大人オリジナル小説
- 現実世界
- 日時: 2011/04/01 16:08
- 名前: 蛾 ◆sSA6ZLKK6w
脱字・誤字等はご指摘いただけると嬉しいです
長々と説明するのは苦手ですので(
〜現実世界〜
スタートでつ
- Re: 現実世界 ( No.4 )
- 日時: 2011/04/07 11:28
- 名前: 蛾 ◆MARIA/1MsU
第一章 自閉症女
廊下を歩くと皆の視線がいつも私に集まる。
そして私を見て笑う。
リスカの痕を見て笑ってるのか・・・?
私はリスカの傷をシュシュで隠している。
――皆死ねばいいのに――
ふとそういう思いが頭に浮かぶ。
私は「声が出ない」という障害を抱えている。・・・抱えたというより抱えされた、の方が正しいだろう。
日々のストレスのせいから声が出なくなったんではないか・・・と医師はいう。
それは当たりだ。私はこのいじめのせいでストレスが溜まり声が出なくなってしまった。大好きだった歌を歌えなくなってしまった。
コイツらのせいで・・・私は・・・。
――丘の向こう側
何があるの?風に包まれて私と二人――
頭の中に歌詞を並べた。
私自作の歌。
今となってはこの歌も歌えない。
いつも文で自分の気持ちを伝えるしかないのだ。
もう学校なんて来たくない。
私が学校に行くとストレスが溜まるんだから行かない方がいいじゃない!
「あー、柊ちゃんだー」
クラスの男子が私を見て笑う。
柊ちゃん事私は無視を続けようと階段を早々と抜けようとした。
あんなのは構えば余計調子にのるから。
いじめで学んだ事。
抵抗すれば抵抗するたび相手は余計にやり続ける。
「柊ちゃぁ〜ん?返事してよぉ〜?」
彰介は私の髪を引っ張る。
そして今思い出したかのように
「ああ、そっか。君喋れなかったよねぇ・・・?自閉症ちゃーん」
彰介と悠はぎゃははははと下品に笑った。
――ふざけんな・・・私の声を奪い取ったのはお前らだろ!?―――
「やっぱ自閉症は特別学級にでも逝ってろよー?優しい俺様が送ってってやるよー?」
やばい・・・。
逃げなきゃ!
柊は身の危険を感じ後ずさりした。
そして振り向くと同時に一気に逃げる。
長い廊下に足音が響く。
「待ってよ柊ちゃ〜ん?」
悠は私の腕を掴む。
骨が折れると思えるほど痛い。
「こっちは特別学級教室なんてないよぉ〜?」
悠はにやりと口元を歪ませた。
「特別学級教室はこっちだよっ!!」
――きゃあぁぁぁぁあぁぁあぁ――
自分の中に響く心の叫び。
彰介は階段の上から無造作に私を落とした。
落ちるのにそう時間はかからない。
ドスンと鈍った音がした。
背中に激痛が走る。
目のまわりが熱い。
「あーあ、彰介がやるから泣いちゃったよ〜?彰介の事嫌いだったんじゃない?」
そしてまた下品に笑った。
「あー・・・傑作だぜぎゃはははは!!」
悠は私の気も知らずに笑い続けた。
溢れた涙を拭う。
背中が痛い。
血・・・出たかな・・・・・。
背中をさわった。
痛い・・・。
絶対怪我したな・・・。
――なんで私がこんなことされなきゃいけないの――
柊は生まれたてのシマウマのようにひょろひょろ立ち上がった。
スカートについた埃を払って階段を下りた。
行く先もないのに。
思いっきり悠と彰介の事を睨んだ。が、幸い相手は気付いていなかったようだ。