大人オリジナル小説
- 寂しいよ
- 日時: 2014/03/20 21:11
- 名前: 邪空-jaku-
邪空…ジャクウと読むようにしてるけど、何とでも呼んで。(いやつか話しかけてくれる人いんの?)違う名前で投稿してたけど、ごめん、名前変えてまたスレッド作らせてもらったわ。IDでわかんのかな?
―
これは独りの女の子の話だ。普通の_極普通のどこにでもいるような女の子の話。ちょっと周りとズレてるかも、って不安を抱える寂しがり屋の少女の話だ。
…つまんないけど、聞いてくれるか?
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- Re: 寂しいよ ( No.2 )
- 日時: 2014/03/22 13:37
- 名前: 邪空-jaku-
間もなくしてチャイムが鳴る。“プリントは?”と聞いてくる同じ班のウザい奴に舌打ちをしながら苛立ちを抑える。こんなことを言ってはなんだが、コイツの声が私は大嫌いだ。気持ち悪くて煩くてデリカシーがない。
自然と、制服のポケットに手が伸びる。イラついた時も安心感を求める時もふとした時だって、それはもう癖のようになっていた。
中に入っている、いつも入れているカッターに触れるとどうしようもない胸の高揚。何だか楽しくなってきて笑いが零れる。
―――――俺は奏楽春亜(ソラハルア)
生物学上、女。
「ニヤつくな…キモイぞ」
「あ?俺はどーせキモいからいいんだっつの」
「ww自覚あんのかよ」
「うっせぇよ、死ね」
“死ね”というのはもう、口癖のようなもので。誰に対しても簡単に口にしたその言葉は…本当は全部、俺自身に向けた言葉だということにだれも気付かないのは幸いだけど。
「お前、カッター出しながら言うなよ…ッ」
どこか引きつった笑いは、多分恐怖から。おっと…無意識にカッターを持っていたみたいだ。
「ごめんごめん。まぁ安心してよ?殺したりしないからさ。…最初に殺す人は決まってるから」
ニッコリと笑顔で言えば、くっつけたような笑顔も剥がされる。
「ッ…それ、って誰…?」
「さぁ、ダレだと思う?」
ククッ…って楽しい笑い声を上げる。ヤバ、何その顔?超ウケるんですけど?w
「…龍とか」
「ハァ?なんでそうなるワケ」
龍、ってのは俺の好きな人。まぁ片想いだけど?フハッ。龍を殺すってヤンデレかよ?…殺せるなら殺してぇけどな。無理なんだわ、それは。だって俺が最初に殺すって決めてる人はよぉ…
「俺。」
「え?」
「だからァ、俺が最初に殺すのは…俺」
自分の方をまだしまってなかったカッターで指示しながらそう言った。乾いた笑い声とプラスすれば、それは一気に真実味を帯びた。
「ちょ…お前マジで自殺とかすんなよ!?」
「あー大丈夫。中学にいる間はしねーと思うから」
「ウッワ…やめろって」
顔を歪めるそいつの考えが理解不能。だって俺が死んでも関係ねーし中学を卒業してから俺が死んでももう同じ学校でもなくなるそいつには知ることだってないんじゃないか?
「何お前。死にたいとか思うの?」
そいつが発したその質問は…愚問、とか言う奴だった。
「さぁね」
思うよ、思ってるよ、現在進行形で。それは常に俺に付きまとう気持ちだからさ。死にたい…死にたい…そんなことはいつだって考える。それでも死ねない俺の弱さをどうぞ嘲笑ってくれや。
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