大人オリジナル小説

『紅』と『白』の[キョウカイセン]<1>
日時: 2018/08/31 18:03
名前: ピノ&咲
参照: http://akasiro@pino.sakuya

この世界は、2次元と3次元が混ざった世界。

*

…ローブで体を隠した少女が一人。
「____ここか。」

*


「ハイ!皆さんはじめまして♪私は新たなるイカした少年少女達を教育する者…海月 由酒!うみつき先生って呼んでね!」
満面の笑みでくコ:ミ即席学級の担任:海月由酒(うみつき ゆす)が朝の運動場に立っている。
「「「はーい!よろしくおねがいします、うみつきせんせー!」」」
まだイカ→ヒトの変換もあまり得意ではない年代のイカ達が集まっている。
「挨拶が済んだ所で、さっそくバトルの基礎の事を覚えましょうね!」
ザワザワ
「ねーね、楽しみだね!」
「おれチャージャー?やってみたい」
「あたしローラーがいいな♪」
今から始まる体験会にワクワクを隠せない子ども達。

「ハイハイ!皆さん落ち着いて。それでは今から10分間、武器を触ったり見たりしてください!はじめ!」
先生の声により、子ども達は蜘蛛の子のように武器に食い付いた。

5分後

「さて…そろそろアドバイスとかしにいこうかしら。」
休んでいた体を立ちあげる。

無邪気な声が聴こえた。
「あ!うみつきせんせ!みてみて、ローラーうまくなったよ!」
「せんせー、こいつおれにすっごくインクかけてくるんですけどー!わっ!やめろってーー!」
「ふふふ♪麻里ちゃんは凄く使いこなしてるわね!将来が楽しみだわ♪」

困った顔の子にも行く。
「せんせぇ…チャージャーすげーむつかしーよぉ…」
「そういう時は、こうやって…」
構え方、エイムという言葉等、チャー使いのいろはを教えてあげた。
「……?…ふんふん」
よくわからないという顔をしていたが、一生懸命理解しようとしていた。これだから子どもは可愛い。

ひとり。

困りもせず、喜びもせず、

武器をにらみながら

ぶつぶつ言っている少女がいた。

「貴女は…しのちゃんね、どうしたの?チャージャーの使い方がわからないの?どんどん質問していいわよ♪」
笑みを浮かべながら問う。

「…………」
鬱陶しそうな顔で、まるで『あっち行け』と言われている見たいな目で返された。

「…あっち、行ってください。いま、かんがえてるんですから。」
言われたーー!場合によってはヤバい展開になる時もあるからそれなやめといたほうが良いよーー!!
…とか思ってる間に、その子は違う場所に走って去って行った。

遠くでポツンと、
「___これ、ほんとに、【初代】がつかってたのかな。」


「……ハッ!もう10分じゃない!?みーんなー♪戻って来て、次の事するわよ!武器はこっちに戻してねー♪」
「「はぁい」」

*

「今から、皆んなが楽しみな……そう!実戦練習の時間ですよ!!」

ワァ…!!
「たぶんこのなかでわたし一番うまいとおもう!!」
「うそつけ!おれだよ!だって先生に色々教えてもらったからな!」
「あたし、叉菜ちゃんとやりたいー」
皆それぞれの意見をあっちこっちで言っている。
「では、ペアを1-1で組んでね♪2分間ですよ。」
「「おーー!」」

二分後

「皆んな、決まったかしら?」
2、2、2…あ、一人余ってるわ。さっきの子じゃない!
「ではしのちゃんは先生と……」
「せーんーせっ!男子でゆーくんがあまってるよーー!」
ゆーくん……?あ、本当ね。
「あらら、ごめんなさいね!じゃあ、しのちゃんとゆーくんで組んでもいぃい?」
「…べつにいいけど。」
「いーよ。知らないけどね」
釣れない反応!始めちゃうよ!?いいのー!?
「決まった所で、始めましょう!!今から3分間、煽り、馴れ合い、暴力うらみっこナシですよ。では……」

『始めッ!!』

*

フゥ…しのちゃんはどうしてるかしら?


「ぜったい、負けない。わたしの【初代】のためにも!」

「ふーん!なんのことかわからないけど、ほんきってことだね。」
バシュウンッ!
ビシャアアァッ!
ヒョイ ヒョイ
バンッ!
ビャッ!

「…………え??」
機敏で素早くて格好いい技、ずらし打ち、時間差ローラー…子どもとしておかしい戦法が次々と繰り出されている。
「っ。うざいねきみ!」
ストレートォ…それやめようよ…
と思ってたのもつかの間。
バリバリバリ!!!
「!?」
思わず声が出てしまう。
だって…本来インクで戦うハズの運動場に、

雷が墜ちたから。

「はんそく!めにわめを!」
なにあれ、おっきい盾…??雷を、はねかえしている。

「なにあれー?」 「すげー…」
純粋な子ども達はうっとりと眺めている。

12.11.10...あら。
「みんな!あと10秒よー!!!」
ワーー!オオォウ!!!
再び元気な声が聴こえ始めた。

「…はねかえす?そんなのかわせるよ。」
ヒョイ
「あっそぅ。なんだか俺のおさななじみ?ににてる。おまえ。」

3.2.1.....0!
「終わりよーー!!家に帰りなさい。次の開催日は……」
次の開催日にはあの子は来なかった。
*

「……疲れたな。なにあいつ…」
私は朝日菜死野(あさひな しの)。
なんとなく暇だったので偶然開催していたこのイベントに参加してみたけど、やはり私と相手をする変わり者はいなかった。ゆうと名乗る奴も無理矢理だったし。
「それにしても、…なんかにてるな。あいつに。」

*

「ただいま」
「や。お帰り しの。」
藍色で目が青く、ペンダントをさげた猫が出迎える。
「何か収穫はあったかい?」
「ほんとに初代はあれつかってたの?」
「僕はあんまり使ってるの見たことがないからねぇ…でも、使ってたのは間違いじゃないらしいけど。」
「…もう死んじゃったから聞けないもんね。」
死人は口も耳もない。ただ、それだけ。

ガチャ
「疲れたぁ…早く会議して飯食おうぜ。」
あいつは、朝陽菜 勇(あさひな ゆう)だ。
「おそい、勇。早く会議しよ。」
髪の毛…正確にはゲソを一つに束ねた。私はいつも『会議』の時はこうだ。
勇も、髪型を会議の時は特別に変えている。

「では、始めようか。」
「我らが『紅い月』の…」
「会議を!!!!」

***

続く。

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