大人オリジナル小説
- エサの時間ですよ。 【オリキャラ募集中】
- 日時: 2017/07/22 23:49
- 名前: 雛風 ◆iHzSirMTQE
人は決まって使う者と使われる者に分かれる。それを選別する方法は大抵、権力とか金――ではなく、殺人数である。
だからそういうものを持っていない私は当然、使われる者になる。
「ごめん……俺、やっぱり死ねないから……」
「……………」
目の前の青年は固い笑みを顔に張り付けて言った。穏やかな声色に、固くても優しげな笑顔は純粋な人間であることを無意識に知らしめている。
だが、それに似つかず、彼は手に銀の得物を持っている。普通のものではなくて、いくども肉を引き裂いて血がこびりついたものを。
「ごめんね……」
彼はこれから起こることを心苦しく思っているのだろう、眉を寄せて先程から何度も謝罪を述べてくる。そうして彼は――いくらか小さく細い私に斬り掛かってきた。彼の中での私は血と涙を流して泣き叫んでいるだろう。だがしかし――
「私だって死にたくない」
「がはっ!」
彼の刃が私の柔な肉を削る前に跳び、彼の肩に手を置き背後に回る。そうして、彼の腹へ、バールを数本刺していく。青年は目を見開きその場に倒れた。悲鳴を上げようとしたその口からは大量の血がでる。
「こちらこそ、ごめんなさい」
これから響くであろう煩い断末魔は是非とも聞きたくない。ちっとも申し訳なくは思っていないが、謝りながら彼の首へ最後のバールを差し込んだ。
『勝者! 少女105!』
戦場の池袋駅では大勢の観客の悲鳴と歓声が鳴り響いた。
3017年、千年前の世界はどこにもなかった。常識も、秩序も、跡形もなく変えられていった。この世界(じだい)に、人権など存在しない。
人は等しく家畜である。それ以上になるために必要なのは金でも権力でもない。必要なのはただ一つ、どれだけ人を殺したかである。
人を殺せない者は恐怖という道具の圧により、人を殺せる者に服従させられる。
上下関係を変えるのは、自分が相手より強いことを証明することでしかできない。
だから皆、必死で人を殺すのである。見世物として観られながら。
「あ、あの、昨日は助けてくれてありがとうございました!」
「あ、この前の……」
「あの、これお礼です!」
七歳くらいだろうか、可愛らしい黒髪の女の子が私のところに訪ねてきた。彼女は以前、父親と母親に絞め殺されそうになっていた。私はたまたまそこに通りがかったのだが、巻き込まれてつい助けてしまった。
小さな包みの中にあったのは猫のクッキーだった。……小さいくせにお菓子作りが上手いとは、ずるいじゃないか、畜生。そのクッキーを私は――
「……じゃあ、はい」
「え? っ、ん゛んぅ! っ――!」
彼女の口に捩じ込んだ。途端に彼女は喉を押さえて倒れ込んでしまった。数秒後には泡を吹いて、死んだ。
「ごちそうさま……おいしかったよ、凄く」
クッキーを地面に落として踏み潰しながら呟いた。
法律や規制など存在しないこの世界に、正義など存在しない。
* * *
こんにちはっ。今回はグロ、エロありです。グロありの話には†印を、エロありの話には※を付けます。
まったり、のんびり書いていきます!
ごゆっくりお楽しみくださいっ。
↓オリキャラ募集中です!
〈オリキャラ〉
【名前(よみ)】()
【性別】
【年齢】
【性別】
【武器】
【備考】
サンプルボイス
「」
「」
「」
【主人公、登場人物との関係(あれば)】
Page:1
- Re: エサの時間ですよ。 【オリキャラ募集中】 ( No.1 )
- 日時: 2017/07/25 20:57
- 名前: 雛風 ◆iHzSirMTQE
episode1
私は、朝は嫌いだ。だって眩しいから。
太陽を鬱陶しく思いながら、ゆっくりと体を起こす。安いアパートの布団から出るが、すぐそこにあった壁に顔をぶつけてしまった。
「……いたい」
さすが最安値のアパート、人が入れるスペースはあれど、住むスペースは考慮されていない。このアパートに住んでいるのは私だけ。皆、住みづらくて他へ移動してしまった。
軽くあくびをして狭い室内を数歩動く。冷蔵庫の所に行くために靴を履く。コンセントは室内にあるが、置くスペースがなくて外へ置くしか方法がなかったのだ。仕方ないだろう。靴を履き終え、ドアを開けようとすると誰かが先にドアを開けた。
開かれたドアの先には見知った顔があった。少年1182、私の知り合いである。
「お? あ、おはよ、105。相変わらず狭い部屋だなー」
「所属名を付けないと誰か分からないよ」
「良いじゃん、見た目で少女って分かるんだし」
この世界では人は等しく家畜であり、固有の名前を持つことは基本的に許されていない。
よって各々に番号がつけられる。それも名前≠ニ呼べることには呼べるが。
番号の前には所属名≠ニ呼ばれるものが付く。男なら「少年」、女なら「少女」だが、その呼び名に年齢は考慮されていない。つまり何歳であろうが呼び名は少年少女なのである。私の知り合いには、八十九歳のお爺ちゃんがいるが彼は「少年9174」だそうだ。
番号は若いから早生まれという訳ではない。生まれたときは適当に付けられるが、十六歳の時に自分で新しく番号を決めることになっている。車などのナンバーと一緒で何番でも申請できるが、あまり桁が多いと呼びにくいため周りから嫌な顔をされるので注意が必要だ。
彼、少年1182は1182(いいやつ)のように語呂で決める人が多い。
Page:1