大人オリジナル小説
- リアル高校生
- 日時: 2014/06/16 16:47
- 名前: 心手連路
1,月曜日 HR 赤坂真由未の場合…
「はぁ〜?それ本当?一五で妊娠って、マジ何があったって訳〜!」
頭に響くようなキンキン声で、隣のヤツが叫ぶように言う。ったく、もう少し静かに喋れんのか。あんたは。思わず耳を押さえたくなったが、そんなことをしたら奇怪な目を向けられるのは分かっているので、頑張ってがまんする。
事の発端は、アイツだった。
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「これでHRを終わります。じゃ、日野くんとりあえず号令お願い。」
日野ってどれ…?ああ、あのもっさいのか。などと呑気なままに考えていた私は、高校最初のHRの内容を、これっぽちも聞いていなかった。
「起〜立。気〜をつけ。れ〜い。」
もっさいヤツが言った後、クラスの皆がどこかに向かうのを、ただただぼーっと眺めていた。まだ学校も始まったばかりで、話し相手もいなかったので(けっして昔からぼっちキャラだった訳じゃない…。今もそう!)、どうしようかと恥ずかしながらも戸惑っていた。そんな時、話しかけてくれたのがアイツだった。
「もうみんな体育館行っちゃったよ。俺らも行こう。」
正確には、私に話しかけてくれたのではなく、アイツは私のうしろでおろおろしていた、もっさり君に話しかけたようであった。だけど、その言葉はさり気無く私にも向けられていたようで、アイツは私に目配せをしながらもう一度、
「早く、行こう。」
と言った。
こうして私は予想外の話し相手にどきまぎしながら、一歩を踏み出した。
そういえば、あの時アイツにお礼言ってなかったな。
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