大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: ハイキューBL ( No.34 )
日時: 2014/07/31 19:23
名前: 鑑識

ごめんねはるさん、断固受け派のあなたへのアンチテーゼとして月大です。






誰にでも優しいあなたは、きっと誰にでも残酷なのだろう。

それはもちろん、彼のことを特別視する自分にも例外無く襲い来るものであって、彼と付き合いを持つ以上、避けられるものでもなかったのだ。
それはまぁ、わかっていたつもりだったのだけど。







全力で叩きつける旭さんのスパイクに、こちらも二枚のブロックで立ち塞がる。合宿でとさか頭から学んだブロックの術を試そうとして、違和感の残るまま掲げた指の先を、爆音と共にボールが弾け飛んだ。



となりを飛んだ王様は軽く舌打ちをして、「もう一本!」と元の配置へと戻る。
一連の流れをひと段落した自分はオレンジ色のふわふわと入れ替わって、ひとつため息をいた。




掠めた左の薬指がじりじりと焼けるように痛む。
やはり中途半端な出来は一番危険だという話は本当のようだ。



めんどくさ。



鈍い痛みに顔をしかめると、それを目敏く見つけたキャプテンに、腕を取られた。




「あーやっぱり、指いっちゃったか」

「大丈夫です。後でテーピングするんで」

「あーいいや、どうせもうすぐ休憩だし、今やっちゃおう」

「あ、ちょ」



ぐいぐいと半ば強引に腕を引かれ、連れて行かれたのは黒髪のマネージャーのもと。
テーピングを一つ受け取ると、体育館の脇のドアから少し出たところに座り込んで、右横をぽんぽんと叩き示した。座れと言うのだろう。



今さらの抵抗は無駄だと判断し、素直にとなりへと腰掛ける。

ん、と仰向けに向けられた手の平を見て、触れるか触れないかの距離感で痛みを発する左手を乗せて。
やさしく握り止められ軽く驚きを示した僕に、大地さんはくつくつと笑った。あぁもう、調子が狂う。



「早めにやっておかないと、酷くなることもあるからな」

「....りがとございます」

「いんだよこれくらい。むしろ月島にはもっと甘えてもらいたいくらいだ」




慣れた手つきで俺の薬指をくるくる包んでいく。
クリーム色に染まっていく指を見つめながら、彼の台詞を反復した。

甘えても、良いのだろうか。甘え方なんてとうの昔に忘れてしまったけれど。



「あの、」

「キャプテエエエン!!どこですかああああ!!!」



ふと、少し遠くの方からオレンジ頭の声が聞こえた。

かなりの大音量に驚いたのは自分だけではなかったようで、目を見張ったキャプテンは俺のクリーム色と声のした方向を交互に見て、最後に俺の目に視線をよこした。


「........行ってきてください」

「あーでも、中途半端だし....」

「ほんとはこのくらい一人でもできるんです。ほら、読んでますよ」

「そうか、悪い。じゃあ後それ、誰かに結んでもらうかどうかして」



もう一度悪いな、と肩を叩いて、声のする方へと駆けていく。

取り残された僕はぶらりゆらりと半端になったテーピングをじっと見つめて、それからため息をついた。



あれ、さっきなんて聞こうとしたんだっけ。


あぁそうだ。



「甘えるって、どうしたらいいんですか」
なんて、



恥ずかしい質問を、投げかけようとしたんだっけ。




ぶらりゆらり、揺れるクリーム色が嘲笑っているような気がした。






あぁほらまた、あなたの優しさが僕を傷つける。









毎度のことながらよくわからんですね