大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: カゲプロR18とか書いちゃう← ( No.457 )
- 日時: 2014/11/08 22:41
- 名前: 真・まっしゅ
ひたり、となにかが目を覆って、視界が真っ暗になる。
……これ、は。
「だーれだ?」
「……カノ」
「正解!」
ぱっと目から外される手。後ろを振り返れば、カノがにこにこと笑っている。
――やっぱりか。
俺は心の中でそっと呟く。
なぜかは分からないが、カノはこうするのが好きらしい。
最初こそ驚いていたものの、今ではすっかり当たり前のことになっている。
慣れって恐ろしい。
「――シンタロー君」
「なんー……ぅわっ!?」
突然ぎゅう、と後ろから抱きしめられ、つい大声が出てしまった。
その反応が面白かったのか、カノはくすくすと笑っている。
「わ、笑うなよ!」
「ははっ。ごめん、ごめん」
「全然謝る気ないだろ。つうか離れろ、暑い」
「えーいいじゃん、僕こうするの好きだし」
「シンタロー君は嫌なの?」なんて聞かれたら、なにも言えなくなる。
別に嫌なわけじゃない。むしろ嬉しい。でもそう言うのは恥ずかしくて「別に」とだけ言っておく。
――くそっ…我ながら素直じゃねぇ。
カノも分かっているのか、はいはい、といった様子でさらに強く抱きしめてきた。
あ゛ーもう、恥ずかしい……。
顔を見られたくなくて俯いていると、ふいに名前を呼ばれて振り向く。
「ん、セト?」
「そっす。ちょっと頼みごとあるんすけど、いいっすか?」
「ああ、いいぜ」
頼まれごとなら仕方ない。
こっちへ来て、というように手招きをされ、そちらへ向かおうとするが。
「……カノ」
「……なに」
「腕、離せ。セトの方に行けねぇじゃねぇか」
「行かなくていいじゃん。っていうかさ、セトも何で邪魔するわけ?」
「別に邪魔してないっすよ。ちょっとシンタローさんに頼みごとするだけっすから」
「そうだ。少しだけだから、な?」
そう言っても納得しないカノに痺れを切らし、半ば無理矢理腕の中から抜け出す。
「シンタロー君、」
「すぐ終わるだろうから、少し待ってろ」
「…………」
まるで泣きそうな顔をしたカノに、胸の中が罪悪感でいっぱいになる。
でもここで留まってしまったら、了承した頼まれごとをしないことになっちまう。
それはセトとの約束を破ってしまうようなもの。
自分で了承したんだから、きちんとやらねぇと。
「少しだけだから」
もう一度そう言ってセトの方へ向かう。
この時、カノに背を向けていた俺は、カノがどんな顔をしていたのか知らない。
【next.】