して喘がせたいという気持ちも溢れてきた。
湊人はまずピストンを早めてみた。凛は目を見開き喘いだがすぐに口に手を添えて湊人を睨んだ
「ばかぁ……ッあッんぅぅ」
蕩けそうな顔をしながらもそれでも自分を抑え込もうとしている凛の姿はとてもとても可愛く見えた。
「馬鹿なのはどっち…こんな目で睨まれてもやめる気になれない…」
本当はどんな表情でも湊人の欲は掻き立てられるのだが、凛の耳元でそう囁くと凛の中が急に窄まった。
「あ…ッは…照れてるの……?」
いままで睨んでいた凛の顔は真っ赤に熱くなっていた。
「ばかばか…あッみな…ん…ッ」
凛はばかばかと連呼しながら喘いだ。幼い子供のような態度が凛らしい。
だが、そんな凛の中はもう果てそうなくらいに熱くなってきている。
「ばッ…あぅだめ…ッ…」
そんな凛の中で湊人は苦しそうに吐息を漏らす。
「は…ぁ…ッ…いきそうッ」
苦しそうに呟くと腰の動きが早くなり、
凛の中はびくりと痙攣して凛の意識が途切れた。
頭を撫でられている感触に凛は目が覚めた。
湊人は淡々と髪を掬い指に絡めたりして遊んでいた。
(まさか…あんなに悩んでた人と…しちゃったんだ…)
先ほどまでのことを思い出し顔を手で覆うと湊人は起きたことに気づいたように笑顔になった。
「おはよう凛。」
「おはよ…う…湊人…」
顔を直視できずに凛は顔を手で覆う。
(湊人ってずっと無表情になったと思ってたけどこんな顔もまだできたんだ…)
手をずらして見てみると微笑みながらまた頭を撫で始めていた。
(子供扱いなんかやだな…ずっと頭撫でてる…)
やっと付き合えたというのに子供に対しているようで面白くない。
「ねぇ、湊人」
「なに?」
頭を撫でる手を止めることなく、凛の方を覗き込んだ。
そんな湊人に凛は真っ赤になりながら軽く音の出るようなキスをした
「えへへ…好きだよ」
髪を撫でる手が止まって呆然とする湊人に凛はにやにやと勝ち誇ったような表情をした。
(あの時は湊人のペースに飲み込まれたけど…こんなベタベタな台詞で固まるんだ〜…ッ!)
「湊人照れて…んッ……!?」
べたな台詞をいくつか思い出し言い倒そうと思った瞬間湊人の口によって塞がれた。
「ん…凛……好き…」
とろんとした表情で甘えたような湊人の言葉に小さな頃の湊人を思い出した。
(今度はこっちが優勢パターン…なのかな…よし…べたべたに甘やかしてやろう…ッ…)