大人オリジナル小説
- 白黒ストーリー
- 日時: 2013/06/16 22:27
- 名前: suzuka ◆3p2qsnXqkQ
ご注意
・荒らしなどの迷惑行為はご遠慮ください
・文才等はございません
・更新は遅いです
・アドバイス、コメントいただけると嬉しいです
目次
1 >>1 >>2
2 >>3
3 >>4
- Re: 白黒ストーリー ( No.3 )
- 日時: 2013/06/16 21:16
- 名前: suzuka ◆3p2qsnXqkQ
2
目が覚めた時には、もう昼休憩だった。寝過ごしてしまったのだ。今日の体育は五十メートル走のテストだったのだが。――――最悪だ。こんな、内申点が大切な時期に。
後悔の言葉が頭の中で渦巻き、お昼ご飯はのどを通らなかった。玉子焼きを一口だけ口にはくんでみると、焦げた苦い味がした。私はお弁当箱を閉じた。
教室内にはもう担任の姿は無く、私は職員室へと重い足を運んだ。長くて面倒なお説教か、私の存在の無意味さを思い知る地獄のような時間か。どちらが待っているかはわかっていた。
「先生。朝のプリントを無くしてしまったので、もう一度ください」
「え? あぁ、あれか。放課後までに提出だぞ」
「はい……ありがとうございます」
先生の机の前から一歩の動かない私を、煙たそうに先生が見る。ちなみに、この先生は体育の先生だ。
「まだ何かあるのか?」
「……いいえ、何も」
私は手の震えをおさえて職員室を出た。背中に冷たいものが張り付いたように、頭におもりがついたように。――――私がいなくても、何も変わらないんですか。私はいらないものなんですか。
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