大人オリジナル小説
- 時雨、捕まる
- 日時： 2019/12/26 01:31
- 名前： 山本蒼紫
時雨の本のお陰で、迷惑をかけられたり困っているという苦情が沢山寄せられている。
その声の一部をお聞き頂こう。
「何か時雨ってズルばっかりするじゃない。ああ言うのって僕嫌いだな」
「時雨の本って何か役に立つの？」
「よく『の』の字を『ｅ』って間違えるじゃない。うちの子が間違って覚えたらどう責任取ってくれるんだよ」
「ちょっとはさー、いい事の一つもしたらどうなのよ」
「もう漫画みたいな本はダメダメ。絶対ダメよ。だって教育上良くないんですもの」
「大体ね、悪者なのに子供の本の主役になってるなんて事が許されていい訳？」
「妖怪学校の変な奴らを引き連れてさ、か弱い子供を脅かそうとするだろ。酷いと思うぜ」
「あいつさ、御地なのにさ、いつも歌って出てくるじゃないか。俺、耳がおかしくなっちゃうんだ。やめさせてくれないかな」
「下品な言葉ばかり出てきてうちの正春ちゃんが悪い言葉を覚えて困ってしまいますわ」
「チョコレートなんか食べる時、嫌しんぼな食べ方するでしょ。あれ困るんだよ」
あまりにも被害者の数が多いので、ＳＫ警察も黙って見ている訳にはいかなくなった様だ。
- Re: 時雨、捕まる ( No.1 )
- 日時： 2019/12/26 01:34
- 名前： 山本蒼紫
『指名手配：時雨 この顔にピンと来たらＳＫ警察へ』
かえる「あっ！時雨先生のポスターだ。」
がま「時雨先生、選挙にでも出るの？」
時雨「こいつは指名手配のポスターだよ。僕のイタズラにとうとう警察も黙っちゃいないという訳か。あははははは、これは名誉な事だよ。」
時雨は指名手配のポスターを記念に何枚か剥がして持って行く事にした。
時雨「♪僕、悪の大天才指名手配だ お尋ね者だ 捕まえられる者ならばいつでも来て 待ってるよ♪」
かえる・がま「♪そうだ そうだよ 時雨先生はかっこいい ひらりひらりと身をかわし そう易々とは 捕まらぬ スッポコペッポコポコポコピー♪」
と、元気に歌いながら時雨が１６枚目のポスターに手を伸ばした時・・・
ガチャリ
二人の警察官が時雨に手錠をかけたのだ。
ＳＫ警官１「警察のポスターを剥がすなんて、とんでもないこそ泥野郎だよ！！」
かえる「こそ泥だって？」
かえるくんが怒って飛び出した。
かえる「この方を何方と心得る。悪の限りを尽くすイタズラの王者、時雨様だぞ！！」
時雨もこれに答えて、
時雨「そうだよ。僕の正体を見て驚き、おしっこちびらないでよ。」
得意気に艦娘に変身した。
ＳＫ警官１「あれれー、このポスターと同じ人だー。」
ＳＫ警官２「やったね、相棒。こいつは大手柄だよ！！」
嬉しくなった二人の警察官はそのまま時雨達をミニミニパトカーにくくり付け、警察署に連れて行ったのだ。
時雨「な、何てこったー。」
ＳＫ警官１「悪いね。このミニミニパトカーは二人乗りなんだよ。後ろから入ってついて来て。」
ＳＫ警官２「お陰で警部になれるかもね、相棒。」
〜毎讀新聞〜
時雨、捕まる！！
〜あのイタズラの天才があっけなく捕まる！〜
イタズラの天才、悪の王者と自分から名乗る時雨（１０９歳）が自分の指名手配ポスターを
剥がしていた所、ミニミニパトカーで巡回中の警察官二人に取り押さえられた。
あまりのあっけない捕まり方に、時雨本人が一番ショックを受けているらしい。
『ふてぶてしい時雨』
〜独占取材時雨のインタビュー〜
「こんな間抜けな捕まり方で、ファンの皆様をがっかりさせた事を申し訳なく思っているよ。
これを挽回する為、一刻も早く刑務所を脱走してあっと言わせてやるよ。楽しみに待っているんだね」
と、今までの悪事の数々についての反省の色もなく、ふてぶてしい態度を取り続けている。
〜お手柄警官、二人とも仲良く警部になる〜
時雨を捕まえたのは、この地域を担当しているホタルさん（２８）とアオリさん（２８）。
時雨を一目見た時、「あっ、こいつは時雨だね、とピンと来ました」と、ホタルさん。
「大暴れして大変でしたが、格闘の末取り押さえました。今考えただけでも
あたし達カッコ良かったです」と、アオリさん。このお手柄誰に知らせたいかという質問に
二人とも「田舎の父と、母です」と嬉しそうに語っていた。
この二人は警視総監賞と共に揃って警部に昇進する事も決定した。
これを受け「これからも犯罪防止の為に力を注ぎ、平和な世の中にする為努力します」と力強く語った。
『アオリさん』『ホタルさん』
〜時雨、脱獄不可能刑務所に５年間〜
反省の欠片もない時雨達は、５年間キャラクター刑務所に入れられる事に決定した。
この刑務所は、漫画や子供の本に相応しくないキャラクターを立派な良い子のキャラクターに
教育し直す為の刑務所だ。この刑務所を逃げ出そうとした者は何人もいたが、あまりの警備の厳しさに
未だ一人として脱獄できた者はいない。これがこの刑務所長の自慢でもある。なお、この刑務所には
どうしようもないキャラクターをこの世から消し去るという恐ろしい最終兵器があるという噂もある。
追伸『時雨が捕まった時、そばにいた事情子分のかえるくんとがまくんも
時雨に関係ある者として、ついでに捕まえる事にした。』
『桃白白刑務所長』『かえるくん』『がまくん』
〜『解決時雨』の本、５年間お休みのお知らせ〜
皆さんも新聞を読んで、お分かりの様に時雨は刑務所送りとなりますので
時雨が出て来るまで時雨シリーズはお休みになります。
作者「今までの本の小説もひょっとして発売禁止になるかも知れないぞ。持っていない本は今の内に速めに買っておこう」
〜終了〜
桃白白「ようこそ、時雨。私がこの刑務所長の桃白白だ。始めに言っておくが、ここは逃げ出せた者が一人もいない脱獄不可能な刑務所なのだ。逃げようなんてつまらん考えは起こさん事だな。さて、明日からこの私が君達を教育する事にになる。ここを出るまでに、良い子の時雨として大人の皆さんからも褒められる、立派なキャラクターに心を入れ替えてもらうからな。ガハハハハ。」
桃白白所長は高らかに笑った。
さて、次の日から早速時雨達のお勉強が始まった。
桃白白「これから五年間、君達にやってもらうお勉強とは大体こんな所だ。」
時雨「ん？どれどれ。」
〜先生やお父様、お母様が喜ぶ理想の時雨とはこれだ！！〜
Ａ：喧嘩をしたり、暴力を振るわない様にするお勉強
・優しい性格を身に着ける。
・鼻や耳が尖っていては危ないので、丸みを付けて優しい印象を与える。
・意地悪そうな目はやめて、穏やかな顔になるよう勤める。
・牙をむき出すのはやめる。
・みんなに好かれる爽やかな服装に気を使う。
Ｂ：言葉使いを直すお勉強
・パパ・ママと呼ぶのはやめてお父様・お母様と呼ぶ。
・下品な言葉、悪い言葉は決して使わない様にする。
禁止される言葉：うんち、おしっこ、おなら、ばかもーん、ちくしょーなど
・ニヒニヒ笑いをやめる。
悪い例『ママー、見ててよ。僕、悪の王者になってみせるよ〜』
良い例『お母様、僕を見ていて下さいね。僕は立派な科学者になり、世の中の為になる事を致しますからね』
Ｃ：立派な性格を身に着けるお勉強
・わがままを言わない。
・おねだりをしない。
・好き嫌いを言わない。
・お手伝いとお勉強が大好きになる。
なお、お母様を大切にする気持ちは今まで通りで宜しい。
Ｄ：お友達の選び方のお勉強
・ファミコンや、漫画の好きなお友達とは仲良くならない。
・怪獣や、お化けの好きなお友達とは話をしない。
・頭の悪いお友達（例えばかえるくんとがまくん）とは付き合わない。
そこで、かえるくんやがまくんにも良いお友達になる為のお勉強をしてもらいます。
〜終了〜
桃白白「そして、君達にこの様な子供のお手本になる立派な本を出してほしいのだよ。分かってくれるな。」
『解決時雨の宿題早めにやろうよね』
あらすじ：学校から帰って来た時雨は遊びに行く前にちゃんと宿題をやっていくので、いつも褒められている。
『解決時雨の大勉強』
時雨が遊ぶ暇を惜しんで算数の計算を解いていく、心温まるお話。（国語編・生活科編・英語編もあります）
『解決時雨のお手伝いだーい好き』
お母様へ：この本をあなたのお子様が読めばお手伝い大好きになるに決まっている。
『正義の味方ゾロリーマン』
見所：時雨が正義の味方になったので世の中は平和になり、始めから最後まで何の事件も怒らない平和な絵本。
『解決時雨のファミコンしない子、素敵な子』
あらすじ：時雨はファミコンばかりしている子供からファミコンを取り上げていく。
すると子供達は、みるみる学校の成績が良くなり感謝されたのだ。
時雨はその本を見ると、気分が悪くなった。
時雨（うへーっ、あんな本の主役にされちゃたまらないよ。僕はぜーったいここを抜け出して見せるからね！！）
そう、心の中で堅く誓ったのだ。
かえる「僕達、どんな役なんだろう。」
がま「出番あるかな？」
牢屋に戻ると、早速時雨は自分達の持ち物を調べてみた。ここから抜け出す為の道具はないか調べる為だ。
時雨「僕、艦娘に変身した時、荷物を置いて来ちゃったんだよ。持っている物と言えば、ポスター１６枚だけなんだよ。」
作者「時雨が剥がしたポスターは時雨が捕まってもういらなくなってので、所長が１６枚全部くれました。」
〜かえるくんの風呂敷に入っていた物〜
・線香花火
夏の花火大会の時、１本だけ残しておいた。
・１００円ライター
野宿する時、火を起こすのに必要。
・アイスクリームの当たり棒
大切に取っておいたけど、このアイスクリームは発売中止になったのでもう取り替えてくれない。
・どんぐりで作ったコマ
・貝殻
「貝殻」と聞くとロマンチックだが、お味噌汁に入っていたあさりの貝殻。
・ミサンガ
「恐怖のサッカー」の頃から持っている。
・拾った針金
洗濯物を干す時使える。
・洗濯バサミ６個
・救急絆創膏
よく怪我をするからね。
・ミニカー
「大海賊」でパルからもらったミニカー。
〜がまくんの風呂敷に入っていた物〜
・コーラの栓と牛乳瓶の蓋
中々捨てられなくてね。
・トカゲの尻尾２本
トカゲを脅かしたら置いていった。
・黒いビニールテープ
・カードダスのカード８枚
・ティッシュ
道で配ってた。
・カブト虫の角
何だか強そうだから、僕のお守りだよ。
・手鏡
身だしなみは大切だからね。
・ミニカー
僕もパルからもらったよ。
・ギョウザのミイラ
後で食べようと取っておいたら、いつの間にかミイラになっていた。捨てるに捨てられない。
・おならサイコロ
「ボードゲーム」についていた。暇な時にこれで遊ぶ。
〜終了〜
時雨「ふーっ、どれもこれも役に立ちそうもないものばかりだよ。ヤスリでもあれば鉄格子を破り、外に出られるのにね。」
時雨が深いため息をついた時・・・
かえる・がま「ヤスリなら僕達が持ってるよ。」
かえるくんとがまくんが声を揃えて言った。
時雨「な、何だって。何でそれを早く言わないの。僕が看守を見張っているから、そのヤスリで鉄格子を破るんだよ。急いで！！」
かえる・がま「はあーい。」
