大人オリジナル小説

わたしたちが、せいぎのひーろー!
日時: 2015/09/22 20:20
名前: リザ ◆A4jsQTgi.Q




「ようこそ!6年2組へ!」





「仲良くしようね!」






「○○ちゃんは悪くない!悪いのは先生たちだ!」






「私たちは、正義のヒーローだから、○○ちゃんのこと、守ってあげるよ!」








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Re: わたしたちが、せいぎのひーろー! ( No.3 )
日時: 2015/09/23 14:32
名前: リザ ◆A4jsQTgi.Q




第一話



「今日から皆さんの仲間になる、前川さんです」

担任の南 綺(みなみあや)先生に連れられて、私は目の前の教室にはいる

今日から神谷小学校6年2組の一員━━━

仲良くなれるかな?

そう思いながら、ランドセルを下ろして床に置く

「はい、じゃあまずは自己紹介ね」

南先生はそう言いながら私の手に白いチョークを渡す

一呼吸してチョークを握りしめる

コツ、コツ……

驚くほど静かな教室に、チョークの音が広がる

黒板に『前川 萌羅』と、書き終え皆の方を向く

全員で32人。合計で64個の目が私を射抜くように見詰めてくる

「まえかわ……もら?めら?」

「何て読むの?」

そういう声が、前の席の女の子達から聞こえる

大丈夫

「……まえかわ、めろです!よっ、よろしくお願いします……!」

そう言って、ペコリ、頭を下げる

パチパチパチ……

少しばらついた拍手が聞こえる

「それじゃあ前川さんはあそこの━━一番後ろの空いてる席に座ってね」

先生がそう言って指差す席の横には━━━━

茶色のセミロングの髪にピンクのリボンがついたカチューシャ。大きくパッチリとした目に桜色の唇

透き通るような透明の肌

人形のような美しい容姿の彼女を見た私は、しばらく言葉を失っていた

「前川さん?」

━━━━ハッ

先生に声をかけられ私は我にかえる

ランドセルを背負い直し、ゆっくり、歩く

私がランドセルを机の横にかけ、椅子を引き座るのを確認した先生は黒板に書かれた私の名前を消して、「麻耶ちゃん、咲良くん」と言いながら、手招きをした

すると廊下側の席から、二人の男女が立ち上がり二人は黒板の前にいく

「私は莉愛。……ちょっと来て?」

その途端、隣の席の彼女━━━莉愛ちゃんはそう言って、私の手を取り席を立ち上がる

私も慌てて立ち上がって、莉愛ちゃんについて行く

ふわっと揺れる髪からは、とても良い匂いがした

ガラガラッ━━

教室のドアを開けて私たちは廊下に出る

「しばらくここにいてね」

莉愛ちゃんはそう言うと静かにドアを開け再び教室に入っていった

すると教室からはガタガタ机を動かす音や、騒がしい音がした

五分くらい待ったとき━━━━

━━━━ガラガラッ

「萌羅ちゃん。目をつぶって私の手をとって」

廊下に出てきた莉愛ちゃんにそういわれ私は言う通りに莉愛ちゃんの手を取り目をつぶる

「転ばないようにね」

ゆっくり、歩く

「目を開けてみて」

そういわれゆっくり、目を開ける

━━━━黒板には大きく『ようこそ!6年2組へ!』と書いてある

そして目の前には、皆の顔

「ようこそ!6年2組へ!」

さっきの咲良くんとやらがそう言うと横にいた男子二人組が

パァーンッ!パァーンッ!

と、クラッカーをならす

正直言ってこんなに歓迎してもらえるとは思わなかった

「萌羅ちゃん」

莉愛ちゃんに声をかけられて莉愛ちゃんの方を向くと

「これ、皆で書いたんだ!」

莉愛ちゃんは色とりどりのペンでメッセージが書かれた色紙を私に渡してきた

「これからよろしくね!」

そう言う莉愛ちゃんの顔は━━━━天使みたいな美しい笑顔だった

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