10.「総一郎でいいじゃん、もう」「何のために名前聞いたんですかぃ?」「うーん・・・なんとなく」想像した通り、面白い人だった。「銀兄、でいいんですかねぃ」「お前が望むんなら、別にそれでもいいけど」気だるげな、でもよく通る声、間の抜けた、けど整った顔、ぼさぼさだけど綺麗な髪。今日から全部、俺の横にいるんだ。あの憧れだった坂田先輩の横に。『一時だけでもいいから、他愛のない話がしたい』なんて言う夢だって、叶うんだ。――・・・すごく、幸せ。