大人オリジナル小説
- 完 全 計 算 人 間
- 日時: 2011/11/06 10:41
- 名前: 依織 ◆CwbNjg5.YQ
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梅雨入りしてまもない六月のある日、私は季節外れの転校生として市立○○中学校三年一組の教室にいた。
普通の、普通の学校生活を送るために。
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どーも。依織と申します(^ω^)
ものすごく計算高い女の子が主人公の小説を書きたいと思います。
いじめとかも絡んでくるので苦手な方はお戻り下さい…
◆
登場人物メモ >>1
序章 >>2
六月 >>
- Re: 完 全 計 算 人 間 ( No.3 )
- 日時: 2011/11/07 23:07
- 名前: 依織 ◆CwbNjg5.YQ
六月
指定された席に座ると、クラスの様子が一望出来た。担任の磯山が話している最中だというのに、横を向いて雑談している人がいたり、急いで宿題を終わらせようとしている人がいたり、机に突っ伏して寝ている人がいたり……、
「あたし有明マナミ! よろしくねっ」
右隣の女の子に話しかけられた。まあ右隣っていっても、私の席は一番左側の列だから隣といえばこの人しかいないんだけど。
彼女は、一言でいうと美少女である。高校生と言われても何ら疑問に思わないくらいの大人びた顔立ちだ。ぱっちり二重で目は大きい。ついでに声も大きい。声のトーンを抑えている様子でもなく、前で担任が話していることに関しては殆ど気を使っていないように見える。
「あっうん! よろしくね」
私は笑顔を作ってそう言う。
すると、ふいに有明さんの肩まで伸ばしてある髪の毛に目が留まった──少し茶色い。多分髪の毛染めてるよね。普通に校則違反のはずなんだけど。
「ねえ紗綾って呼んでいい?」
「うんっ」
「じゃあ、あたしのことはマナミって呼んでね!」
「うんっ」
「今日お弁当一緒に食べない?」
「うんっ」
有明さん、いや、マナミは立て続けに話をしてくる。そして割と早口である。だから気が抜けない。面倒だ。
「ていうか転校してくる前ってどこに住んでたの? なんていう中学?」
……答えたくない質問をされてしまった。特に前の中学校名なんて。
私が前の中学校名を言ったとして、もしその中学にマナミの知り合いがいて、それでマナミが知り合いに私のことに関して何か訊いたとしたら──最悪だ。
否、でもそんな可能性は殆どないに等しい。というかこんなオーソドックスな質問の答えにつまっていたら、逆に不自然だ。
「△△市の□□中学ー……って、多分知らないと思うけど……」
「あーごめん、ちょっと知らないかも」
知らないんだ。ならよかった。
私は「そっかー」と言って笑う。ほぼ同時にチャイムが鳴って、担任が教室から出ていった。皆、それを見越して次々に立ち上がる。