大人オリジナル小説
- 光と居場所と愛と家族
- 日時: 2014/01/02 17:46
- 名前: 美月
竹内愛、それが彼女の名前だった。
めぐみ、という名前からめぐちゃんと呼ばれ、幸せに暮らす小学6年生の女子。
カメラと写真と本が好きで、中学に入ったら文芸部に入るか写真部に入るか迷っている。
めぐみという名前通り、全てに恵まれていた。
――――――神様は彼女に嫉妬したのだろうか。
それまで光っていた彼女の人生は急激に堕ち始めた。
光と、居場所と、愛と、そして家族。
全て失った、その先に。愛は何かを得る事が出来るか、それとも地獄を超えた地獄が待っているか。
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- Re: 光と居場所と愛と家族 ( No.1 )
- 日時: 2014/01/02 17:57
- 名前: 美月
「愛、行ってらっしゃい」
柔らかな母親の声は、朝の光の様に輝いている。
愛がこの生活をありがたいと思うようになったのは、テレビを見てからだった。
先進国では無い国のの子供が次々に死んで行って、痩せこけている人々がいた。その人たちは、自分が満足できない量のごはんよりもっと少ない量のごはんですら食べていない。
だから、愛は1つ1つを丁寧に、怠らずに行う事とごはんを一生懸命食べる事を誓った。
「お母さん、行ってきます」
紗枝市にしては、珍しく晴れの日が続いていて、愛はなんとなくスッキリした気分で学校に行っていた。
その時、愛は祈るのだ。
――――お父さんも、お母さんも、世界中の人も今日を幸せに過ごせますように。
祈る、という事は、自分以外の人のの幸せを祈るという事は、愛は恵まれているという事だ。
恵まれているのに、自分のことだけを考える人の事を愛は自己チューとい
うと思っていた。
でも、本当の事は良く分からなかった。
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