大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: (BL)現妄実想((げんじつともうそう))【キャラクター投票 ( No.109 )
- 日時: 2011/07/06 19:35
- 名前: aki 秋元 aki
- 参照: 公衆電話と国際電話って違うんだ。
「・・・帰る・・・」
呟くように言った黒澤はそのままカバンを手に歩き出す。
心なしか不機嫌そうに見えるのは気のせいだろうか?
黒澤が歩き出しても、オレはその場から動けずに居た。
このままだといけない気がしたのだ。
「・・・水都?」
帰らないのか?とこちらを振り返る黒澤にオレは困惑気味に言った。
「ぇーと、黒澤・・・。この状態で家に帰るって、どうよ?」
オレの言葉が終わると同時に彼は教室中に目をはしらせる。
その1、黒澤にけられた青年が倒れている。病院にいったほうがいいと思う・・・
その2、オレが股間をえぐった2人の青年がまだ転げまわっている。
その3、春が自分を取り押さえている一人の青年と喧嘩中。原因不明。
その4、黒澤のすぐ横で細い青年が入部希望用紙を突き出して何かを叫んでいる。
その5、青年達は先輩である。
オレはオレと黒澤をニヤニヤ顔で観察している先輩一人をのぞく全てに眉をひそめてみせる。
「あんなの、ほっとけ。」
しかし、黒澤はオレの気もしらず歩き出してしまう。
コイツは常識があるんだか無いんだか・・・
ぃゃ、無いだろう。
オレは大きなため息をつきつつ春の方へ歩み寄った。
――黒澤とは別に一緒に帰る、とか約束してないからいいよな。
そんな事を考えつつ二人の口論を止めるために口を開きかけたときだ。
突然腕を掴まれた。
―黒澤だ。
「・・・なに?」
少し不機嫌そうにたずねてみるオレ。
黒澤はそんなオレをお構いなしにぐいぐいと引っ張りつつ教室の出口へ向かって歩き出した。
「っちょ!・・・ぉぃ、黒澤!」
「・・・帰るって言ってんじゃん。」
「帰るって、別にオレお前と一緒に帰る約束してねぇし!」
怒鳴る俺。真顔の黒澤。
そんなやり取りを繰り返しながら、オレとヤツは学校を出た。
「だいたい、何でお前と一緒に帰らなきゃいけないんだよ!?」
「水都、俺の奴隷。当たり前じゃん。」
「オレ等はカップルかっての!」
黒澤は何かがオレとずれている。
最初からうすうす感じてはいたが・・・・・・
これはもう致命傷だ。
だいたい奴隷=一緒に帰る、っていう発想が分からない。
・・・まぁ、奴隷って発想も意味不明だけど。
オレは黒澤と話してる途中も何故か高鳴る心臓を意識していた。
理由は本当に分からない。
・・・オレ、別に心臓病とかかかえてないしなぁ〜?
疑問に思いつつ歩いていれば黒澤が思い出したように言う。
「あ、忘れ物した。」
すごく面倒くさそうな顔の黒澤にオレは何気なくをよそおって言った。
「大変だな。いってらっしゃい―。」
半分棒読みのオレを黒澤がムッとしたように睨んだ。
あまりに、鋭い睨みだったので、オレはつい後ずさってしまう。
「・・・な、なんだよ?」
「・・・・・・ぃゃ、別に。」
最近の黒澤は分からない。
首をかしげるオレを黒澤は一瞬で自分の下へ引き寄せる。
「!?」
ビックリしたが、その後の黒澤の行動の方がびっくりした。
オレをぬいぐるみのように強く抱きしめた後、『キから始まりスで終わるあれ』をしてきたのだ。
オレは何故か壊れそうになる心臓に困惑していた。
しすぎて声すら出ない。
力で離れようとしてもやつには叶わない。
だいいち、男同士だぞ?オレたち・・・・・・それなのに、こんな・・・
そう考えた瞬間、涙があふれそうになった。
でも、我慢だ。
正直にいえば、確かにオレだってこういう事を考えたことはある。・・・悠斗限定で。
でも、それはオレが悠斗の事が好きだったからだ。
そう考えると、黒澤は明らかに対象外だ。相性最悪だし、だいいち、ホモがそんな身近に何人もいるとは思えない。
オレの中で肺がペチャンコになるほど酸素を欲したときだ。
黒澤がそっと唇を離した。
とたんにハァハァと息を必死に吸い込むオレ。
パシャッ
何かの音がすぐ目の前でした。
――なんだ?
音の正体を目だけで探すと数秒もしないうちに見つかった。
カメラだ。
黒澤が携帯でオレの写真を撮った音だろう。現に今もオレに携帯を向けている。
「っふざけ、んなぁ!」
あわてて携帯を奪おうとするが、やつはそれを素早くポケットにしまってしまう。
「・・・・・・今日はこれくらいにしとく。でも、次は無いと思え。」
捨て台詞と同時に走り出す黒澤。
オレは怒りのあまりそこ等へんに落ちていた葉っぱをヤツの背中へ投げた。
当然、届かなかったのだが・・・・・・。
「っちくしょう!」
オレは悔しさのあまり地面を蹴った。そして駆け出す。
さっきの出来事を誰かに見られでもしていたら大変だと思ったからだ。
走っている途中、オレは不思議なくらいに高鳴る胸を両手で押さえてみた。
でも、鼓動はやむことを知らず。さらに大きくさえなっているような気がした。
いったい、これはなんなのだ?
自分でも原因が分からず、オレの不安はイッソウ濃くなるばかりだった。
〜〜〜〜★☆〜〜〜〜
「・・・・・・コイツ、誰?」
青樹水都が走り去った道の角に隠れていた青年が小さくそう呟いた事は、誰もしらない事実である。
少年は携帯電話で『さっき撮った写真』を睨むようにみた。
黒澤が手前で誰かが奥、の状態で二人の顔が重なって見える画面。
おそらくキスをしているのだ。という事は誰にでも予想が出来るだろう。
すると突然、後ろから声がかかる。
「清野、そこで何してる?学校まで行って探した。」
低く鋭い声の主の方を振り返り、青年は笑顔になる。
「別に!なんでもないです。それより、帰ろう!洸先輩。」
小柄な、高校一年生の青年と身長高めの高校2年生はそのままゆっくりと歩き出した。