大人オリジナル小説

ほにゃららさんの場合
日時: 2011/05/03 11:57
名前: 鮮花

ーとある少年少女たちの会話より。

「ねぇ、いじめってあるじゃんか」
「あぁ、大抵、どの学校でもよくあることだな。」
「いやさぁ、私の学校でもあるんだけどね?実は……」

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ーAさんの場合 ( No.1 )
日時: 2011/05/03 12:25
名前: 鮮花

ーAさんの場合。

痛い……
どこが?
体中……それと…心………
何で?
いじめられてるから……
どうして?
わからないよ……

「痛っ……」
ほとんど日に焼けていない真っ白な手首が鮮血に染まる。
少女は同じく血に濡れたカッターを握り締め、悲しみにくれた顔をしかめつつも、どこかホッとしたような表情を浮かべる。
少女…Aがリストカットをするようになったのはちょうど2週間ほど前のことだった。
彼女は、イジメを受けていた。
容姿は美人でもブサイクでもない標準程度、性格も大人しめのいたって普通の高校生。
別段、イジメられるような要素はなかった。
ただ、友達同士のグループに入れず、クラスからはみ出してしまっただけのことだった。
だが、人はそんなイレギュラーを嫌う。
彼女はそうして、2年をイジメられて過ごしてきた。
「死にたいよ…」
静まり返った部屋に、震えの混じった弱々しい声が響く。
手首の血は、すでに止まっていた。
そこまで深く切ってはなかったようだ。
ふいに、彼女の頬を涙がつたい、ベッドのシーツに吸い込まれていく。
彼女は泣きながら、今日一日のことを思い返していた。

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