19.ばしゃ、とシャワーで誤魔化すように。静かに静かに、ばれないように。俺はそのとき、風呂場で泣いた。「俺って・・・やっぱ、嫌われてんのかねぃ・・・」気付かないで、気付かないで。お願いだから。この思いは、許されないことだと知っているから。――何で、好きになってしまったんだろう。あの頃のような俺なら。憧れで済ますことができただろうに。「銀兄・・・ごめっ・・・なせぇ・・・」好きに、なってしまった。――兄で、先輩で、大切な人でもあるあの人の事を。