大人オリジナル小説

陽のあたる場所まで
日時: 2014/01/31 14:21
名前: 藤咲奈緒

銀杏が咲町。
都内にある小さな町。
どの季節も平均気温は他の地に比べると高い。
また、四季折々で見せる自然の美しい表情が話題となっている。
現在、季節は春。
美しい桜は心の中に秘めた醜い感情を無くしてくれそうなくらい美しいのに。
1人の少女は桜を睨みつけていた。
そして、こうつぶやいた。
“嫌いなのよ”―――――と。

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Re: 陽のあたる場所まで ( No.1 )
日時: 2014/01/31 15:07
名前: 藤咲奈緒

神様、神様は私に天罰を下したの――――?
得たものの代わりに、大きなものを失った。
私は欲しいなんて、頼んでないのに―――――。


「ね、努力家と天才―――本当に必要なのはどっちかな」
鳴無中学校合格発表の日、彩はいきなりそういった。
「それよか、観た?合格発表!受かっちゃった〜」
彩も受かってるだろうから大丈夫だよね。
「絶交だね、私みたいな天才が落ちてあんたみたいな凡人努力家が受かったんだから。正直言うとね、私ここ受からないって言われてたの。天才だから努力しなかったらそう言われたの」
そういえば、と思った。
塾でも私の方がクラスは上になっていった。
テストの点数は知らなかったけれど、彩の落ち込んでいる顔を見る回数が多くなって、学校のテストの点数が落ちていたのも知っていた。

「ごめんね、あ……」
パチン――――――
彩に謝ろうと思った刹那、音が鳴った。
私の頬から来た音で、その音を鳴らしたのは彩だと言う事が分かるのには暫くかかった。
「嫌い」
その一言を残して彩は走り去った。
「大丈夫?」
同じく合格発表を見ていたらしい藍理の言葉で私は我に返り、また我を忘れて泣き崩れた。
「彩、酷いね……自分が落ちたからって。大体千夏が泣く事は無いよ。彩が悪いんだから」
幾ら藍理が慰めてくれても、私の涙が止まる事は無くて、あとからあの涙で海は作れただろうかと思ったほどだった。

それから藍理に連れられて家まで帰った後、お母さんから落ちたのかと聞かれ、やっと喋った。
「落ちたも同然なくらい悲しい」
その後私はソファに横たわり、そのまま眠りに落ちた。
そして辛い夢―――彩にぶたれる夢を見た。

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