大人オリジナル小説
- ブリッコ制裁革命
- 日時: 2015/04/16 20:20
- 名前: TiA ◆nzCzRm4nt6
過去にぶりっこ作品が2作品ほど中傷されていたため、敢えて書こうと思いました。
虐めとは何なのか、登場人物たちの気持ちを読み取りながら、一緒に答えを出しましょう。
テーマは[価値観の違い]です。
GLっぽく見えますが、ただの友情なので悪しからず。
---------------------------------------------------------------
笑った笑顔が綺麗だった。
泣いてる姿も綺麗だった。
でも、綺麗だと思う反面心が悲鳴を上げるんだ。
だからこそ僕は、悪になってもいい。
君の笑顔を取り戻してみせる。
たとえ、それを君が望んでいなくても。
たとえ、それが理由で君が離れてしまっても――。
Page:1 2
- Re: ブリッコ制裁革命 ( No.1 )
- 日時: 2015/04/16 20:38
- 名前: TiA ◆nzCzRm4nt6
泣いていた。
夕日を背負って、ぽろりぽろりと綺麗な涙を流しながら泣いていた。
そう、白兎カノン<シロトカノン。
僕の大切な大切な親友が……。
その日、確かカノンは恋人とデートをするはずだった。
前日の日に嬉しそうにデートに行く服を着せ見せてくれたカノンは非常に可愛かった。
恋をする女の子のキラキラした笑顔そのもので、僕は心の底から彼女に幸せを送ってあげた草月乱<ソウマラン>にお礼を言いたかった。
でも、実際はどうだろう?
目の前に居るカノンは泣いている。
嬉し涙でもなく、その目には明らかに『哀』が写っているんだ。
「カノン、カノン。君は今日デートじゃ?」
僕の声にカノンが反応した。
慌てた様子で涙を拭く。
「大丈夫なの、乃愛」
ああ、そうだ自己紹介がまだだったか。
僕の名前は天王寺 乃愛<テンノウジ ノア>。
「カノン、何故泣いているんだ?」
僕は、カノンの頬にまだ残っている涙を指ですくい取る。
すると、カノンが笑ったんだ。
「優しいよね、乃愛」
「当然だろう、友達なんだから。でも、カノンは優しくないぞ」
「どうして?」
「だって、親友である僕に本当のことを言ってくれないじゃないか」
言ってほしいんだ、どんなにきつい内容でも。
たとえ、これが僕の一人よがりだとしても、僕は君と辛さを分かち合いたい。
少しでも、話してもらって負担を減らしてあげたい。
わかっている、わかっているさ。
全て僕の自己満足だなんてな。
「……ごめんね。実はね、乱が浮気してたの」
「……は?」
「観月ちゃんと、ホテルに行く所見ちゃって……」
僕は目の前が真っ白になった。
観月とは、僕の双子の妹だ。
その独特な口調のせいか、なかなか友達ができずに悩んでいた観月に親友であるカノンを紹介したんだ。
「そうか、僕のせい、か……」
「そうやって思いつめるから、言いたくなかったの……」
だがしかし、僕のせいであることには変わりがない。
「とりあえず、観月に状況を聞くよ……」
観月のやつ、本当に何を考えているんだか。
見た目が可愛くて喋りやすい妹だと思ってた。
仲の良い姉妹だった。
それなのに、カノンに酷いことをするなんて……。
でも待てよ、もしかすると観月は何か騙されているのかもしれない。
乱の奴が騙しているのかも……?
きっとそうだ、そうだに違いないんだ。
そう思いながら、僕は観月に電話をした。
何十回コールをしただろう?
全くでなくて、結局その日は家に帰えることになった。
Page:1 2