大人オリジナル小説
- 【可愛い顔した凶悪殺人犯】
- 日時: 2014/02/16 18:56
- 名前: 御神楽
赤い液体が宙を舞った
人気の少ない路地裏などでは無く、大勢の人間が通勤や買い物に使用する大通りで、今、人が殺された。
いきなりの事に通行人は足を止めた。一人が止まれば皆もとまる。皆一斉に散らばった死体に視線を集めた。
「っきゃぁぁぁあああ!!」
やっと、通行人のうちの一人の女性が甲高い声で悲鳴を上げた。
それのせいで空気が代わり、犯人捜しをその場でしようとするものや集まってくるもの、警察に電話しようと携帯を鞄の中で手探りする人の姿が多発した。
「…おめェら、うるせぇんだよぉ」
大して大きくもないその声は、何だかクスクス微笑んでいるようにも思えた。
皆の視線は死体じゃなく、その声の主を見つめた。
「っ…てめぇ!何悠長にしてやがる!人が死んだんだぞ!」
通行人の一人だろうか、30代後半の男性がその声の主の胸ぐらに掴みかかる。
だが、そいつは逃げようとも振り払おうともしない。
「そりゃ悠長にもなるよ。だって……殺したの僕だもん」
そいつが再び微笑むと、そいつの胸ぐらを掴んだ男性を始め、こちらを見ていた通行人約47人が一瞬で死体に変わった
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- Re: 【可愛い顔した凶悪殺人犯】 ( No.2 )
- 日時: 2014/02/16 19:10
- 名前: 御神楽
鉄の匂いが漂うその大通りには沢山の死体が散らばる。パトカーのサイレン音が鳴り始めると、その小柄な少年は返り血に染まる身体にパーカーを羽織り、路地裏を通って逃げて行った。
「……っぺ、クッセ。」
しばらく走ると更に狭い路地裏に入り、少年はひとまずその場に座り込んだ。
あの大群を死に至らせた凶器の果物ナイフにこびり付いた血を拭き払い、少年はパーカーのフードを脱いだ。
「今日は何人殺したっけ……あハっ、47人!僕ったら凄ーい」
「ヒヒヒッ…たった47人で勝利に浸ってるとか、笑えちゃうな!」
クスクス独り言を言っていると、頭上から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
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