大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: ミカグラr18小説 ( No.1 )
- 日時: 2015/04/28 01:09
- 名前: 星納
- 参照: http://jfbhfdo.lyze.jp/meroeta/
お客様が来ることを祈って……!
* * *
庭のはしっこで、私は頭を抱えていた。
『僕だよ! エルエルエルエルエルエルナちゅわぁ〜ん!!』
「あああうるさーい!!」
「りゅいッ……!?」
シグレの呪いつきの端末を近くにいたビミィにぶん投げた。
今朝から、休日だからとシグレからの連絡が絶えない。
もう昼になるが、一向になりやまない声に嫌気がさした。
殴ってやろうとシグレを探したが、シグレのファンが休日を共にしようと押し掛けていて部室から出られないようだ。
ざまぁ、で片付けたかったのだが、メールは一向に止まらない。
いい加減、どうにかしたかった。
ビミィの顔に埋まった端末を操作して、電話をかける。
『やあエルナちゃん! やっと電話に出て――』
「うるさーいッ!! もう構ってこないで! シグレは私の休日を邪魔したいの!?」
『邪魔だなんて! 僕はただ、エルナちゃんの傍にいたいだけなのに!』
「部屋から出てこい殴ってやる!」
と、いきなり電話が切れた。
「あ、あれ……?」
悪い予感がして、端末をひっつかんだ。
「み、耳が……りゅい……」
「エー……ルー……ナー……ちゃー……んー……」
「しまった来た!」
振り向くと、廊下の向こうから猛スピードで走ってくるシグレが。
私は端末を振りかぶり、シグレに向かって投げた。
かなりの威力で吹っ飛んでいく端末がシグレと重なり、ものすごい音で爆発(?)が起きた。
「今のうちに……っ!」
「エ、エルナ、どこに行くりゅい!?」
こちらも全速力でシグレとは反対側に逃げることにした。
* * *
「ま、迷った……」
ビミィと端末を置いてきてしまったので、すっかり道に迷ってしまった。
がむしゃらに走ったので、どこをどう通ったのか覚えていない。
さすがにもう走ってはいないが、長い階段をひたすら上っている。
「あ、扉だ」
その扉を開けようとした時、遥か下の方から声がした。
「くんくん、エルナちゃんの匂い……! エルナちゃーん! 今行くからねー!!」
「エルナー! そこにいるりゅいかー!? 危ないから降りてくるりゅいー!」
「げっ」
手すりから下を覗くと、いつの間に追い付いたのかビミィを肩に乗せたシグレが。
私が覗いていることに気付いたのか、手をこちらに振って、土煙をあげながら階段を上ってきた。
「やっば……!」
私も慌てて扉を開ける。
「あれっ」
最初はそこがどこかわからなかった。
それから、辺りを見渡してここが時計塔だとわかった。
前に、赤間くんが登っていた場所だ。
「逃げ場がない……!?」
とりあえず身を隠そうと、屋根をよじ登り、反対側に回る。
が、シグレに追い付かれた。
「そのマフラーは、エルナちゃん!」
「エルナ、こっちに来るりゅい!」
マフラーが風になびいてたのかっ!
あっさりとバレ、焦る。
シグレもなんかこっちに来てるし!
――そう焦ったのが、命取りだった。
汗で手が滑り、バランスが崩れる。
「しまっ――」
屋根を滑り落ちていき、爪を立てるも意味がない。
少しでも止まれば、なんとかジャンプしてみせるのに……!
その時、影がさした。
「エルナちゃん!!」
真剣な顔で私に手を伸ばすシグレ。
ペンを伸ばしていて、塔に刺すつもりのようだった。
「シグレ……ッ!!」
だが、伸ばした手は空を切り、私は落ちていく。
私の意識は暗転した。