大人二次小説(BLGL・二次15禁)

Re: ミカグラr18小説 ( No.11 )
日時: 2015/06/14 11:07
名前: 星納 ◆Y5FIMZm95M

小説完結させます

  *  *  *

「――……ナ、エルナ!」
「ハッ!?」

 目覚めると、保健室のベッドの上だった。
 周りには、いつものメンバー。
 ビミィの顔が近い。

「てぃっ」
「りゅいー!?」

 とりあえず窓の外にぶん投げた。

「よかった。エルナちゃん、大丈夫?」
「さっき苦しそうに唸ってたよー」
「お水、いります?」
「ええと、ドア開けますです!」
「目ぇ覚ましたか……」
「無事で安心」
「オイラは無視かりゅい!?」

 一斉に声をかけてくれる皆。
 すると、アスヒ君が換気のために開けてくれたドアから、演劇部の皆さんと、おとねちゃん、星鎖先輩も駆けつけてくれた。

「エルナ!」
「ア、Are you ok?」
「おはよーエルナちゃーん」
「うおお目が覚めてよかったッスぅう」
「湊川先輩のフラワーキャッチは見事でした」
「みんな心配したんだぞっつって!」

 ガヤガヤと騒ぎ出す周りに、自然と顔が綻ぶ。

「みんなありがとう! もう大丈夫だよ〜!」

 その後、差し入れを食べたりひみちゃんや熊野さん先輩を抱き締めたりして気が付いた。

「――ん? シグレは?」

 みんなの動きがピタッと止まった。
 あれ、聞いちゃいけなかったかな……?
 花袋ちゃんが恐る恐る手紙を差し出した。

「あの、これ……顔合わせられないから、手紙渡しといてくれって……」
「手紙……?」

 恐る恐る開くと、手紙にはただ一言。

『ごめん』

 私はバッと立ち上がり、ベッドから飛び降りた。

「くっ」

 でも、頭が傷んでへたりこむ。

「おいエルナ!?」
「包帯まだ取れてないから動いちゃダメだよ!」
「怒ってるのはわかるけど落ち着いて!」

 それでもよろよろと廊下へ出る。
 おとねちゃんと星鎖先輩が支えてくれるから立っていられる。
 窓から見える屋上を見上げる。

「――いた」

 こちらを申し訳なさそうに見下ろすシグレがいた。
 一歩踏み出し、支えてくれていた二人の手から離れる。
 窓枠に足をかけ、一気に跳躍する。

「ダメよエルナ!」
「Stopエルナ!」

 制止の声を振りきり、高く高く跳ぶ。

「ふっ」

 気合いを入れ、銃の構えをとる。
 遥か下に見えるシグレに向かって指を突き出した。

「テンションMAX……いっけえぇぇええええ!!」

 眩い光線はシグレに真っ直ぐ向かい、そして――斬られた。
 弾けとんだ光が止んだ先にいるのは、剣の形にしたペンを横に薙いだまま静止しているシグレ。
 私は屋上に着地して、シグレを睨み付ける。
 シグレも剣を構え、こちらを見据えていた。
 今度は銃剣を出し、構える。

「はあぁぁあああッ!!」

 シグレの側までジャンプで近づき、思いっきり叩きつける。
 ガァンッ、と音がして、剣が弾かれる。
 何度が打ち合いをして、ギリギリと競り合いの体勢になる。
 隙を見て、銃を撃つ。

「い……っけえぇえ!」
「っ!」

 シグレは慌てて体を後ろに傾ける。
 そこに剣を突き出す。

「ヒーロータイム」

 シグレに当たるかと思ったが、シグレの姿が掻き消え、私の首筋に剣を添える格好で立っていた。
 それを予想していた私も、シグレの顔に剣を突きつけている。

「「……」」

 お互いに沈黙が流れる。
 そこで私は口を開いた。

「……ねぇ、わざと私に嫌われようとしてたでしょ」
「……」

 シグレは感情を見せないまま黙っている。

「シグレだって、あのくらい予測できるよね。それに、私にケガさせようなんて、普通はしない」
「……」
「私ね、シグレと一緒になる夢を見たんだよ。すっごく幸せだった。私、シグレが好きなんだって、気付けた」
「……」

 シグレの瞳は、揺らぐことなく私を見つめる。

「最近シグレおかしかった。まるで、私を遠ざけるみたいに」
「……」
「なんで? ねぇ、なんで一緒にいちゃいけないの?」
「……」
「答えてよ……」

 ぽろぽろと涙が零れる。
 シグレは最近、私を見かけても微笑むだけで飛び付いてこなくなった。
 ストーカーもしなくなり、見かけること自体少なくなった。
 むしろ、私がシグレを探しても、絶対に見つからない。
 なのにあの日はいきなり追い回してきた。

「……忠告されたんだ」

 シグレが口を開く。

「これ以上、エルナちゃんに近づいたらいけない」
「だからなんで!?」

 声をあらげた。
 前に一度、あの蔵でご先祖様に言われたことを思い出す。

『分家の子に近づいてはいけない、お互いが傷ついてしまうから』

 頭がじんと痛む。
 膝を折り、頭を押さえる。
 シグレは、手をさしのべてくれない。

「シグレ……っ」

 涙で前が見えない。
 袖で拭って、顔を上げると、シグレはいなかった。
 そして、翌日、シグレは学園から消えていた。

  *  *  *

「ハッ!?」

 ベッドから起き上がる。
 辺りを見回すと、ここは放課後楽園部の部室だ。

「え? ……夢?」

 あ、そういや、このベッドはシグレが買ったんだっけ……。
 枕の下を探ってみる。
 なんかあった。
 手紙?

『エルナちゃんがいい夢を見られますように(ハート)』

 びりびりに破って、燃やした。
 『ちーこーくーだーりゅーい!!』って起こしにきたビミィについていく。
 その頃にはもう、夢の内容なんか忘れていた。
 シグレはいつも通りウザいので、殴り飛ばす日々。
 いつもの朝がやってきた。

  *  *  *

一気に書き上げたので長いです
そして夢オチです☆←
次は花袋ちゃんにひみちゃんを襲わせたいな……
それか、おとねちゃんに星鎖先輩を……