大人オリジナル小説
- かぞえ
- 日時: 2013/02/12 17:49
- 名前: 春歌
いーち、にーい、さーん…
はじまる。
いやだ、いやだ、いや……
閉じていく、心が、からだが、自分の感覚、全てが……
もう、もう、やめて……
- Re: かぞえ ( No.3 )
- 日時: 2013/02/15 23:01
- 名前: 春歌
このクラスには、階級がある−−
最悪だ。
クラス替えして、早々。女子の間には、すでに、いくつものグループができている。そこにできるのが、階級である。
真奈実は、そっと、クラスを見回した。
仲のいい友達は、みんな別のクラスになった。真奈実、ひとりが、グループに入れていない。
ざわざわとざわめくクラス。
どこか、みんな、興奮しているようだった。
窓際の、1番前が、真奈実の席だった。
なんだか、嫌な予感がする。
窓の外は、暖かに桜が舞っているのに、教室は、なんだか寒い。
「鈴江さん?」
「あ、はい!」
誰かから、名前を呼ばれて焦る。
この教室に、真奈実の名前を呼ぶ人は、いないはずなのに。
「奏です。前、2組だった。知らないかぁ…?」
目の前に立っているのは、ショートカットの女の子。
知らないはずは、ない。
奏 ルミ。見とれる。
真奈実は、彼女のきっぱりした性格に、憧れていた。
「隣り、いい? あたしの席、あの人たちいるから」
困った笑みを浮かべる彼女に、真奈実も笑い返す。
見ると、ルミの席には、グループになった女子が、自分の席のようにどっかり座って、きゃあきゃあ騒いでいた。
「あ、なんかあたし、友達みんなクラス別になっちゃって…」
「あたしも」
そう言って、笑い合う真奈実とルミを睨む人物がいることに、2人は、気づいていなかった。
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