大人オリジナル小説
- 花は枯れた。
- 日時: 2014/05/05 14:43
- 名前: 翡月
はじめまして、翡月といいます!
えーと、中学生のいじめをテーマに書かせていただこうと思っています。
初心者ですが、頑張るので読んでやってください<(_ _)>
- Re: 花は枯れた。 ( No.3 )
- 日時: 2014/05/05 15:32
- 名前: 翡月
「なんかこの辺、くっさいんだけど」
「もう、そんな事言っちゃだめでしょ! ゴミがいるんだから仕方ないじゃん」
「あはは! 菜々サイコー」
げらげらと笑う二人のクラスメート。
今は朝会が終わって、授業までの十分休憩の時間だ。そんな短い時間でも、笑花への攻撃は容赦なくやってくる。
イスに座って、視線を少し下げていた笑花の髪が、突然引っ張られた。
「いっ……!?」
ふいをつかれた笑花は思わず相手の手を振りはらう。
「いたいなー。ちょっと髪の毛触っただけじゃん。なにー? 男にしか触らせませんー、みたいな?」
「うわ、さすが男好き」
笑花の髪を引っ張った、ショートカットのクラスメートーー菜々が、机の上の筆箱を手に取った。そのまま上へ放り、もう一人のクラスメートーー佐季に投げ渡す。
「おっと」
「ちょ、返して」
笑花が手をのばすが、
「そのへんの誰か、取ってねー」
佐季が教室の後ろの方へ投げ渡した。
「よし。取ったよー」
「ナイスキャッチ」
「て、いらないんですけど、こんなの」
筆箱のチャックの部分をつまみ、ぶらぶらゆらす。周りに笑いが起こる。
笑花は唇をかみ、後ろへ歩きだすが、菜々に足を引っかけられて派手に転倒した。
「あは、ドジ」
一回笑花の背中を蹴ると、彼女の筆箱を持つクラスメートーー和歌奈に声をかけた。
「それさ、いらないなら捨てちゃっていいよ?」
「マジ?」
「マジマジ。こいつのガードゆるいのが悪いんだし」
そんな会話を、笑花は聞く事しかできない。
泣くな、泣いちゃだめ。もうすぐ授業が始まる。泣いてたら怪しまれる。
心の中で必死に泣くな、泣くなとくり返す。
「んじゃ、笑花ちゃん」
和歌奈が目の前にしゃがみこんだ。筆箱をぶらぶらと揺らす。不自然なほど優しい笑顔をうかべている。
「これ、男子トイレの中にでも放り込んどくね」
「……っ、嫌だ! 返してっ」
手をのばすが、佐季にその手を踏まれた。
「捨ててきていいよ」
「うん。詩織、一緒に行こ」
詩織ーー。笑花が助けを求めるように、和歌奈に手をひかれていく友達を見つめる。
「しおり」
一言、名前だけを呼ぶ。
だが、詩織が立ち止まってくれることはなかった。やっぱり、助けてはくれなかった。
あんなに一緒にいたのに……。友達だったよね……?