ちゅ
にしても・・・フレンチキス。
「お前・・・」
「・・・悪い、彰気持ち悪いだろ?俺・・・」
「いやそんなことはない。キスするならさもっと、」
「っ!?」
「ふ・・・あき・・・っ」
「こんくらい・・・」
ゴスッ
痛い!!殴られた!!告られたのに殴られた!?
「てめえ・・・俺をからかってんのか!?」
こいつは言葉にしないとダメか・・・
「俺は本気でお前が好きみたいなんだよ!悔しいけど・・・ホント憎たらしいけど、俺は女の子が好きなんだよ!!なのに・・・俺・・・ていうかホントお前も俺を殴れ!!!」
「落ち着け!!とにかく落ち着け、言ってることぐちゃぐちゃだぞ!な、大智!・・・大ちゃん!」
「っ!からかうなって・・・」
「なんで落ち着くの大ちゃんで」
「笑うな・・・あっちゃん」
「ばっか、俺は大変落ち着いてるっつの、わざわざ言うなってかぶってんだから」
「かわいいしいいだろあっちゃん、かぶってたって」
小学校からの幼馴染。腐れ縁ってやつ。大っちゃん、あっちゃんなんて呼び合って・・・そうともだち。少なくとも彰はそう思ってたんだろうけど・・・俺はただの友達とは思ってはいなかった。
俺はなんで男なんだろうと思うほどに、俺はこいつが好きだった。こいつは女の子が好きだった。つまり普通だ。
俺も普通になりたかった
願い事はずっとそれだけだった
そんなこんなでずるずるとこんな年になって、突然これですか、大っちゃん・・・俺は期待していいんですか?
「大智・・・」
「・・・はは、わかってるって、きっと疲れてるんだ・・・ってそう言いたいんだろ?」
違う!違うけれどもし仕事で疲れてとかそういう理由だったら・・・俺勘違いも甚だしいぞ・・・ベロ入れちゃった・・・
「黙んなって」
「いや・・・その」
「・・・悪い」
いや、待って、大智・・・!
くっそ、なんで大智みたいに俺には勇気ってもんがないんだ
このまんまの関係壊すのが怖いってそんな女々しいことばかり
「大智!!待てって、おい!」
そして大っちゃん泣いてるし・・・
「んだよ」
「泣くな」
「泣きたくもなるわ!!」
「・・・もー大ちゃんは鈍いな!!こっちがどれだけ今まで泣いてきたか知らないだろ!」
「なんだよいきなり?」
「ずっとずっと、ちっさいときからずっと俺・・・」
「彰・・・」
「おれ・・・!!」