大人二次小説(BLGL・二次15禁)
- Re: 奴隷のメウ ( No.1 )
- 日時: 2015/12/26 19:06
- 名前: 星納 ◆Y5FIMZm95M
薄暗い、光の届かない場所。
そこが私のすむ世界。
ここには奴隷を探し求める者が来る。
私もその一人。
だけど、この奴隷市場は他と少し違う。
ボロボロの布ではなく、一糸纏わぬ姿。
胸のすぐ下に背中まで覆う大きな枷と、背中に回された手首にかかる枷が天井から繋がれている。
大きな枷によって真っ直ぐ立てず、縛られているような体勢。
逃げないためと、胸を魅せるため。
鉄格子の檻の中ではなく、1つの部屋。
お客様がドアのない他の部屋から来て、私を見、次の部屋へと流れていく。
今まで見たお客様は、身分の高そうな方ばかりだった。
前にいた奴隷市場と違って、転売目的の奴隷商人はいない。
ここが特別な市場だからだろう。
「ん、あの子は?」
案内役を連れたお客様が私に興味を示した。
「は、あの者は……」
手元の資料をめくる案内役は忙しそうだ。
「私はメウでございます」
元々、自分のことを『わたし』と言うので、『わたくし』と普通に言えるようになるまで長くかかった。
前の市場では勝手に口を開くと怒られたが、案内役は私に礼を言って説明し出した。
ここでは、奴隷でも人としてある程度扱ってもらえている。
……あることを除いて。
「メウ……16の娘です。あのように、体は男好みに仕上がっております」
お客様は私の身体を舐めるように見る。
恥じらいはとうの昔に捨てたが、身をよじり、恥じらう演技をする。
「ふむ……生娘か?」
「いえ……残念ながら」
「そうか」
お客様は私から目を離した。
「3つ先の部屋の奴隷は今日下ろされたばかりの生娘です。どうなさいますか?」
「行こう。歳は?」
「11でございます。幼いですが、体つきは普通の女より――」
声が遠ざかっていった。
目を閉じ、自らの下ろされた頃を思い出す。
大きい枷の冷たさを感じ、怯えていた。
自分の身体を見ては目を細める知らない人達。
そして――
「――ぁ、っ――ゃぁぁ……――」
目を開ける。
叫び声の主の名前は知っている。
もし会えたら慰めてやろう。
それとも、今日買われるのだろうか……。
「おお、娘、名は?」
新しいお客様が入ってきた。
「メウでございます」
艶かしい風な声を出す。
遅れてやってきた案内役は、先ほどの時と同じように私の特徴を読み上げる。
「気に入った」
「ご購入なさいますか?」
「いくらだ」
「金貨3枚でございます」
金貨3枚。
それが私の値段。
ここに来て、たしなみとして教わった商人の術。
金貨1枚は銀貨100枚。
銀貨1枚は銅貨100枚。
金貨よりも高い硬貨もあるらしい。
「むぅ……では、今日は試すだけとしよう」
「は、銀貨5枚でございます」
お客様は銀貨を取りだし、5枚案内役に渡す。
「ごゆっくりどうぞ……」
案内役は部屋の隅に置かれた板を、部屋を通る者から見えないよう、仕切りにして立てた。
「メウ、と言ったか」
「はい、その通りでございます」
顎を軽く掴まれ、顔を上に向けられる。
顔を近づけてくるお客様に不快な思いをさせないよう、唇を湿らす。
この市場で行われる特別な事。
それは、奴隷の試し。
女奴隷しかいないここで、春を買う。
唇を合わせ、お客様が入れてくる舌に私の舌を絡める。
吐息を漏らし、唾液を吸うように唇を吸う。
お客様は興奮し、胸に手を伸ばす。
私の胸を潰すように掴み、滅茶苦茶にまさぐる。
「ん……ふぅ……」
この後のことを考え、なるべく感じるように神経を集中し、秘部を濡らす。
お客様の息は荒くなり、角度を変えて私の口に何度も口づけを繰り返す。
ジャラジャラと鎖が揺れ、体が後ろに押される。
目を閉じ、されるがままに。
スッ、とお客様が離れ、後ろに回る。
私はぐったりと身を落とす……フリ。
「んっ」
後ろからお客様のモノが当てられ、震える。
腰を固定され、覆い被さってくる。
焦らすように、ゆっくりと挿入される。
何度も経験し、濡らしていたこともあり、埋まるのは容易かった。
直後強く突かれ、襲ってくる感覚と衝撃にそなえうつむく。
「は……ぁ……っ」
声をあげるなんてはしたないことはせず、息を吐き出して堪える。
突く間隔は狭くなり、やがて液が放射される。
あの子……怖かったろうな……。
新人の子に思考を飛ばしていたら、また放射された。
それを何度か繰り返し、腰を振り続けた。
あっという間に液は満ち、ボタボタッと垂れ始める。
そこでお客様は私からモノを抜き、服を整える。
「待たせたな、終わったぞ」
「は」
仕切りの一部を崩し、案内役がやってきた。
仕切りの合間から帰ろうとしたお客様が振り返り、私にもう一度口づけをした。
「なかなか気持ちよかったぞ。また頼む」
「はい、かしこまりました」
薄く微笑み、お客様を見送る。
「どうする、休むか?」
案内役が私に声をかける。
「いいえ、まだ大丈夫でございます」
「そうか。無理するなよ」
そして、お客様を送りに出ていった。
後で帰ってきて、仕切りを戻し、掃除をしてから帰っていった。
そのまま今日の市場が終わった。
「今日は来なかったな……」
両手用の枷から片手ずつのにはめ変えられた手首を捻りつつ、呟く。
服を着せられ、世話役についていく。
「来ないって、あんたの王子さま?」
「うん」
「……もうちょっと恥ずかしげに言わないと、こっちがてれるでしょうが」
この世話役とは仲良くなり、名前は知らないものの、雑談する仲になっていた。
この市場は、ちゃんと雇われた者もいる。
けれど、あまり女性はここで働きたがらない。
奴隷はいなくなって行く者が多いため、友人の存在はとても嬉しい。
「今日、あんた試しやったんだってね? 具合悪くなったら言いなさいよ」
「うん」
「……疲れたでしょ? ご飯まで寝てなさい」
「ありがとう」
奴隷たちの集まる部屋に入れられ、後ろで鍵のかかる音がする。
お喋りに夢中な奴隷の間を歩き、新人の子を探す。
すると、奥の寝ている奴隷が多いスペースに膝を抱いて泣いているのを発見した。
「……ユーシィ」
声をかけると、ぴくっと肩が震え、顔を上げた。
「メウ姉ちゃん……」
隣に座り、ポンポンと背中を叩いてあやしてやる。
肩を抱き、ユーシィの隣で一緒に眠った。
- Re: 奴隷のメウ ( No.2 )
- 日時: 2015/12/27 20:31
- 名前: 星納 ◆Y5FIMZm95M
「メーウ」
なあに。
「おとうさんのお迎えに行こうか」
はーい。
「ちゃんと上着着るのよ」
わかってるよー。
おかあさん――
* * *
「メウ姉ちゃん、メウ姉ちゃん」
「ん……」
夢を見ていたみたいだ。
ユーシィが私の顔を覗きこんで、肩を揺すっている。
「あ、メウ姉ちゃん。ご飯だって」
「ん。ありがとうユーシィ」
「ううん……こっちこそ、ありがとう」
ユーシィの目元はまだ赤かったが、吹っ切れたような顔をしている。
私はまだ幼いその頭を撫でて、立ち上がった。
ふと周りを見れば、ほとんどの奴隷がいなくなっていた。
どこからかいい匂いがしてきて、ユーシィはそちらにパタパタと駆けていく。
開いているドアを抜け、食堂へと向かう。
前の方を歩くユーシィは、少し足取りがおぼつかなかった。
それはそうだろう。
初めて女としての階段を登ったのだから。
悪夢の1つとして片付けようにも、痛む腰があれは現実だったと伝えてくる。
慣れるまでは大変だろう。
と、心を読んだわけじゃないだろうが、ユーシィが振り向いた。
「メウ姉ちゃん、早くー」
わざわざ戻ってきて手を握られる。
その手にはもう震えが残っていない。
強くなったね、とその手を握り返した。
食堂が近付くと、わいわいと活気に溢れたざわめきと熱気が零れてくる。
よくは知らないが、ここの市場ではおよそ100の10つ分の女奴隷がいるらしい。
教育を受け、ちゃんとした寝床もあり、まるで学校だと詠われることもある。
「あっ、あそこ空いてるよ!」
湯気を上げるご飯の並んだ机に、ユーシィが空いた椅子を見つける。
談笑している奴隷たちにぶつからないようにして席についた。
ユーシィには友達がいるが、教育組と市場組は別々に分けられる。
市場の時間が深夜まであるのと、食後に薬を飲んで妊娠を避けるためだ。
会うことは禁じられていないし、市場組から教師役として派遣されることもあるため、私にも教育組の知り合いがいる。
だが、あんなことがあった直後、友達には会いにくいようだ。
いつもなら、ご飯の時間が違うため、外出許可をとって遊びに来ていた。
こうして、これから毎日一緒に食べることになるのはなんだか不思議な感じだ。
「メーウっ!」
肩を叩かれ、振り向く。
豊満な体つきで人気奴隷の、ターニャがいた。
「今日、試されたんだって?」
ターニャは悩ましげなポーズをとり、ずり落ちた服からチョコレート色の双丘を惜しげもなく魅せる。
「そうだよ。ちゃんと服着て、ほら」
「つれないなぁ」
ぐいっと服を引っ張り、元に戻す。
ターニャは人気の高い人種族の生まれらしく、こうした動作に女でもドキッとくる事があるらしい。
私には感じないが。
ターニャはもう食べ終えたらしく、私に寄りかかってじゃれてきた。
そして、ちらちらとターニャを物珍しそうに見ているユーシィに目を移す。
「うん? あ、今日下ろされた子?」
「はい。ユーシィです」
ユーシィはささっと食べ終え、ターニャに向き直った。
「試された?」
「……はい」
ユーシィの顔色が少し暗くなる。
ターニャは悪びれもせず言葉を続ける。
「ま、初めての日に買われなくてよかったじゃん。こうしてメウが慰めてくれたんでしょ?」
「は、はい。メウ姉ちゃんも、疲れていたのに……」
こちらをちらっと見るので、気にしないで、と微笑んで首を振る。
ようやく私も食べ終え、会話に加わる。
「そういうあなたも、試されたの?」
「ありゃ、聞いてない?」
「寝てたから。あなたとは違って、そこまでタフじゃないの」
そうかい、とからから笑うターニャ。
「それがねぇ。予約された」
予約とは、奴隷を購入する際に値上がりしていたりして、買えない状態での取り置きのことだ。
前金を銀貨50枚払えば、市場から上げられ、一月取り置きになる。
ターニャは経験豊富なので、生娘よりも値段が高いらしい。
「もしかして、あの人?」
「うん。例の若造くん」
ターニャはよく試しにくるお得意様がいて、どこか偉いところの子供らしい。
店を独立させたら買いにくる、と何度か愛を囁かれたらしい。
ターニャも満更ではないようで、そのお得意様の話をすると頬を赤らめる。
「んで、今日万を辞して買いにきたら、値上がりに気付かなかったらしくてさぁ。足りないってわかった瞬間あたふたしてねぇ。こっちも目が点になったよ」
笑いながら、声に滲む残念さを隠しきれていない。
ターニャはきっともうすぐ買われるだろうと言われていたが、これであと一月もすればここから去ることがわかった。
「元気でね」
「やーね、まだ早いっての」
バシンと肩を叩く。
「あ、あの、ターニャさんは、その人のこと、どう思ってるんですか?」
好奇心丸出しの顔でユーシィが尋ねた。
11といえば、恋する乙女の年代だ。
娯楽がほとんどないここで、こういう話題は好きなのだろう。
「えー、んーとぉ……どうだろ」
顔を染めながらはぐらかした。
「教えてくださいよー」
「んふふー、あなたにはまだ早いわよー」
ペシペシとユーシィの肩を叩いている。
仲良くなれたようでなりより。
「あ、それよりほら、報告はじまるよ」
「もー!」
毎晩夕食の時に、教育組も市場組も、世話役からその日の報告がある。
報告が始まるのは時計の針が真っ直ぐ上を重なって指すとき。
ざわめきが小さくなり、報告が始まった。