大人オリジナル小説
- 茜色の空の下で交わした約束を私は思い出せない
- 日時: 2011/07/06 21:27
- 名前: 彩御 憂羅
prologue
ガンッ!!
「思い出せないっ・・・!」
あたしは椅子を蹴るたびに涙を揺らしていた。
「ねぇ・・・茜・・・-----------------------。約束っ!」
茜色の空の下で交わした約束。
あの子とお別れしたあと。
プツリ
音が聞こえそうなくらいハッキリ忘れてしまった。
the cast>>
篠原 茜♀高1
この話の主人公。家庭がうまくいかないため、ストレスもたまり気味。
“約束”が思い出せない
園田 鈴江♀高1
茜とお別れした本人。(茜は鈴江の名前も思い出せない。)
父子家庭で、何度か結婚するが、鈴江自身が母親と仲良くしないため、
すぐに離婚してしまう。サイトなどで知り合った女性に逢うため、引っ越しすることが多い。
志田 花穂♀高1
茜の高校友達。気配りができて天然。
言ってしまえば癒し系キャラ。マイペースで何かがあると人が変わるように性格が変わる
峯岸 更紗♀高1
気が強くてパクリ魔。自分はいいけど人はだめ。
いいときだけ人を利用して、先生受けを狙っている。
正直酷い性格。でも顔がいい方で回りは更紗を嫌う。自己中人間。
神部 麗亜♀高1
洒落た名前だが一般女子。少し引っ込み思案だが、顔は可愛い。
回りのご機嫌をとるが、嫌いでも好きというくらい極度でもない。
Table of contents
>>1「雑音(声)」
>>2「挨拶と顔色」
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- Re: 茜色の空の下で交わした約束を私は思い出せない ( No.1 )
- 日時: 2011/07/05 17:33
- 名前: 彩御 憂羅
第1話「雑音(声)」
少しヒールのあるローファーが日に照らされ光り、滑り込む日差しに
目を伏せた。
重いからだは寝起きということをハッキリいっていた。
今日は雲ひとつない晴天。
快晴のほうが正しいのだろうか。
だが、快晴。快い 晴れ
いまの気分に合っていない文字が1つあった。
それに、ね。
晴天かと思えば家の後ろに雲ひとつ。
まだ6月。超梅雨の時期。
紫陽花のつぼみが目立つというのに
日差しが強すぎる
新しい日焼け止め買ったけど
半そでは7月からだし。
顔なんて髪の毛あるから平気。
濃い紫陽花より薄い紫陽花が好き
淡い色が好きだから
でもオレンジとかは、濃い色の方が好き。
絵具からそのまま出したようなオレンジの下に薄いオレンジ。
そのまた下の川にその空が映っていたら----それは綺麗だろう。
「約束・・・・・・・・・・・・かぁ。」
5時30分の合図。夕焼け小焼けが鳴る頃
約束を交わした
思い出せないけれど。
まぁ思い出したところで、なにも変わらない
こうやって下駄箱から上靴を取り出して、騒がしい教室に目を向ければ
そむけたくなるけれど
雑音の中に入っていけば自然と慣れて
親しい他人と話していれば
時間たつのも、うるさい雑音も、わからなくなる。
そして本当の自分も見失う
これがあたしの最初です
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