大人オリジナル小説
- 手に取ってみてください
- 日時: 2012/03/20 12:08
- 名前: 39センチ
- 参照: http://22日は小学生最後の日
--------------ねぇ
どうして私にはお母さんがいないのかな
お姉ちゃん、教えて
『私が、“デキ”が悪いから
私が、付子だがら
私が、いらない子だったから
私が、
全部壊したから』
- Re: 手に取ってみてください ( No.3 )
- 日時: 2012/03/20 12:37
- 名前: 39センチ
「めるか、もうそろそろ行かなきゃじゃないの?」
ドアの向こうで、私の大好きな優しい声が聞こえた
「うんっ!」
私はドアの横に置いておいた革のスクールバックにペンケースを入れて
ドアを開けた。
「おはよう、お姉ちゃん!」
「ふふ、おはよう。」
小さく微笑み、お姉ちゃんは私の頭を撫でてくれた。
「髪型、似合ってる。制服もね。」
「っ!ありがとうっ」
お姉ちゃんの細くて白い、冷たい手が私の頭をよしよし、とする。
すごく嬉しくて、心が温かくなる。
「朝早かったみたいね、ご飯食べたんでしょ?」
「うんっ!・・・お姉ちゃんも学校行くんでしょ?」
お姉ちゃんは、今日から高校3年生。
大学は行かないで、働くらしい。
「・・・そうね、まだ時間あるから、一緒には行けないけど」
「そっかぁ、じゃあ、お姉ちゃんも学校楽しんできてね。」
「・・・ありがとう。」
小さな声で話すお姉ちゃんの横を通り過ぎ、玄関まで小走りで行く。
お父さんは仕事の都合で昨日からいない。
でも、お姉ちゃんがいてくれるから、寂しいなんて思ってない
私には、お姉ちゃんという存在がたまらなく大事なのだ。
「行ってきます。」
そう呟いて、ピカピカ光るローファーを鳴らしながら、外に出た。
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