大人オリジナル小説
- 与えられた名称。
- 日時: 2013/09/05 08:00
- 名前: 七々小影
「注意。」
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- Re: 与えられた名称。 ( No.1 )
- 日時: 2013/09/05 08:31
- 名前: 七々小影
[自傷行為]
暗い部屋に、赤い花がひとつ。
「…また、やっちゃった…」
自傷行為。
世間ではどうやらそう呼んでいるらしい。
痛い…当たり前だよね。
滴る赤い液体に見とれる程、私は依存してしまっている。
***
天気は晴れ、雲ひとつない。
相変わらず他愛もない会話が飛び交う教室。
「夏音ちゃん」
私の名前を呼ぶのは、小学校から一緒の里桜。
「またやったの…?」
気づかれた…。
「うん」
「あんなに駄目って言ったじゃん」
「うん」
「いい加減話してよ、なんだって聞くから」
二言しか返せない私に、里桜はよく愛想が尽きないものだ。
「いい、大丈夫だから」
大丈夫、平気…その言葉は私を守る為の盾。
それがなくなったら、きっと生きていけない。
嫌いになってくれない。
里桜には何度も嫌われようとした。
けど、嫌いになってくれなかった。
里桜は真っ直ぐで優しくて、友達だって多い。
私といればきっと壊してしまう。
「夏音ちゃん…大丈夫、じゃないよ…」
ほら、今にも泣きそうな顔。
「大丈夫だったらそんなことしないよっ…」
そんな辛いなら一緒に居なければいいのに。
この子は、どこまでお人好しなんだろう。
…馬鹿。
「なに泣いてんの里桜。笑ってなきゃ里桜じゃないよ」
お人好しは私の方だ。
「大丈夫だから。ね?泣き止んで」
素っ気なくしたって、最終的には甘くなってしまう。
自傷行為は自分を殺そうとする行為。
反対に、誰かに助けを求めてる…人間の心理。
…言われなくとも、知ってる。
いくら親に気づかれなくても、見えないとこにしても気付かれる。
周りの人を悲しませるだけの最低な行為。
「……っは…」
「夏音ちゃん…?どうしたの?」
「あー…ううん、なんでもないよ」
助けを求めてる…人間の心理、か。
なんて…馬鹿馬鹿しい。
赤い花が咲き乱れる。
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