大人オリジナル小説
- 今日俺は死んだ。
- 日時: 2012/08/02 00:35
- 名前: 逃夏
「…オェッ…!!」
ビチャビチャと嘔吐物をまき散らしその場に座り込む一人の少年
「うわっ!!吐いちゃったよコイツ」
「汚ねぇ!!オイ、やばくね?」
「大丈夫だって、ってか自業自得だろ。
コイツ殴っても蹴っても泣かねぇしさ。
大人しく泣いとけばすぐやめてやったっていうのに
変に我慢するからだ、もう行こうぜ」
うずくまる少年を少し観察し教室を出ていく3人
それを横目で確認しヨロッと体勢を崩しながらも何とか立つ
「…くそったれ。お腹を思いっきり蹴られたら誰でも吐くだろ。
しかも昼ごはん食った後だから俺今日昼飯抜きって事か?」
教室内の生徒全員が少年を凝視する
お昼休みとは言ってもまだお弁当を食べている生徒がちらほらいる中で吐いてしまった
嘔吐物独特の臭いが一気に充満し青ざめる生徒達
「おい…それ早く片付けろよ」
「最っ低、キモすぎ」
何人かの気が強い生徒が口を開く
少年は少し考えるそぶりを見せた後
誰もが思いもしなかった行動を起こす
何と素手で自分の嘔吐物をすくい口に入れようとした
「う…うぉい!!何してんだよ!!やめろって!!」
思わず止めに入る男子
少年は心底何故止めたの?とでも言ってるかのような顔で男子の方を見た
「信じられねぇ!自分のゲロ食う奴がいるかよ!!」
「うっぷ…気持ち悪いィ…」
「頭おかしいんじゃないの!?」
それを聞いてむっと明らかに不機嫌な少年は口を開く
「意味が分からない。片付けろって言ったのお前じゃん。
後頭おかしいって日本語おかしくね?
頭がおかしくない人っていんの?」
「はぁ?こいつマジ狂ってる」
「日本語通じねー(笑)」
「大体さぁ…」
もうこうなってからはこの状況を誰にも止められない
皆ここぞとばかりに口々に少年に罵声を浴びせ始めた
「お前って何のために学校に来てんの?
ゲロ吐くため?」
「毎日毎日生きてて悲しい事ってない?
友達いないもんね…そろそろ死んでいいよ」
「ゲロ食うとか普通じゃねぇだろ
病院に行って来いよ」
「お前が頭おかしいって事はお前の母親はもっと頭が逝ってるんだろうな!!」
次の瞬間少年は表情を変えた
その表情はまさに手が付けられない猛獣の様で
殺気に満ちていた
普段は無表情の少年との差に思わず教室が静まり返る
そこでタイミングよくさっきの3人が教室に戻ってきた
「おー、どうした?なんか暗いじゃんお前ら」
「俺らがいなくて寂しかったのかー?(笑)」
少年はその3人と入れ違いで教室を立ち去った
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