大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: ハイキューBL ( No.93 )
日時: 2014/07/28 16:12
名前: 鑑識

後編になります。長々と申し訳ない。











どうだどうだと言わんばかりに見つめる彼にため息をこぼして、かぶりを振った。




「そうですか。それはそれは、ちゃんと幸せにしてやってくださいね」

「えっ」

「え?」

「赤葦、それはマジで言ってんの?」

「は?なんですか、俺なんか変なこと言ってますか」

「っかー、鈍い鈍い!鈍いよ赤葦!そんなんだから彼女ができねーんだよ!」



別に彼女がほしいわけではないけれど、そこまで言われると流石に腹も立つ。

なんですかと尖らせた口に、いつの間にか手にとっていたらしい箸が突き付けられた。




「いいか赤葦。いまからすげぇ大事な話するから、よく聞けよ」


















「俺と、

結婚してくれ」











「は?」




は?






「いやいや何言ってんですかアンタ。冗談にしては笑えないですよ、下手くそですか。あぁそれとも乗るとこでしたか。俺がその手のフリ苦手だって知ってるでしょう」


「あのな赤葦」


「なんですかそれとも、俺がアンタのこと好きだって知ってのタチの悪い悪戯ですか。もしそうであるなら本当最低ですね失望しました」


「落ち着け、落ち着けって」


「もうなんだってんですか、いつまでも俺を振り回して。俺はいつまでもアンタを諦めきれないから、」


「聞けって赤葦!」




少し語調の強くなった声に、びくりと固まる。


俯いている俺には見えないけれど、ごそごそと何かをポケットから取り出したらしい彼は、もう一度俺を呼んだ。




「なぁ赤葦、俺は真面目だよ。真面目にお前を愛してるし、結婚したいと思ってる。なぁほら、見てくれよ。1年もかけたんだぜ?」




ちらりと顔を上げて、盗み見た先でちらりと光ったのはシンプルなシルバーのリング。
顔を上げた俺を見て、あからさまに安堵の表情をした彼に、少しの罪悪感を覚えた。


ほら、と差し出した右手に乗った赤茶の箱を手に取ると、それは質量を持って俺に現実であることを示す。
信じる他、なくなってしまったのだけど。



「な?これで信じてくれたか?」


「なんで、今更なんですか」


「ん?」


「さっきの話だと、ずっと好きでいてくれたってことですよね」


「まぁ、そういうことだな」


「だったらもっと早く、言ってくれたらいいじゃないですか。そうすれば俺はこんなに悩むこともなかった。あんな苦しむこともなかったのに」


「あー、それに関しては完全に俺が悪かった。本当にすまん」





一度深く頭を下げて、それから言いにくそうに口を開いた。






「そのー、自信が、なかったんだよ」


「は?」


「だから!自信がなかったの!なんとなく悪く思われてないのはわかってたから、チャンスあんのかなーとは思ってたけど、お前つめてーから!」


「はぁ」




それはなんとも、





「俺らしくねーって思うだろ?」


「えっ、はい」


「素直なやつだなチクショー。俺だってそう思うけどよ、やっぱ本気で好きになっちまうと、いやに慎重になっちまうもんでさ。適当なこと言ってダメでしたーとかなったら死ぬに死ねねーだろ?だから確証が欲しくてさ」




まぁ、納得できないことも、ないけれど。


いくら単純で素直でまっすぐな彼も、人間なのだ。恐れくらい抱いてもなんらおかしくないだろう。


しかし、だな。





「確証なんて、どこで得たんですか」


「え?あぁ、それはな」




にやりと卑しい笑いをひとつ。




「考えてみれば高校んときからお前、俺のこと好きっぽかったよなぁっていうのもあるけど。
さっきのお前、あんまりにも木兎さん好き好きーって顔してたし、話の内容がすげぇ
俺に当てはまると思ったもんだからさ。これはいけるなって判断したわけよ」


「はぁ!?」



だからあんなに、生暖かい目で、いや今思えば卑しい目で!


羞恥で顔に熱が集まっていくのがわかる。


信じられない。つまり俺はずっと好きな人の好きなところを、好きな人に、しかも相手も承知の上で語っていたのか!?



「はぁー、なんかもう、死んでください」


「酷くねぇか赤葦!?」


「んっとに信じられないです」


「ってかさ、俺、まだ返事もらってないんだけど」


「....言わなくてもわかるでしょう」



先ほどの失言もあるし。




「俺はちゃんとした、正式な返事が欲しいの!」




大人になったと思っていたけれど、相変わらず、わがままで甘えたなところは変わっていない。

そのことに笑うと、相手も照れくさそうに笑った。
赤茶の箱から揺れる銀色を取り出して、もちろん左手の、薬指に嵌める。少し大きめのリングはすんなりと指に収まって、蛍光灯に照らすときらきらと光った。








めんどくさいけどわがままだけど、強情だけど甘えただけど頑固だけど。







あぁやっぱり、好きだなぁ。














「えぇ、もちろん。結婚しましょう」

















薬指だけでいい
(輝く銀色を嵌める場所)















「ってか、ムードも何もないじゃないですか」

「いやぁ、俺の中ではもっとかっこよく決めるはずだったんだけどなぁ」

「居酒屋で?」

「できるだけお洒落なとこ選んだろ!つか、まさかお前から好きな人的な話題を出されるとは思わなかったんだよ!」

「あーそうですかそうですか」

「もっとさぁ、『なぁ赤葦、お前、好きな奴はいるのか?』『俺はその....アンタのことが....』『俺も愛してる。結婚しよう』みたいな感じを想像してた」

「俺、アンタのこと大好きみたいになってますね」

「ちげーの?2年も3年も想い続けてくれた赤葦くん?」

「なっ」

「え、図星?図星なの赤葦!そんなに一途だったの!」

「あーもういいです。今日は奢りですよね。すいませーん、菜の花のからしあえもうひとつ。それと、生追加で。あぁあと、牛ヒレのステーキもお願いします」

「待って赤葦!俺そこまで金持ってないけど!?」









おわりです。


なんか俺のとこのぼくあかはいつも告白してばっかりですね。たまにはそのネクスト段階も書きたい。書けよ。