大人オリジナル小説

見えない絶望
日時: 2011/10/06 02:30
名前: キラ

初めまして!キラと言います。
今回は初の記事投稿にしては暗い話題になってしまいますが、暖かい目で見てやって下さい^^;



-----初めに-----
*この記事では、多少の流血表現、鬱発言がありますので、中傷をする方、気分を悪くされそうな方は見ないそうにお願い致します。
私は責任をとりません。

*ヴァンパイアフィリア(吸血病、好血症)とは。

人獣問わず血液を好む精神病の事。
異性の恋人から血液を貰うケースもある。

詳しくはWikipediaなどからどうぞm(_ _)m


*登場人物などは架空ですが、実際の人物をモデルにしています。半実話です。





*登場人物

花咲 梨紅 <はなさき りく>
・主人公。男勝りで一人称はバラバラだが、基本は「俺」。男女ともに仲良くできる。クラスでは変態&不思議キャラで明るいが、実際はとてもネガティブで、リストカットが悪化し、ヴァンパイアフィリア患者として悩んでいる。


藤野 綾佳 <ふじの あやか>
・梨紅の悩みをすこし知っている。
クラスでは目立たないが、梨紅には口が悪く、梨紅の悩みの種になることも。
しかし悪い奴ではないので、お互い一応親友と認めている。


金井 加恋 <はない かれん>
・五年の時梨紅が出会った最愛の親友。
成績優秀、運動神経抜群で梨紅の憧れでもある。
加恋も梨紅の悩みはすこし知っている。

他にもでて来ますが、この三人が主な登場人物です。
では、どうぞ。





序章


「ただいまー!」
帰宅した俺は元気にそう言った。

…とは言っても、誰も居ないんだけどねw

真っ赤なランドセルと真っ赤な校帽を投げ出して、部屋へ走り机の引き出しを開け、奥に手を突っ込む。

あっという間に俺の左腕は紅く染まる。
ペロッと舐めてみる。
ああ、美味しい。

もっと、もっと。
俺は傷口に口を当て、絞り出す様に出来るだけ多くの血を吸う。

とは言ってもまだ小学六年生の細い腕。
満足に血も吸えない。
そんな事を考えていると、左腕全体に鈍い痛みが走る。

俺は痛みに顔を少し歪ませた。
そしてすぐ無表情に戻り、こう言うんだ。


「……まだ 足りない。………」






第一話 「狂っテイク。」


チュンチュン…。
小鳥の鳴く声で目を覚ます少女。

彼女の名前は花咲 梨紅。

まだ目が覚めないのか梨紅は布団の中でもぞもぞと動いている。
近づいてくる足音を聞き取り、梨紅の気持ちは重くなる。

「来た……。」

ガタンッ

ドアが開く。
「梨紅ー。起きt…「起きてるよ」
自分を起こしに来た母親の言葉に重ねて、頑固に梨紅は言った。

「………学校…………か。」

そう思うと梨紅の心が重くなる。
学校は嫌いじゃない。友達もそれなりにいるし。
だが、いざ行くとなるととても憂鬱な気分になる。

重い足をペタペタつきながらリビングに向かう。
テレビに映るのは時刻7時37分の文字。
ガラスのテーブルには昨日のカレー。

普通の小学生なら最低でも7時半までは寝ないだろうが、朝ごはんを一口しか食べず、パジャマで寝ていない梨紅には余裕だ。

今日も食欲のない梨紅は彼を二口ほど頬張り立ち上がる。
「あと一口だけ食べて?」という母親の声を無視して、靴下を履く。

腰まではいかないが、結構長い黒髪をとかしパーカーを着る。顔を洗い歯を磨けば朝の準備は終わりだ。

もう一度テレビを見ると時刻は7時47分。
家を出るまであと3分ある。

「今日はいつもより少し早いな」
少し誇らしげな梨紅。もちろん早くはない(笑)

突っ立ったままぼんやりしていると、あっという間に7時50分。家を出る時間だ。

小学生女子定番の赤いランドセルを背負い、砂で白く汚れた黒い靴を履き、

「いってきまーす!」
と元気よく家を出た。

とは言っても、梨紅の学校は集団登校のため、マンションの前で班員が揃うまで待つ。

季節は秋。ついこの間まで猛暑が続いていたのが嘘みたいに肌寒い風が梨紅の黒めの肌に当たる。

一年から六年生までの班員が揃うと、班長を先頭に出発する。
ちなみに梨紅の班の班長は同じ六年で一組の背がちっこい男子。
梨紅の後ろを歩くのは同じ六年で梨紅と同じ二組の男子。梨紅も一応六年だが、ただの班員。
まあ、面倒だからラッキーに思っているのだろう。

そうこうしているうちに学校。
六年は区の体育大会があるので、朝練の為早く校舎に入れる。まあ、梨紅は生まれつきの喘息で身体が弱いので練習はしないのだが。


下駄箱で同じクラスで親友の春山 サイカに会った。
サイカは勉強は出来ないが、母親のように世話をやいてくれるいい子だ。

「おはよう(^ ^)」
「おはよーサイちゃん」
鼻に詰まったような落ち着いた声でサイカは挨拶し、普通の女子よりは低い眠そうな声で梨紅はいった。

教室に入るとほとんどの人は来ておらず、二、三人の男子が着替えていた。
男が着替えているのには何も思わないので、梨紅はガタンッと重い身体を椅子に預け、フーっとため息をついた。

いつも通りの朝。だが皆は知らない。
すでに運命の歯車が回り始めているのを…。


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Re: 見えない絶望 ( No.2 )
日時: 2011/10/06 03:37
名前: キラ

-----梨紅視点-----

うわあ…眠………。
机にぐったりと倒れこんであくびをする俺。


………………。
「おーっす!!」
うっわ!ビビった………………。

無駄に元気よく入って来たのは浜田 悠。
俺の隣の席のチビ助だ。

「よお!梨紅男!!」
「どーもー。つか梨紅男って…。」

…ぬら○りひょんの孫かよ…。←

がすっ

痛ってェ………。
このチビ助。ジャンパーで殴りやがった…。

「何。」
「おい変態!今から30秒以内に出ていかないと殺すからな!」
「大丈夫。殺せないから。」
「は!殺せるし!」
「そっか。バイバイ。」

眠いので適当にすまして教室をでる俺。
てか殺す発言何回目だよあいつ…(笑)


「あ!梨紅!!」
廊下には中くらいの身長でメガネをかけた少女がいた。
彼女の名前は藤野 綾佳。
しょっちゅう俺をイラつかせてくるが、まあ一応親友とも言えるだろう(笑)

「綾佳 来てたんだー」
「ひどっ」
「は、ひどくねーしw」
そうして始まる口喧嘩。
これは日常茶飯事だから慣れているけど。

綾佳は俺と同じで喘息をもっていて、ハードな運動は出来ない。なので見学のときはこうしてよく二人で話している。

「ところで綾佳。あのさ…」
ドンッ
またか…。今日はよく殴られるな…。
「!!」

ふりかえり其処にいたのは…
「加恋!!///」
短めの髪を後ろでくくった少女。
名前は金井 加恋。
俺とは二年だけの付き合いだが、最愛の親友だ。

「うわあ…梨紅とか金井さんの前になると変態になるよね〜」
「さあ、加恋!憎き綾佳がなんか可笑しい事言ってるけど二人で遊ぼうか!」
わざとらしくいう俺。
加恋は笑っている。ハタからみたらコントだな。w



仲間に囲まれて幸せな毎日。
あいつがくるまでは…。

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