大人オリジナル小説
- 知らない、知らない。
- 日時: 2012/10/14 13:30
- 名前: なの ◆.TdLGP6..k
はじめまして!
なのと申します。
いじめ系の駄文を書かせて頂こうと思います。
よろしくおねがいします!
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- Re: 知らない、知らない。 ( No.2 )
- 日時: 2012/10/15 18:32
- 名前: なの ◆.TdLGP6..k
「はーるーなぁ?はいはいお掃除ー!」
朦朧とする意識の中でぼんやりと加藤佳奈の声が聞こえる。
白く霧のかかったような視界に佳奈の顔と取り巻きの凜、
彩香とバケツ。
バケツが上に上がり、傾く。透明な水が落ちてくる。
思わず眼を瞑る。
―――あれ?冷たくない。ああ、そうか、夢か。
そう、これは夢だ。過去の夢。
原野陽菜は思った。そうだ。これは過去の毎日の夢。
これは、掃除の時間かな。
場面が変わる。教室。窓からはオレンジの光が入ってくる。
「はーい、持ち物検査をしまーすぅ」
きっと放課後だ。
佳奈の声。取り巻きの拍手、笑い声。
もう目には何も見えないが、何をしているか分かる。
机を引きずる音。そしてたぶん、
そこからとりだした陽菜のノートを引き裂く音。
泣き声。私のか。笑い声が大きくなる。
「じゃ、陽菜掃除しといてねぇ」
笑い声が遠ざかる。
たぶん、ちぎられたノートは床に散らばっている。
たしか陽菜はそれを集めて、ゴミ袋にいれてもって帰ったはずだ。
泣きながら。
事実は覚えてる。それをされてる過去の陽菜の気持ちも
容易に分かる。だが、覚えてるわけではない。
知らない、知らない。なぜなら……
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