大人オリジナル小説

【能力】隔離病棟の黒白【バトル】
日時: 2012/08/03 23:06
名前: 茜崎あんず ◆JkKZp2OUVk
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel6/index.cgi?mode=view&no=12699

「うああ、あああ、ああ」
無茶苦茶に暴れて泣き叫び、抵抗している小柄な少年を、白衣を纏った幾つもの腕が無理矢理に押さえつけて動きを封じている。鎮静剤の投与、急げ! とそんな声が飛べば、すかさず別の医者が注射器の準備を始めた。
ガラスの小瓶から針を通して注射器の中に満たされていく薬品。絶望に慄き、死に物狂いで心電図のコードを引きちぎる少年の青白い身体は、待機していた者により忽ち拘束され再び無機質な寝台の上に引き摺り戻される。

『此処から、抜け出さないか?』

彼は先程持ち掛けられたそれを頭の中で反芻した。

『こんな塵みたいな場所で、塵みたいな大人に囲まれて。』

『ねぇ、棗』

闇色の瞳は薬品のような鈍い蛍光灯の明かりを、全て反射しそのまま返す。
意識の奥から語りかけるその声を飲み込んでしまうかのように、彼はそっと瞼を閉じた。


*** *** ***


こんにちは、茜崎あんず ◆JkKZp2OUVkです。知ってる方は知ってるんじゃないでしょうか?
社会問題系で書くのは初めてなので少し緊張。
中2なので内容もすごく廚二くさいです。


++ 読む際の注意 ++

  名称:隔離病棟の黒白(かくりびょうとうのこくびゃく)
原材料名:能力系イカレバトル
保存方法:直射日光の当たる場所、高温多湿なところでの保存は避けて下さい
取扱注意:誤って目に入ってしまった場合は速やかに全文章イッキ読み又はコメントをお残し下さい
     荒らしや誹謗中傷は作者の精神状態に悪影響を及ぼす恐れがありますのでご注意下さい   

++ お願い ++

私は今まで6回ほどに中傷を受けました。
ハッキリ言いますが元ネタ認定の半数は誤爆ですよ??
この小説は能力とか結構ありがちな設定を元にしていますがパクる訳ないじゃないですか!!
パクッたら中傷されるって分かってるのにわざわざやるわけないですよね!?
そういうことです。もし何かの作品と被ってしまい不快な思いをされることがあるならば心からお詫びさせていただきますが生暖かい目で見逃してやって下さい。お願いします。


++ イベントなど ++
◆キャラ絵
『棗(なつめ)の話』 >>5

◇執筆履歴
START:2012,08,02


++ 目次 ++

日本国憲法・改 第二十五条 >>1
登場人物 >>2

第一話 ◇ 棗(ぼく)の話 >>3

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Re: 【能力】隔離病棟の黒白【バトル】 ( No.3 )
日時: 2012/08/03 21:51
名前: 茜崎あんず ◆JkKZp2OUVk


「京(みやこ)が死んだよ〜」

機械だらけの白い部屋の中、僕は溜息を吐いた。
知ってるよそのくらい。焼き焦げたヒトの匂い、実験は失敗だった。

ぎしぎし呻く黒光りした鋼の義足。黄緑色の逆立てた髪。黒いヘアバンドを額に巻いて。
金色の目玉がらんらんと輝くその下、大熊猫みたいなどす黒い隈がよく目立つ。

「楠(くすのき)、僕は京の死に顔を見た」
「あはは」
声を上げて笑う楠。

「棗(なつめ)は昔からそーゆーとこ、薄情だったよね〜」

彼が立ち去った部屋でモルヒネの残り香が漂う。
僕は静かに目を閉じた。


◇◆ 第一話 棗(ぼく)の話 ◆◇


点滴を連れて冷たい廊下をぺたぺた。
透明な管が僕の頭に絡み付いて気持ち悪い。

僕のスキルは『影』。エネルギー発生源は頭部。
常時着用を義務付けられている黒いリボンは猫の耳みたいでなんか嫌だ。
後、おんなのこに間違われるのもごめんだし。

親はいない。
てゆーか、知らない。
気がついたら自分は棗で、気がついたら此処に居た。

危険スキルを持つ少年は強制的に隔離病棟に収容される。
月に一度響き渡る悲鳴は僕のともだちのモノ。隔離病棟では人体実験が自由にできるから、政府は容赦なく僕らを破壊するんだ。

「あっ」
躓いた拍子にチューブが廊下の端の消火器を倒してしまう。
僕のスキル効果を抑えるため投下された赤い薬品が零れることを祈った。
でも頑丈。僕は足を挫いただけ。
棗くん大丈夫なんて言う声は無いよ。隔離病棟は病院じゃない。サナトリウムよりも酷いホスピスよりも酷い。

ただの収容所だ。


一人で立ち上がる。位置のずれた腕への針が改めて痛いと感じる。

ふと前をみれば僕と同じ境遇の幼い子が喋ってた。新緑の芝、小高い丘、その先に咲き乱れる花たち。
いつかこの原っぱを抜けて、綺麗なお花を触ってみたいな。
僕は俯いて、そっと頷いた。
これは壁に描かれた絵だよ。緑のしばふも黄色いチョウチョも綺麗なお花だって全部。此処には存在しないんだ。

「言えないよね」

ああ、僕の世界に終わりはくるのかな。そんなことを考える。
淀んだ空気と青白い蛍光灯。
着物の裾から伸びる骨ばった足。
今の僕。



棗(ナツメ)
身長:156
体重:37
危険度:85
特殊事項:危険能力『影』保有



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