大人オリジナル小説
- 例え何度裏切られたって
- 日時: 2013/10/30 02:29
- 名前: 秋月弓菜
私はね、君達が大好きなの。
だから、何回君達に嫌われても、私はずっと好きでいる。
―――――
ドカッバキッ
教室に嫌な音が何度も何度も鳴り響く。
「お前、その顔キモいぜ?死ねば」
少し長めの黒髪をした神根輝は、私の体を蹴りながらそう言う。
「そうそう。お前が死んだ方がみんなも幸せだって」
茶髪の赤島翔は、私に色んなものを投げつける。
この二人は、私の学校でも結構人気のある男子だ。
「……ううん、嫌だ」
私はズキズキと痛み、血が流れ出る体を動かして立ち上がる。
「……私は、消えないよ」
私は微笑み、そう言った。
「ハッ、気持ちわりい」
「そんなこと言ったってかっこよくねーっつーの!」
神根輝は私はの頬を殴る。
その勢いで私はまた倒れた。
「ダッサ!」
それを見ていたクラスメイトの一人は笑いながらそう言った。
「…………」
私が無言で顔を上げると、皆少し焦るような顔をした。
「……皆、大好きだよ」
また私は微笑む。
微笑んで、君達を愛する。
だって、私は知ってるから。
君達が、本当は優しいのを。
- Re: 例え何度裏切られたって ( No.3 )
- 日時: 2013/10/30 12:36
- 名前: 秋月弓菜
「はあ?コイツ何言ってんの?頭イカれてんじゃね?」
「まあまあ落ち着けって輝」
歯軋りをたて震えている神根輝を赤島翔がなだめる。
ほら、赤島君はこんなにも友達思いで優しい人。
つい最近までは、いつも私の頭を撫でてくれていた。
その大きくて、暖かい手で、私の髪をわしゃわしゃと撫でてくれていた。
そんな君を、私は覚えているから。
きっと君が私にこうするのも、理由があるんだよ。
……どうしてこうなったかは、覚えてないけど。
「十分落ち着いてるわアホ。取り敢えずむしゃくしゃするからコイツ殴っていい?」
神根君も、こんなんじゃなかったよね。
熱血で明るくて、他人の為なら何でもするとてもいい人。
私が壊してしまった携帯を新品で買ってくれた時は流石に驚いたけど。
でも、そのくらいいい人。
だから……
バキッ
「おお!まさかの足蹴りですか!しかも顔!」
赤島君が、笑う。
「このくらいいいだろ!」
神根君も、笑う。
いつかこれが無くなるって信じてるの。