大人オリジナル小説
- Re: 猫缶 短編集 ( No.3 )
- 日時: 2020/03/19 19:47
- 名前: 緋猫
募らせた愛
娘が一人暮らしをするとき親は口うるさく心配をするものだ。
「ちゃんと食べていけるの??」だとか「紫苑ずぼらな方だしちゃんと起きられる??」とか。それはもううるさく耳にタコが出来るほどだ。親の言いたい事も十分に理解出来るがそれにしても過保護すぎだ。私を10歳の小学生だとでも思っているのか。
その結果親と衝突したまま逃げるように引っ越し先に来てしまった。
1年ももうそろそろ過ぎようかという時期、今となってはちょっとぐらい親の話を聞いても良かったかなとも思うが、一人暮らしを止める気はさらさらない。
だが最近困ったことが一つある。
「いい加減にしてよね…」
1人で帰路についているにも関わらず自分の他にもう一つ後をつけているような足音が聞こえてくるのだ。
今日が初めてでは無いので確実に私を付けている人がいるのだろう。人気のない道だからか余計恐怖を覚える。警察に行こうかとも考えたが実害が出ていないので説明もしにくい。大ごとにしたらそれこそ親は実家に強制連行するだろう。こんなよく分からないストーカーのお陰で滅茶苦茶になったらどうしてくれるんだ。と怒りすら覚えた。
(一緒に帰ってくれる友達知り合いなんていないし…ましてや彼氏に頼むのも気がひける…)
一応彼氏についていく形で上京したのだが最近任されているプロジェクトが最終局面を迎えているらしく忙しくてたまらないようで、終電近くで帰っているらしい。こんな時に邪魔になるようなことはしたく無い。
しかしストーカー直接面と向かってやめてくださいと言う勇気もなく、そそくさと早く着けと言わんばかりのスピード家に帰った。
朝はストーカーに会うことはない。今までの経験から分かってはいたがやはり家から出る時は恐る恐る扉を開け、ストーカーが居ないかを確かめる。
だが、ストーカーの顔が分かるわけでもなく、しかも男か女かも分からない時点でもしストーカーがいても分からない。
もしも私の隣をストーカーが歩いていたとしても気づけないだろう。
(なんで私怯えながら生活しなきゃいけないんだろ…)
こんなこと言うのも変かもしれないが朝から晩までつけられることが無いのはとても助かる。
だが安全であるという保証はどこにも無い。実害が出てからでは遅いとは分かっているが、このまま付けられているだけならばそのうち飽きるだろうと考えている安心しきっている自分もいた。
(やっぱり今日もついてきたか……)
雨が降っているので足音はあまり聞こえないが、だが水溜りを踏む音を聞きついてきたと確信した。
(なんで特に美人でも無い私を…恨まれるような事したかな……)
朝は実害が出なければ〜と考えていたが、暗い夜道を1人歩いているとやはり怖くなる。誰かに頼りたいと強く思った時携帯電話が振動した。
緊張の中だったので心臓が止まるかとも思ったが名前を見て頬がほころんだ。
「もしもし…うん。もうちょっとで家に着く」
彼氏からの電話だけで救われた気分になった。話によると休憩時間中に紫苑の声が聴きたくなり特に用事もなくかけたようだった。
やっぱり人と話をしていると気分が癒される。電話に意識を集中させるといつもの寂しい長い道が早く感じられた。
アパートが見えると余計に安心感を覚える。だが、もうそろそろ仕事に戻るという彼氏の言葉にすごく落ち込んだ。
「そんなことがあったんだ、大変だねぇ。あ、そっちも仕事に戻る?そっか…」
人に呼ばれたらしく慌ただしく電話を切る。そんな様子にはぁとため息が漏れた。
(寂しいのに…気がついてくれてるのかな…)
彼に気がついて欲しい。そんな事を考えてしまい、面倒くさい女にはなるまいと頭を左右に振る。
落ち込んだままアパートの階段を登ろうとするとつるんと足を滑らせ視界いっぱいが空になった。
(やっちゃった…そういえば今日雨だったぁ!!)
顔に当たる水滴を感じゆっくりと体が地面に引き寄せられる。全てがスローになったような気がする。
するとぐっと体が支えられた。一瞬他の住民に助けられたかとも思ったが、ここは二階建ての小さなアパートだ。しかも私は1人で歩いていたはず。なので多分。
「あなた…毎晩私のこと…付けてますよね…?」
ほぼほぼ確信したような声で後ろの人に話しかけた。
後ろの人は何か言っているが雨の音のせいかよく聞き取れない。
紫苑はおそるおそる振り返ると嬉しそうな顔で紫苑を見つめるをしている痩せ気味の男がいた。
え…なんで…なぜ笑っている……?と男性の表情の意味がわからなくなった。
だがまず支えてもらっているのは怖いので今よりも一段上に上がった。だがいきなり足にきた激痛に顔をしかめた。どうやら滑らせた時に変な角度に捻ってしまったらしい。いきなりの事でストーカー(仮)の目の前で女の子らしくない声を上げて痛がった。
「大丈夫!?紫苑足怪我したの??」
立っているのも辛く、中腰になっているとストーカー(仮)は慌てた様子でこちらに詰め寄り足を触った。
「やめてください…よっ!!」
(触られただけで痛いんだから!!!!)
靴を脱がしタイツ越しに捻ったところを触った。
「イッッ…た…ぁ!痛いです!!本当にやめてくださいってば!!…ッぅ…!!」
叫ばれるのは流石にまずいのか紫苑の口にハンカチで猿ぐつわをした。
それも笑顔のままだ。このままではまずいと携帯電話を探すが転んだ拍子にどこかに飛んで行ってしまったようだった。
猿ぐつわをし終えると外されないように手をまとめ上げた。
押さえつけられているので手は使えないが、足は使えると雨がざんざん振る中紫苑はくぐもった声を上げ抵抗し水しぶきを上げる。足をばたつかせていると笑顔のままこちらの顔を除き込んだ。
ストーカーの笑顔に恐怖を覚えびくりとしたとたん余計に恍惚とした表情で紫苑を見つめる。
「は…はゃしへふはひゃい…!!!!」
ぞわぞわと悪い予感ばかりがこみ上げてきて涙を流しながら叫んだ。
その瞬間最初から近かったストーカーの顔が視界いっぱいに広がった。
「ひッ…ぅ…ひひゃ…!!!」
キスだと理解るのには少し時間が必要だった。だって唇にあるのは布の感触だけで布越しに唇が当たっているのだから。
「ち……ぅ…ん…」
唇を吸ったりちろちろと舐めたり嫌だ嫌だと体で抵抗するも押し付けられているので意味がない。息苦しいのでぼーっとしてくる。
ずっとずっとずっと15分…いやそれ以上か。唇を塞がれ続け体に力が入らなくなったのを感じるとストーカーはやっと顔を紫苑から離した。唇を完全に付けたわけでは無いと知っていても、切れる銀の糸を見ると彼氏に対して申し訳なさが溢れた。
「さて、それじゃあ立ってね」
ストーカーは自分が立つと紫苑の手を引き立たせた。
「ッぅ…いひゃ……」
足の痛みで意識を覚醒させる。だが、長いキスのせいで腰がくだけてしまって抵抗したくても出来ない。
そんな紫苑の様子をみたストーカーは嬉しくてたまらないような笑顔だった。
介護を受ける老人のようにストーカーに引っ張られながら自分の家の前に着くと、紫苑のカバンから鼻歌を歌いながら自分の家の鍵のように取り出し紫苑を部屋に引き入れた。
- Re: 猫缶 短編集 ( No.4 )
- 日時: 2020/03/22 22:25
- 名前: 緋猫
無理矢理歩かされたので足がずっと痛むが、それよりもストーカーを家に入れてしまった状況に怯える。手は縛られ、足は捻っているので使えない紫苑は少しでもストーカーから離れようと芋虫のようにフローリングを這った。
「ずいぶん面白い事してるね。スーツが汚れるよ?」
にこにこと笑いながら紫苑を見つめるストーカー。私を馬鹿にしたいのかと睨んだ。
ぐしょぐしょに濡れたスーツのせいか這ったところに水が後からついてきている。その跡をみて自分がなんて惨めな姿で這っていたかが分かり悲しくなった
「でももう十分抵抗したでしょ。そろそろ怪我を直さないと。」
もっと見てたいけどねと笑い、ストーカーは紫苑を抱き上げ迷いなく寝室へと入った。
(……なんで知ってるのよ…気持ち悪い!)
運ばれる最中紫苑は思い切り暴れた。これ以上触られてたまるかと言うように。それでも力が入っていなかったようでストーカーは涼しげな顔で自分のベットに寝かせた。反対側の靴を脱がせると、鼻歌を歌いながら寝室から出て行った。
1人になったのに微かに聞こえるストーカーの声に体を硬くする。ここからどうすれば助かるかなんてわからない。だがまず猿ぐつわをとって貰わないと助けを呼ぶこともできない。
(携帯も外だしな…こんなところで2人なんて…怖い……)
さっきは睨んだりしたが本当はどんなことを考えているか全く分からないストーカーが怖くてたまらない。ぐるんぐるんと助かるための方法をあれは無理これは駄目と考えていると、薬箱を見つけたらしいストーカーは5分もしないうちに戻ってきた。
「外であんなに強く足を掴んだから痛いでしょ?」
さっきよりもずっと優しく足に触るストーカー。どうやら本当に治してくれるらしい。抵抗を散々したので暴力を振るってくるかも知れないと思ったりして身を硬くしていたので少し驚いた。
だがストーカーが気持ち悪い事には全然変わらない。何を考えているかも分からない異形の者を見ているような気分になった。
「ひゃッ…!!ひゃに!?」
内腿に指が触れる感触に現実へと引き戻された。タイツ越しだというのに冷たく湿った指に悪寒が背中を通り抜けた。
「あ、ごめんごめんちょっと今だけ我慢しててね。捻ったところを冷やさないといけないから。」
タイツを脱がそうとしているのかスカートの中に手を入れられモゾモゾと動くストーカーの手。寝ているから脱がしにくいようで紫苑の腰を持ち上げ脱がせる。
「よぉし出来た!冷たいからもうちょっと我慢しててね。」
足についた水滴をタオルで拭き取る為に足を優しく持ち上げられる。
(太ももがスーッとする…多分見えてるよね…なんで持ち上げる理由があるのよぉ…このストーカー!)
熱さまシートを患部に貼られ薬品臭い匂いとひんやりとした感触にくぐもった声が出る。そんな紫苑の様子を面白おかしそうに見るストーカーをぎりぎりと睨んだ。
「本当は直ぐにでも病院に行って欲しいんだけど…こんな時間だしね。明日は土曜日で仕事休みでしょ。早めに病院に行きなよ?」
患部を撫でられまた声が漏れる。早く解け早く解けと目で訴えるがまるで通じない。
(ていうか…なんで彼氏目線でこんな心配してくるのだろう。この人ちょっとやばい人…?)
「んッ、くしょんっっ!!」
そんな事を考えていたら鼻がむずむずしてきて思いっきりくしゃみをしてしまった紫苑。そんな様子を見てストーカーはきょとんとした顔になったが、すぐにまぁと笑みを見せた。
「そっかぁ、雨降ってたから寒いんだね。だけどその前に…」
ストーカーは髪を優しく撫でた。髪を指に絡ませてたりする様子に紫苑は触らないでと首を左右に強く振る。
「あの電話で話していた人は誰?ずいぶん親しそうだったけど。」
紫苑の髪を梳きながらにこにこしながらもう一度誰?と聞くストーカー。黙っている紫苑にあっ!と思い出したように口から布を外され、息苦しさから解放されて思いっきり息を吸い込んだ。
(ここで正直に彼氏とでも言っといたらいいのかな。いや…もし逆上したら困る……)
「お…お母さん…です…」
やっぱり母親が1番刺激にならないだろうと思った。俯いて答えるとストーカーはそっか。と言い立ち上がった。騙し通せたか!?と紫苑が見上げると今までの笑顔は冷たい無表情になっていた。
いきなり紫苑の上に馬乗りになり髪をぐしゃりと掴んだ。
「嘘なんてついてどういうつもりなの。ねぇ、ねぇ!僕の事嫌いになったのかな??それとももっと好きな奴でも出来たの??」
ひッ…と掠れた声が漏れた。ストーカーの表情からは冷静さを感じられない。大声で叫びはしないが、まくし立てる言い方だ。
紫苑の首に両手がかけられた時、最悪の状態だと理解した。
「あ…あなたの…事は…嫌いでも好きでもないんです…!!」
きょとんと目を見開くストーカーに対して出来るだけ角が立たないようにするためにはどうすればいいか必至に考える。
「えと…最近会ったばかりなわけだし…ね…?貴方のことよく知らないの…」
これ以外のうまい言い訳が思いつかず「もっといいものがあったかな…」と考えてしまう紫苑。だがストーカーは妙に納得した様子で手を首から離した
「む…一理ある。お互い最近知り会ったばかりだし知る機会もなかったね。」
紫苑はうんうんと首を縦に振り肯定する。ストーカーは紫苑の髪を弄り唸りながら考え込む
(殺されるっていう最悪の事態は回避できたかな…髪触るのやめて欲しいけど。)
だが今回のことでこの男がどのくらいおかしいのかがよく分かった。まずストーカーが話をするだけで満足してくれるのならそれが1番だ。
紫苑は考え込むストーカーをジッと見た。その視線に気がついたのか「いやぁ、恥ずかしいな。」と顔を掻いた。
今、都合の良い彼女を演じれば明日には病院に行くと言って外に出られる。外に出れば後はこっちのものだ。と希望が見えた。
「あ、そうだ!紫苑と僕で親睦を深めるというのはどうだろう?僕も初めての彼女だからって緊張してたけど紫苑に不満を持たれるのは困るからね。」
名案とばかりに説明するストーカーにはにこにことまた笑みが戻ってきたようで安心はしたが少し不安になる言葉があった。
「し…親睦…とは?」
「ん?なんだと思う?」
間髪入れずに答えながら紫苑の頭を撫でるストーカー。
(答えになってない……!)
「お…話とかですか…?」
嫌な予感が極限まで達して嫌でも足が震える。ストーカーは馬乗りになっているというのにすぐ紫苑の様子に気がついた。
「そっか、寒いんだったね。」
ストーカーはじっと紫苑のびちゃびちゃに濡れたワイシャツを見たかと思うとぷちぷちとボタンを外しだした。
「な…ななななにやってるんですか!やめて下さい!!」
飛び跳ねる勢いで驚いた紫苑。多分上に人が乗っていなかったら後ろへ後ずさりしていただろう。
「恋人同士なんだからこれくらい普通でしょ?何を驚いているの」
可笑しそうに喉を鳴らして笑うストーカー。こちらとしてはいきなり脱がされたのだから恐怖しか感じない。
「じ…自分で出来ますよ…?」
刺激しないように優しく拒否する。がストーカーはさっぱり聞く耳を持っていないらしい。
「手が使えない状態でどうやって脱ぐの?あと、君はそんな事しないだろうけど僕に飽きて他の男に行っちゃったらなんて、考えると少しでも彼氏らしい所を見せたいよ」
と、また笑われた。一応手の拘束を外してくれと手元を近づけるがストーカーは気がつかないフリをした。
そうこうしているうちにボタンは全部外され胸の谷間やお腹が丸見えになってしまった。シャツを着ている時よりはマシだがそれでも寒いし逆にこんな奴に見せているのかと悲しくなった。だがそんな事をストーカーに言えるはずもない。
「は…ぁ傷1つないね。すごく綺麗…」
うっとりとした顔をして見つめるストーカーに対して、彼氏への罪悪感で押し潰されそうな紫苑は目を逸らした。
綺麗だ、可愛い。と呟きながら指先でお腹から首、耳まで弱く逆なでされ全身の血が熱くなった。
「ひ……うぅ…」
どんなに感じるなと体に訴えたところで弱い刺激にびくりびくりと体が跳ねる。生理現象だとしても反応してしまう自分自信が許せない。
「紫苑は耳が弱いのかなぁ?真っ赤になって熱くなってるかわいいなぁ…」
ふにふにと耳朶を触ったり指先を軽く入れてみたりしてこそばゆい。
くすぐったくて変な気持ちになってきて我慢できずに下唇を噛んだ。
「はぁ…食べたくなるほど…かわい……ぁ」
そんな我慢しているこちらのことなんて気付かないままストーカーはうっとりとした表情のまま耳を口に含ませた
「ひ…ッびゃあっ!!い…やぁ…!はず…かし…ッです…!」
(やめてやめて…こんなの耐えられない……!!)
心の中ではそう叫んでも実際に言えるわけがない。もしかしたら殺されてしまうかもしれない。
かわいいと呟きながらねっとりと耳を嬲られ反応したくないのにしてしまう自分の体が忌まわしくなった。耳はストーカーの唾液でぐちゃぐちゃになってしまい口を離しただけで声が漏れてしまった。
もうさっきの寒さなんて感じないくらいに体が熱くなってしまっている。
「もう…もういいでしょ……ひぅッ」
ストーカーの手が股に伸びるのを確認し制止しようとしたが、下着越しからとはいえ触れられてしまった。
「そこはダメ…ダメなのぉ…!!!」
ぐちゃりと紫苑にも聞こえる水音。その音だけで自分がどれ程の濡らしているのかが嫌でも分かってしまう。
紫苑は早く体の熱を逃がすように身悶えさせる。
イきたくない、触るなと目を瞑った瞬間足先から熱がサッと消え、びくりと身体を反らせた。
「あぁッ…!ひっ…くぅぅ」
(イった…イっちゃった…!!)
体はさっきまでの熱を取り戻したかのようにまた熱くなった。多分顔中真っ赤だ。
「ちょっと触っただけでこんなに激しく…」
ストーカーはびちゃびちゃに濡れた指を愛おしそうに見つめた。
「ひ…うぅ…」
(気持ち悪い気持ち悪い……!!)
「やだぁぁッ!!!…だれかぁ…助けてくださいぃぃ…ッ!!!」
これ以上我慢ができなくなった紫苑は隣人でも誰でもいいから助けてくれと叫んだ。
聞こえるはずもないのに彼氏の名前まで連呼して。
だが、叫んだ瞬間うつ伏せにされ、お腹に圧迫感が襲ってきた。
「やっぱり、僕以外にも好きな人いたんだねぇ…あはは、裏切られちゃった」
ぐりぐりと奥にねじ込まれ紫苑は状況が理解できずに浅い呼吸を続ける。
「あぐッ…!やぁ…やぁ!!!あぅッ!」
シーツを必死に掴み嫌だ嫌だと叫ぶ。だがストーカーはそんな紫苑の行動を止める様子もなく恍惚とした表情で奥を責め立てる。
「ほかに好きな人が出来たなら…また僕のものに…すれば良いよね…ッ!」
じっくりじっくりと後ろからじわじわと責められ叫び声と一緒に喘ぎ声が嫌でも漏れる。
「たすけ…ああッ…いやぁ!!」
叫び続けると隣の部屋から壁が強く叩かれた。多分うるさいぞという意味だ。
それでも誰か聞いてくれてると声を張り上げ助けを求めようとした時急に激しさを増した。
「たす…ああ…んッぁ!!」
子宮のあたりがきゅうきゅうと痛くなってきた。快感から逃れるように身じろぎするとストーカーは後ろから押しつぶすように抱きしめ、紫苑の胸を強く掴んだ。
「またキツく…なったね、僕ので、イキそうなのッ??」
「イキたく…ない…ああッ!!んぅ…」
耳元で卑猥な言葉を吐息と一緒に呟かれるのも、自分の甘い声も聞きたくなくて耳を塞ぎたい気持ちに陥った。
甘い声を出すたびに後ろで嬉しそうに笑うストーカー。彼にはもう我慢の限界が近づいているのに気がついているだろう。
「僕も…出すからね…ッ…」
「いや、い…ぅぅ…ッ!!」
ストーカーは紫苑の1番奥を突き上げると熱い精液を注いだ。
名前も知らないような人の精液が身体の中に溜まっていく感覚を、喘ぎながら感じた
「い…やぁ…きもちわる…いぃ…」
その言葉を呟いた瞬間、奥に精液をつけたまま擦り付けるようにぐりぐりと押し付けた。
「まだあいつの事が好きなんだね。いいよ。ずっとずっと、君の気持ちが変わるまで気持ちよくしてあげる」
ぐちゃぐちゃと擦り付けながら耳元で囁かれた言葉に鳥肌が立った。
私はこれから彼のモノになるまでこの部屋から出られないだろう。