大人オリジナル小説
- あの日、あの時、あの場所で……
- 日時: 2011/05/01 12:14
- 名前: 誰も知らない誰かさん。
朝起きて、学校に行って授業受けて、家に帰ってまた眠る。
いたって普通の生活。
ただ、明らかに他とは違う毎日。
そうやって、もう8年の月日が過ぎていった。
pipipi…pipipi…ガチャ
朝の7時、目覚まし時計のしつこい電子音にイラだちを覚えつつも起床。
手っ取り早く制服に着替え、ボサボサの髪を整えるべく洗面所へ。
長く腰まで伸びた髪を櫛ですき、後ろで一つにまとめてゴムで留める。
おでこに出来たニキビ。
軽い痛みに顔をしかめつつ、薬を塗る。
リビングで朝ご飯を済まし、小さく「行ってきます」と言って家を出る。
歩いて数分で学校に着き、教室の自分の席に座る。
すると、早速、数人の生徒が私の机に集まってきた。
彼らは仲が良く、いつも5、6人で行動する。
別段、特色めいたものでもない、至って普通の高校生だ。
授業開始のチャイムが鳴り、彼らは自分の席に戻っていった。
長い授業が終わり、皆、おもむろに帰り支度をして帰り始める。
私は、朝の集団に連れられて先生に見つからないように、校舎裏の倉庫に隠れる。
しばらくして、気がつくともう外は真っ暗になっていた。
彼らと別れて走って家に帰り、そのまま自分の部屋に飛びこんだ。
ベッドで疲れを癒やしたあと、制服から部屋着に着替えて、晩ご飯を食べてお風呂にはいって眠る。
何の変哲も無いように見える1日。
ただ、私はそんな日々に悩まされていた。
「死にたいよ……」
不意に呟いた言葉。
あの日、あの時、あの場所で……
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