言いたい・・・けど・・・・・
「・・・あきら、あのさ・・・」
「なに?」
「とりあえず元いたところに戻ろう?」
お手手つないで夜の路地でこんな見つめあったらそらホモだろう
「わ・・・悪い・・・」
手をグイッと引っ張られて、元の路地裏へ
あーほんと大智君は小さいころから頼れるイケメンだなー
「優しいお前のことだから、悩んでんだろ?」
「違う」
「違わないだろ?」
「違う、大智、お前本当に俺のこと好きか?」
「・・・ああ、くやしいけど」
「俺と・・・エロいことできるくらいに?」
「な!?いきなり何言ってんだ・・・?」
俺・・・何言ってんだ!?普通に好きでいいじゃねーか、なんで暴露してんだ俺は・・・!!?
「俺は!小さいころから!お前を・・・その・・・そういう対象として見てきて・・・つまりだな、俺はずっとお前が好きで、夢だったり妄想してきたのでありまして、この現実が信じられないと言いますか・・・むしろ夢なんじゃないのかと・・・」
「・・・んな、お前・・・まじ・・・?」
真っ赤に染まる大智。この顔を見て信じない俺もどうかしてる
中学の時のあの顔
思い出す
どうして俺は女じゃないのかと
あの顔を向けてはくれないのか
ずっとそう思ってきた
「大智・・・俺、覚悟できてないんだ、お前に拒まれたらと思うと・・・でもさ・・・お前のことが好きだから、その・・・もう一回キスしたい」
「あ・・・・・・ふざけんな・・・何も、俺だってさっきキスしたし」
「なんでそのあとキスしたのにお前はからかってるなんて勘違いしたんだよ」
「それはだってお前がそういうやつだからだろうが!モテ男の優男!!」
「優しいっていうか苦手なんだよ女の子・・・お前の方が人気だっての・・・自覚なしかよ・・・俺がどれだけ気が気じゃなかったか、誰かと付き合って結婚して子ども産まれて、俺家に招かれたりとかして、子どもだいたりとかしておめでとうとかお前に言って・・・」
やべ・・・泣きそう。どれだけ俺がお前宛のラブレターもらったと思ってんだ。大智の鈍さはホントどうしようもなくて、困る。
「泣くなよ」
「ばか、お前じゃあるまいし泣かねーよ」
そのくせこういう時ばっか気づく。
「彰・・・今まで、その、なんかごめんな?」
「おう」
「彰、俺もキスしたい・・・」
待ちに待ったこのときが、大智が俺のことを好きだと言ってくれる。男の俺を・・・
「いいのか・・・?」
「お前はホント優しいっていうか奥手っていうか・・・」
「うっせ」
ちゅ
「ベロも入れていいの?」
「・・・聞くな!!このむっつり・・・ん」