大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- けんくろけん、死ネタ注意でござる ( No.12 )
- 日時: 2014/07/12 22:54
- 名前: 鑑識
最近死ネタにハマっておるのじゃ。
クロの笑顔がある。
無機質な薄っぺらい額縁の中に、トサカ頭の笑顔がある。
喋らなければかっこいいのに、なんてよく言われた、整った主将の笑顔がある。
いつまで経っても動かないままの、クロの、笑顔が、ある。
あれはいつのものだろうか。きっとクロの家で、クロのお母さんに二人で写してもらった時のやつだ。
「ねぇ、クロ」
薄っぺらな笑顔にボソりとつぶやいても、そいつは変わらず笑顔のままだ。
「なんで、クロ」
ねこを助けた彼は、トラックにひかれて死んだ。
劇的な事など、奇跡など、何も起きずただ、唐突に。
「もっとバレーするんでしょ。めんどくさいけど、自主練付き合うのに」
あのうさんくさい笑顔が、自分の前でだけ屈託の無い物になるのが、いつしか快感となっていた。
生きがいとなっていた。
彼を好きな理由の、大きな要因となっていた。
「大学行ったらいっしょにすむって言ったじゃん」
涙はこぼれない。
ただ単に自分の中で彼の存在はその程度のものだったのか、涙が枯れてしまったのか、悲しいという感情をどこかに忘れてきたのか。
きっと、そのどれでもないのだ。
自分はきっと、彼の死を認めたくはないのだ。
「なにしんじゃってんの、ばかくろ」
クロの笑顔がある。
自分を好きだといった、クロの笑顔がある。
よくわかんねーですね。
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