大人オリジナル小説
- 冷野中学校 いじめ 『みんなの視線』前編
- 日時: 2012/03/14 16:02
- 名前: 仲西 夏海
この『冷野中学校 いじめ』では、いじめが起こる冷野(ひやの)中学校のいじめの様子を語ります。
第一章 1年1組の場合
『みんなの視線』前編『天使の手をもとめて』
あたしは、佐々岡 玲奈。冷野中学校 1年1組の生徒だ。あたしには友達とは言えない友達がいるんだ。
奈々が中心になっているグループだ。あたしもその中の一人。でも、ある日、思いがけないコトが起こった。
「ねえっ。奈々!あたし、今度スキな人にあうの!」
あたしは奈々に向ってこう言ったんだ。本当のコトだもん。あたしにとってはすごくうれしいことだったんだもん。でも、これがいけなかった。
「え。ほんと!?誰なの〜??」
奈々は笑顔で答えてくれた。
「えっと・・・。それは、教えられないかも・・・。」
そりゃ、そうだ。スキな人なんて恥ずかしくて言えないよ・・・。
「は?あんた、いい度胸してるわね。あたしに教えないなんて、どうなるか・・・わかってんの?」
奈々の顔から一瞬で明るい笑顔が消えた。奈々はまるで悪魔のようににやにやと笑い始めた。教室には黒い空気がただよった。あたしは一瞬でこうりつくように涙をぽろりとこぼした。だって、リーダーの奈々に「いい度胸してるわね。」と、声をかけられたら終わり・・・。
こうして、あたしへのいじめが始まった。
それは、すごくひどいものだった。学校に登校すれば・・・・
「ねー。宿題やってきたの。」
黒い笑顔で奈々とまさみ、佳奈が近寄ってくる。宿題をビリビリにされたり、給食のあまりをぶっかけられたり、髪の毛を切られたり・・・。もっとひどい時もあって・・・。
学校を休めば・・・
「お見舞いにきたよー。」
と、家の中に入り込み、
「ちょっとぉ。学校、サボってんの〜?あたしら、あんたで遊びたかったのにぃ〜。」
「この責任、とってよね!」
「あ。そーだ。学校で遊べなかったからさ、今から遊ばな〜い?」
「それ、いーね!よし、決定!」
「始めるよー!」
ある意味、学校にいる時よりももっとひどいいじめが起こるんだ。
クローゼットの中の服をビリビリに破られたり、トイレの水につけられたり・・・・。
教科書やノートなんか、もう文字が読めないぐらいにされた。
だれかぁ・・・・だれも、助けてくれないの・・・・?
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